サイバーセキュリティ先端研究所

真偽不明な情報の観測・分析可視化 

ウェブサイトやソーシャルメディアを介して情報を容易に発信することが可能な一方で、偽のニュースやプロパガンダの拡散が課題になっています。これら偽情報や一方的な情報により経済・政治・社会的な影響が実害として無視できない脅威になっています。フェイクニュース・サイバープロパガンダ ソリューションではウェブサイトやソーシャルメディアを継続的に観測し、情報を取り巻く問題を構成要素ごとに分析することで、拡散状況を明らかにします。

当ソリューションでは以下の分析軸により、偽のニュース・プロパガンダの拡散状況の把握、および検知を図ります。 

• SNSユーザ分析 
  ソーシャルメディアにおいてニュースや情報を拡散・共有するユーザ集団の行動や特徴に着目し、フェイクニュースやサイバープロパガンダの発生の検知や拡散過程の分析を行います。
• 時系列変化 
  関連するキーワードの発信時間や拡散時間等キーワードの時系列変化を可視化することで拡散や収束の過程を明らかにします。
• 共起ネットワーク 
  Jaccard係数に基づいてコンテンツに含まれる単語間を接続し共起ネットワークを生成します。それらをサブトピックとして解釈することでサイバー空間にて話題性の高い情報を明らかにします。 

DX時代にこそ求められるセキュリティ対策の基本

近年、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進などにより、より高度な社会やビジネスが実現されています。一方で、DXに伴う現実世界（フィジカル空間）と仮想世界（サイバー空間）の融合によるIT空間の複雑化・拡大化は、IT資産の管理漏れや設定不備などのリスクを増加させ、攻撃者の攻撃機会も増大させています。このようなDX時代では、自組織が保有するIT資産、およびその稼働状況を把握し、管理することがより一層求められます。 

サービス概要

サイバーフィジカルレーダーを用いたサービスでは、「ディスカバリ調査」と「スキャン調査」を実施します。ディスカバリ調査は、ご提供いただいた情報（IPアドレス、ドメイン名、企業組織名）に基づき、インターネット上の OSINT（公開情報）を分析し、IP アドレス・ドメイン名の保有状況を調査します。スキャン調査は、IP アドレスへのポートスキャンまたは OSINT の分析を行い、稼働するサービス・機器を調査します。当サービスを通じて、IT 資産の管理不備・設定不備を発見できるとともに、IT 資産を把握することにより、インシデント後のレジリエンス（復旧力）向上も期待できます。  

当ソリューションで対象とする調査項目 

以下の観点で多角的に調査することにより、意図せず保有しているIT資産（シャドーIT）、および各資産の管理不備・設定不備を洗い出します。 

• ドメイン名 
  ドメイン名の管理、登録状況について調査します。具体的には、パークドメインの有無やドメインの更新期限について調査します。 
• DNS  
  DNSの設定状況について調査します。具体的には、名前解決されないNS/CNAMEレコードやSPFレコードの登録有無について調査します。 
• 証明書 
  証明書の設定状況について調査します。具体的には、証明書の設定有無、検証エラーの有無について調査します。 
• 脅威/レピュテーション 
  保有ドメインと類似するドメインの登録、利用状況や、保有ドメイン・IPアドレスのレピュテーションについて調査します。 
• ポートの開閉状況 
  IP アドレスに対するポートスキャンデータの分析により、ポート番号の開閉状況を調査します。 
• ソフトウェアの特定 
  IP アドレスが応答するバナーデータの分析により、使用ソフトウェアの種別やバージョン値を特定します。 
• 既知脆弱性の有無 
  使用されるソフトウェアの種別やバージョン値から、既知脆弱性の該当有無について調査します。 
• 機器の特定
  当社独自の研究・調査データを活用し、稼働する IoT/OT 機器のベンダ名や機器名等を特定します。 

情報戦に対するレジリエンス向上のための持続的なインテリジェンスプラットフォーム

サイバー空間を主とした従来からのサイバー攻撃だけではなく、認知領域や人物、組織、土地に着目した新たな安全保障上の脅威が発生し、国内財産等が狙われています。サイバーリアクターは、安全保障やセキュリティ対策等レジリエンス向上のため、サイバー・フィジカル空間の情報を能動的・再帰的に収集分析するプラットフォームです。 

サイバーリアクターにより導出したインテリジェンスの活用例を下記に示します。 

次世代脅威情報の創出

エンリッチメントされた様々な情報を元に、人・組織・社会・国家の観点でデータ分析した脅威情報を創出する 

レピュテーション管理

クリアランスやブランド保護、サプライチェーンの観点で企業組織の経済活動やビジネス等を分析する

情報戦への対抗

人間の認知領域にまで及ぶサイバープロパガンダや印象操作に基づく情報戦に対抗する検知・分析を実現する 

経済安全保障

先端技術をめぐる覇権争いにおける経済・技術分野の安全保障上の課題解決に活用 

ヒューマンエラーを低減させ組織のレジリエンスを向上させる

セキュリティインシデントの事例を分析すると、対応時のヒューマンエラーにより被害が拡大する事案が散在しており、ヒューマンエラーを削減する取り組みとしてノンテクニカルスキル演習が注目されています。

デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所では、航空・宇宙分野等で成果を上げているノンテクニカルスキル訓練のノウハウをもとに、セキュリティインシデント対応に求められる「ノンテクニカルスキル」を向上させる新しい演習を提供します。

概要

ノンテクニカルスキルは「人」に着目したスキルで、ヒューマンスキルの向上、テクニカルスキルの効果最大化、そして組織のレジリエンスの向上に貢献します。

インシデント対応にて重要な役割を果たすCSIRTと経営層向けにノンテクニカルスキルを体系的に学習できる演習プログラムを用意しています。 

1. インシデント対応編 
   対象：CSIRT等、最前線でインシデント対応を行う現場担当者、リーダー向け
   CSIRT等の現場部門が、様々な関係者とコミュニケーションを取りながら情報を収集し、正確な状況認識にもとづき意思決定を行い、情報を適切に展開するためのノンテクニカルスキルを学びます。加えて、チームとして一丸となって対応するための協働作業力を強化します。 
2. 経営層編 
   対象：経営的立場・視点にてインシデント対応を行う経営層、管理職向け
   重大なサイバーインシデント発生時における経営判断を支援するためのノンテクニカルスキル演習です。サイバー攻撃による組織の混乱、事業継続を脅かす状況等において、経営層に必要なノンテクニカルスキルを実践的に学びます。

簡易的かつ多角的なWebサイトアセスメントを実施する 

ウェブサイトは高度化が進み、多種多様な機能を提供できる一方で、複雑化に伴うウェブサイトの管理コストやリスクの増大が課題となっています。レピュテーションクローラーは従来の脆弱性診断とは異なり、通常のウェブアクセスを通じて取得できるデータを、セキュリティ・プライバシー・第三者レピュテーションと多角的に分析することにより、ウェブサイトの潜在的なリスクを明らかにします。 
 

レピュテーションクローラーは以下に示す3つのリスクを分析します。

セキュリティリスク

ウェブサイトを構成するソフトウェアに潜む脆弱性や設定不備、実装不備により顕在化するセキュリティリスクを分析します。 

プライバシーリスク

ウェブサイトが使用するサードパーティ広告やアクセス解析サービスを通じて、個人情報を収集・処理することにより顕在化するプライバシーリスクを分析します。 

レピュテーションリスク

サードパーティサービスによるウェブサイトの IP/ドメインブラックリスト掲載や露見しているバナーデータによるレピュテーションリスクを分析します。 

当ソリューションで対象とする調査項目

上記で示す3つの観点で分析を行うことにより、以下の広範囲にわたる潜在的リスクを把握することが可能となります。 

• 通信の暗号化対応 
  HTTPS 対応、HTTPS リダイレクト、証明書の設定を調査し、中間者攻撃のリスクを評価します。
• セキュア HTTP ヘッダ設定 
  セキュア HTTP ヘッダの設定の有無や内容を調査し、XSS やクリックジャッキング、証明書改ざんのリスクを評価します。 
• 既知脆弱性の有無 
  URL やコンテンツ、JavaScript 実行の分析により、使用ソフトウェアの種別・バージョンを調査し、既知脆弱性の悪用リスクを評価します。 
• コンテンツのセキュア実装 
  混合コンテンツの有無や HTTP 入力フォームの有無を分析し、中間者攻撃のリスクを調査します。 
• ファーストパーティクッキー 
  ファーストパーティクッキーの数や属性、リンクデコレーション・CNAME クローキングによる共有を調査し、クッキー漏えいリスクを評価します。 
• サードパーティクッキー 
  サードパーティクッキーの数を調査し、トラッキングによるプライバシー問題を調査します。 
• クッキーコンセントバナー 
  GDPRやCookie法により、個人情報の取り扱いが厳しく規制されています。法対応のためのクッキー利用に関する通知バナーの表示を評価します。 
• 第三者評価 
  CVE 情報やポート開放の第三者報告、IP アドレスやドメイン名のブラックリスト掲載を調査します。
  

暗号資産の追跡・分析可視化

暗号資産の特徴の一つとして取引履歴の透明性が挙げられており、容易にそれら情報を参照することが可能です。しかし、その一方で匿名性もあり暗号資産アドレスの所有者を判別することが難しい現状があります。コイントレース ソリューションではウェブサイトやダークウェブ、ソーシャルメディア等サイバー空間における様々な情報媒体から収集した暗号資産アドレスと付随する情報をタグ付・クラスタリングし、対象暗号資産アドレスの取引履歴と分析することで、不適切・不正な送金・入金の有無を明らかにします。

当ソリューションの活用により、以下のリスクを把握することが可能となります。 

Mixingサービス 

送金元・送金先を秘匿化するサービスであるMixingサービスは一般的な取引において必要性があまりないと考えられるため、当該サービスの使用は不適切と想定し関係性を洗い出します。 

ギャンブルサイト 

日本におけるオンラインカジノの法的な位置づけは未確定ですが、暗号資産のロンダリングは多く行われているのが実情です。よって、当該サービスの使用は不適切と想定し関係性を洗い出します。 

レピュテーションが低い取引所 

KYC(本人確認)が必要ない、FATF勧告未遵守の国に設置している、暗号資産交換業未登録等レピュテーションが低い取引所のアドレスとの関係性を洗い出します。 

サイバー攻撃者への支払い 

Ransomwareへの支払い、Scamへの支払いの有無は対象組織のサイバーセキュリティに関するリテラシーが低いと考えられます。これらサイバー攻撃に関連したアドレスとの関係性を洗い出します。