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デロイト トーマツ、組織・人事・リーダーシップに関する世界的トレンドを公開~95か国の約1.4万人を調査

生産性指標の転換、テクノロジーと人間の能力の掛け合わせ、多様性の推進など、人材のパフォーマンス向上と組織の躍進の鍵となる7つのトレンドとリーダーに向けた提言を紹介

2024年4月23日

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:木村研一)は、世界95か国の約1.4万人におよぶ人事部門責任者や管理職を含む労働者へのアンケートやインタビューを基に、境界のない世界の中で組織・人材が飛躍するための課題とトレンドをまとめた「デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024 境界を超えて躍進する:境界のない世界における人間のパフォーマンス」の日本語訳を発表しました。

「デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド」は、グローバルで行う人事・人材・リーダーシップに関する調査では世界最大級のものです。今年のレポートでは、技術の急速な進歩や労働市場の多様化を受けて、労働者の「人間」としてのパフォーマンスを最大限引き出して組織を成功に導くために、組織やリーダーが取り組むべきことについて考察しました。

「デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024」が掘り下げる3つの提言と7つのトレンド

提言1. 「組織が労働者にもたらす利益」に焦点を当て、労働者視点の生産性指標に転換する

真の持続可能性実現のために、組織は労働者を価値創造の源泉と見なし、「組織が労働者にもたらす利益」に焦点を当て、ウェルビーイング・能力・働きがいなどの向上に取り組むことが必要です。その上で、従来の組織視点の生産性指標から、労働者エンゲージメントや心身の健康度といった労働者視点の生産性指標へ転換していくことが求められています。

  • 人が躍進すればビジネスも躍進する:本調査では、労働者の43%が「所属企業が、自分たちを入社当初よりも良い状態にしてくれた」と回答しました。他方、組織と労働者の関係性は、ESG指標の一要素である社会的指標として測られるべきものの、明確な定義や標準化が困難であるため、相対的に対応が遅れています。本調査ではリーダーの19%が「ESGの社会的要素を測定するための非常に信頼性の高い指標を持っている」と回答しました。
  • 労働者視点の生産性指標に転換する:本調査では、従来の生産性の枠組みを超えた労働者のパフォーマンスや価値創出の模索について、組織の成功における「重要性を認識している」リーダーは74%であり、そのうち40%が「何らかの行動をしている」と回答しました。

 

提言2. 責任あるデータ活用の下、人間の「想像力」と最新技術を掛け合わせて課題解決に取り組む

テクノロジーの進歩に伴い高まる情報収集・活用のニーズに対して、組織は透明性およびプライバシーの確保により労働者との信頼を構築することが重要です。一方で、最新の技術で補えない「好奇心」や「共感力」などの人間らしい能力の重要性も高まっています。組織がこれまでにないような新しい課題に取り組むにあたり、新しいテクノロジーを安心・安全に活用できる場を提供し、人間らしい能力と掛け合わせる機会を生み出すことが役に立ちます。

  • 透明性とプライバシーのバランスをとり、労働者との信頼関係を築く:情報の透明性に対する要求が強まる一方、プライバシー侵害による信頼失墜の危険も高まっています。責任あるデータ活用により組織への信頼度は35%上昇し得るのに対し、本調査において「自組織がデータを責任ある方法で使用している」と回答した労働者は37%に留まりました。
  • 技術革新の中で、人間らしい「想像力」が組織の成功におけるカギを握る:AIをはじめとした技術により仕事のスピードや効率は向上していますが、課題解決や新しい価値創造においては、創造性や好奇心等の人間らしい能力が依然として重要です。本調査において、73%の労働者が「人間の想像力が技術革新に追いつくことが重要である」と考えているのに対し、その達成に向けて有意義な進歩を遂げている組織は9%でした。
  • 「デジタル・プレイグラウンド」での遊びと実験が、人間のパフォーマンス向上に繋がる働き方を生み出す:新技術を安心・安全に活用できるようにすることで、課題解決やイノベーションが促進されます。本調査では、39%の労働者が「自身の仕事に対するAIの影響を心配している」一方、52%の労働者は、「AIの利用拡大が自身のキャリアの可能性を高める」と回答しました。

 

提言3. 組織文化の多様化と人事知識の浸透を推進する

組織全体の価値観に沿いつつも、各チームのニーズに合わせた「マイクロ・カルチャー」を構築することを認めることにより、組織の自律性と多様性が高まります。人事知識を人事部門に限定せず、組織全体で構築することにより、更なる組織力向上につながります。

  • マイクロ・カルチャーを受け入れ、多様性を労働者と組織の躍進の原動力にする:リモートワークの普及や労働形態の多様化等が促進する中、全社画一の組織文化を浸透させる試みは、労働者や組織にとって不利益をもたらす可能性が高くなっています。本調査では、71%の労働者が「文化、流動性、アジリティ、多様性を育む最良の場所として、個々のチームと作業グループを重視することが成功にとって非常に重要」と述べています。
  • 人事は一機能から専門分野を横断する組織知へ進化する:組織における機能、職位、雇用形態等の境界が薄れつつある今、人事は「人事機能」という境界を越えて「組織知」となることが求められています。本調査によると、72%の回答者が「人事はオペレーション機能から機能横断の専門分野へ移行することが非常に重要である」と考えており、経営リーダーの27%は「人事機能が他のビジネス機能のプラクティスと益々統合されていく」と考えています。

 

■リーダーへの提言

労働者パフォーマンスおよび組織成果の向上に際し、リーダーの役割が何よりも重要です。取り組み事項の優先順位付け、ガバナンス強化、心理的安全性の担保の3つを実践することが、これからのリーダーに求められています。

 

レポート本文はこちらをご参照ください。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/articles/hcm/global-hc-trends.html

レポート原文(英語)はこちらをご参照ください。
https://www2.deloitte.com/us/en/insights/focus/human-capital-trends.html

<報道機関の方からの問い合わせ先>

デロイト トーマツ グループ広報担当 岡根谷、西原
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