メインコンテンツに移動する

壁を越えて共創する。― 2026年4月の入社式に見た、プロフェッショナリズムの現在地 ―

2026年4月7日、デロイト トーマツ グループは1,103名の新入職員を迎え、数年ぶりとなる大規模な対面での入社式を開催しました。未来を担う新たな才能が集った会場は、熱気と期待に満ちあふれていました。本稿では、プロフェッショナルとしての第一歩を踏み出した彼らに贈られたリーダーたちの言葉から、グループが未来へと受け継いでいこうとするカルチャーの現在地を探ります。

デロイト トーマツ グループのマネジメント陣が、1,000名以上の新入職員の前でこちらを向いて手を振っている

会計士、税理士、弁護士、コンサルタント、エンジニア……。熱気にあふれるこの会場は、多様な専門性を持つ新入職員たちが、所属法人で分け隔てられることなく一同に会し、組織の壁を越えて集う意義を再確認する場となりました。式典でリーダーたちが語ったのは、単なる歓迎の言葉だけではありません。その一つひとつが、デロイト トーマツ グループのパーパス「Make an Impact that Matters」を、プロフェッショナルとしてどう体現していくか、という問いの答えへと繋がっていきました。

※祝辞を述べるリーダーたち

 

グループCEOの木村研一が語ったのは、プロフェッショナルとしての成功の、さらにその先にある「最高の人生」の描き方でした。彼はまず、「スペシャリスト」から、やがてクライアントの困難な道を共に歩む「シェルパ」のような「信頼されるアドバイザー」へと進化する道筋を示します。さらに、「広い海の中で枠をつくり、小さく戦っていないか」と鋭い疑問を投げかけます。木村は翼の生えた魚が飛び立つ絵を掲げ、「水槽を飛び出て、唯一無二の存在を目指そう」と、既存の概念を打ち破る挑戦を呼びかけました。 しかし、木村のスピーチの核心は、単なるビジネスでの成功物語ではありませんでした。「仕事での成功は、人生の成功ではない」と彼は続けます。自分自身がどうありたいか、どうしたら幸せなのかを定義し、「最高の人生」をデザインする中で仕事をうまく組み込むこと。プロフェッショナルとしての成功を追い求める一方で、そのオーナーシップを決して手放してはならないと、力強く、そして温かく語りかけました。

続いて、グループのChief Talent Officerである神山友佑が、AI時代における人材育成の指針を語りました。AIが人間の能力を増幅させる強力なツールであるからこそ、その使い手である「人間」そのものの力が問われると彼は説きます。そこでデロイト トーマツ グループが、これからの育成の揺るぎない根幹に据えるのが、「メタスキル」としての「クリティカルシンキング」です。 彼が語る「クリティカルシンキング」とは、単なる客観的・批判的な思考ではありません。それは、専門性やビジネスの視点に加え、「人間の尊厳」といった根源的なテーマにまで思いを馳せ、最終的にそれを倫理観と共に意思決定へと繋げる思考の力です。仲間やクライアントから「あの人が言うなら」という深い信頼を得る対話の力も、その価値を最大化する上で不可欠だと強調しました。こうした高度な専門性と人間力を備えたプロフェッショナルが果たすべき社会への責任を、神山は「ノブレス・オブリージュ」という言葉で締めくくりました。

合同会社デロイト トーマツ 代表執行役の岩村篤と合同会社デロイト トーマツ代表執行役でファイナンシャルアドバイザリーリーダーの福島和宏からは、より実践的なメッセージが贈られました。岩村は、「目の前のことを一生懸命やること」、そして「何かに興味を持つこと」の大切さを、自身の新人時代を振り返りながら説きます。さらに福島は、「謙虚な気持ちで、常に周りにあるものから学ぼうとする力」こそがプロフェッショナルを形成すると語ります。多様な才能が集うこの場所を、最高の学びの場に変えるためのマインドセットです。

高い志と、日々の確かな実践。その両輪が、パーパスを理念から行動へと落とし込むための道筋を示唆します。リーダーたちの言葉に応えるように、今度は二人の新入職員代表が登壇し、自らの言葉で決意を語りました。  

※リーダーたちの言葉を受け、自らの言葉で未来への決意を語る新入職員代表

 

リーダーたちが示したビジョンを自らの言葉で受け止め、多様なバックグラウンドを持つ同期と繋がり、専門性の垣根を越えて社会に貢献していく。その決意表明は、この場で交わされた言葉が、次世代へと受け渡されようとしている確かな瞬間でした。その思想は、後半のパネルディスカッションで、より立体的に描き出されていきます。 

ファシリテーターを務めたのは、Diversity, Equity & Inclusionリーダーの大久保理絵です。彼女はセッションの冒頭、「(デロイト トーマツ グループでは)フランクに、お互いにいろいろなところに挨拶したり、いろいろな相談を上から持ちかけたり、下から持ちかけたりみたいなことが日常的に起こるので、今日はその、ちょっぴり端っこの方を、ご覧いただければなと思います。」と、会場の空気を和ませながら、この後に行われる「対話」の背景にあるグループの日常の光景を伝えてくれました。。監査、コンサルテイティブ、税務・法務、そしてグループ全体の屋台骨であるコーポレート。各ビジネスのトップが、一人のプロフェッショナルとして壇上に並び、活発な対話を繰り広げます。

※パネルディスカッションの様子 時にユーモアを交えながら体験談を語るリーダーたち

【パネルディスカッション登壇者】 写真左から
デロイト トーマツ グループ Diversity, Equity & Inclusionリーダー 大久保理絵
有限責任監査法人トーマツ 代表執行役 大久保孝一
合同会社デロイト トーマツ 代表執行役 コンサルテイティブビジネスリーダー 長川知太郎
デロイト トーマツT&L合同会社 代表執行役 税務・法務領域ビジネスリーダー 溝口史子
デロイト トーマツ グループ合同会社 代表職務執行者 佐瀬真人

 

私たちがどれほどビジネスの垣根を越えた「対話」を重視しているのか。その様子は、言葉で語られる以上に、目の前の光景そのものが物語っていました。異なる専門性を持つリーダーたちが、一つのテーマについて真剣に、そして時にユーモアを交えながら意見を交わし合う。その姿こそが、私たちが目指す共創のあり方を体現していました。

まず、大久保孝一は、信頼の基盤となる姿勢として「誠実さと倫理観が重要」と語ります。相手の立場を考えることが意思決定の質とスピードを高めると指摘し、「相手に伝わらなければ何の意味もない。専門性は伝わってこそ価値を持つ」と強調しました。こうした在り方を前提として、次に求められるのが個人の規律です。

この文脈を受け、長川は「自らを律してください」と述べ、「言われたことプラスアルファ」を実現するには自己管理が不可欠だと語りました。「困っている人がいたら『手伝おうか』と言えるか」は、自律が他者貢献につながることを示しています。こうした日々の実践を踏まえ、視点は長期的なキャリアへと広がります。

続く溝口は、「専門性に裏打ちされた責任感」がプロフェッショナリズムであり、「自分が健康で満たされていないと他人をケアできない」と述べ、持続的に価値を発揮するための大前提を示しました。

今回のパネルディスカッションでは「誠実さ、専門性、自己管理」、これらを日々実践することが、信頼を生み、価値を生み続けるプロフェッショナルの土台であると語られました。

そして、プロフェッショナルである前に、一人の人間として豊かであること。その上で、グループ全体のコーポレート部門を率いる佐瀬真人は、プロフェッショナルとしてのキャリアの歩み方を、こう締めくくりました。

「上り坂を選んでください。下り坂は面白くないです。だって、(下り坂は)行き先の景色がもう見えているじゃないですか。上り坂って、その先に何があるかわからないですよね。その先には、必ず皆さんが見たことない景色が広がっていると思います。」

そこには、困難な道にこそ成長があると信じ、未知の挑戦を称賛する、このプロフェッショナルファームのカルチャーの一端が垣間見えました。

この日、この場所に1,103名の才能が集った意味。それは、深く専門性を磨き、自分だけの矜持を手にすること。そして、その矜持を手に、所属や専門性の壁を越えて仲間と繋がり、共創すること。そして、その化学反応から一人では決して生み出せない、社会を動かす大きなインパクトを生み出すためです。

今日、隣に座る全く異なる分野の仲間が、数年後、最高の共創パートナーになる。そんな化学反応が、ここでは日常的に生まれる可能性を秘めています。入社式という一つの節目は、ゴールではなく、壮大な「上り坂」への挑戦の幕開けにすぎません。この舞台は、プロフェッショナル一人ひとりが未来を描き、社会へのインパクトを生み出すためにあります。私たちは、その挑戦を共にする新たな仲間を、心から歓迎します。

皆さんの隣にも、異なる専門性を持った仲間や協働相手がいることと思います。自分自身もプロフェッショナルとして自律し、そして周りのプロフェッショナル達と共創すること。それが社会を動かす大きな力を生み出す一歩です。

同じ人達とよりも、違う人たちとの方がより大きなシナジーが生まれる。ぜひそんな視点を、今日から意識してみませんか?

パネルディスカッションに真剣に耳を傾ける新入職員たち

Career Platform

デロイト トーマツ グループのキャリアプラットフォーム 「Talent Cross」では、多様なバックグラウンドを持つ仲間との交流や最新情報、学びを通じて、ご自身の経験やスキルの活かし方を発見する機会を提供しています。