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ESG経営の実践に向けたWELL認証の活用

ESG評価機関格付け・スコア×不動産ESG認証の共創

不動産ESG認証と企業ESG評価の連携による、ESG経営高度化の最新実態を一次データで分析。

調査の概要

本調査では、WELL認証とFTSE RussellのESGスコアの評価項目の共通点や類似点を対照表で整理し、WELL認証取得済み3社の取得項目リストとFTSE RussellのESGスコアの2024-2025年評価結果を照合・分析した。これにより、両者の連携による効率性や成果向上の可能性を検証した。

調査の結果

WELL-FTSEの対象項目はどの程度あるのか

分析対象とした3社における、各社固有のFTSE評価項目と対照表の比較分析の結果、WELL認証の全項目(113項目)と各社固有のFTSE評価項目との対照率は平均53.5%であり、約半数の項目が対照していることが判明した。

WELL認証の全項目が各社固有のFTSE項目に対照している割合

FTSEーWELLで対照している項目はFTSE評価でどの程度スコア獲得となっているのか

対照しているFTSE項目のうち、実際にFTSE評価でどの程度スコア獲得となっているのかを確認した。WELL認証プラチナランクを取得するなど、ESG対策に積極的な経営方針を共通点があるにもかかわらず、対照がある項目では、約2割~4.5割スコア獲得というように、各社によってばらつきがみられた。

両者が対照している項目でFTSE評価でのスコア獲得割合

FTSEーWELLで対照している項目はWELL認証でどの程度加点となっているのか

対照しているWELL認証項目のうち、実際にWELL認証の獲得項目となったのは、約3割のみであった。

両者が対照している項目でWELL項目が取得された割合

WELL認証で加点された項目はFTSEで着実に開示されているのか

WELL認証で加点された項目のうち、FTSE評価でもスコア獲得された割合は平均75.9%であり、残りの24.1 %はFTSE評価で評価されていないことが分かった。 つまり、WELL認証で無事取得している項目がFTSE評価ではスコア未獲得となっているケースは約4分の1もあるということが明らかとなった。

WELL項目で加点されている項目がFTSEでスコア獲得された割合

対照がありながらWELL認証で加点できていないときの具体的な例

C17 責任ある労働管理では、サプライチェーンにおける現代奴隷制に対処し、人権を支援するために、責任ある労働慣行への組織的コミットメントを促進することが求められる。これに該当するのが、FTSEのSSC(サプライチェーン)の項目である。次セクションに対照の具体的な一例を示した。

対照がありながらWELL認証で加点できていないC17―SSCの対照例

WELL認証で加点された項目がFTSE評価でスコア獲得されていないときの具体的な例

WELL認証のコミュニティの12=C-12の人材採用と労働力行動計は、従業員の人口動態評価、エンゲージメントと帰属意識の向上に向けた行動計画の策定、従業員支援システムの導入、公正な採用・給与制度の導入が評価される。対照するFTSE評価の「SLS-労働基準」は、社会的な弱者に対する門戸を開くことや、こうした層のスキルアップ支援をする活動、マイノリティの割合を開示することが求められる項目が複数存在する。両者の親和性は高いが該当のFTSEスコアを獲得できていなかった。

対照がありながらFTSE評価でスコア獲得できていないC12―SLSの対照例

考察

  • WELL認証プラチナランクを取得した3社の場合では、各社固有のFTSE評価項目ーWELL認証項目には、業種を問わず、半分ほどの重複が見られた。
  • WELL認証プラチナランクを取得した3社の場合では、 WELL認証-FSTE評価項目の対照がある項目の中で、 約3割しか対照した項目が取得されていないことが示された。
  • WELL認証プラチナランクを取得した3社の場合では、WELL認証で加点された項目のうち、FTSE評価でもスコア獲得された割合は平均75.9%であった。つまり、WELLで既に加点された項目であるのでFTSE評価で取れる可能性が高いながらも、約4分の1はFTSE評価では取り切れていないことが分かった。
  • FTSEスコア獲得には、要求事項に沿った開示がなされている必要があり、単に該当する項目を開示しただけでは必ずしもスコア獲得できるとは限らないので、不動産のESG認証と企業全体のESG評価の相乗効果を意識することで、ESG経営をより広い視点で捉えることができることが考察された。
  • 両認証・評価制度の対照している項目の要件をより詳細に分析する必要はあるものの、相互に補完し合う形でサステナビリティ施策の充実と非財務情報の開示の高度化を図ることができることが示された。

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