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AI×キャリア戦略 “人間らしさ”が価値になる

~デロイト News Pickup~

皆さんも日常生活の中でそのスピードを感じられているかと思いますが、生成AIの進化は目まぐるしいものがあります。企業の業務効率化はもちろん、コンサルティングや法務、会計といった専門領域でもAIの活用が進み、かつて「人間にしかできない」とされていた仕事の定義が揺らいでいるように感じられる場面に遭遇する方も多いかもしれません。

こうした変化の中で、私たち一人ひとりが時代に合わせてどのようにキャリアを築いていけるのか今一度考えてみたいと思います。 

「問いかける力」を養う

デロイト トーマツが2025年8月に発表した研究「法学教授がAIに?デロイト トーマツが取り組むAIの未来像」では、知的活動を生成AIで再現するという試みが紹介されました。講義や論文を学習させたAIが、専門家の思考や振る舞いを模倣することで、教授自身がより創造的な領域に集中できるようになる…そんな未来像が描かれています。

この取り組みは、単なる効率化ではなく「人間が本当に注力すべき仕事とは何か?」という問いから始まっています。つまり、AI時代のキャリア形成においては、人間らしい価値や役割を問い直す力が重要になってきているとのこと。
簡単に膨大な情報が手に入るからこそ、より正しい情報を得るために「何を問うべきか」そしてその情報から「どんな価値を生み出すべきか」を見極める力が求められるのではないかと感じます。

では、こうした人間らしい「問いかける力」をさらに磨くには、どのような経験が必要なのでしょうか?
 

「偶然の出会い」を戦略的に生み出す

例えば、社外の異業種交流会や各種イベントなどに自発的に参加し、こうした場で得られる“偶然の出会い”が、「人間力」や「問いかける力」を伸ばすきっかけの一つになるのかもしれません。実際、前述の研修に登場する京都大学の法学教授がAI研究に関わるきっかけとなったのも、技術者との「偶然の対話」でした。専門外の領域に足を踏み入れたことで、自身の問いが新たな可能性を帯びていったのです。

生成AIの台頭により情報のパーソナライズが進む一方で、こうした予期せぬ出会いや異分野との接点が減少するリスクもあります。だからこそ、意図的に「異なる視点に触れる機会」を戦略的に設計する必要もあるのではないでしょうか。
 

“人間らしさ”こそを強みに

このように、AIの進化がもたらす変化の中で、私たち一人ひとりが自分らしいキャリアを築くためには、「自ら考え、他者と関わりあいながら成長していく」姿勢が大切なのではないでしょうか。それこそが、“人間らしさ”の本質であり、AIには代替できない価値だと思うのです。そしてこの“人間らしさ”に根ざしたリーダーシップのあり方を、デロイトは「Human Oriented Leadership」として注目しています。今後は、テクノロジーが進化するほどに、そのテクノロジーを我々の仲間として迎え入れていくことと合わせ、私たち自身の“人間らしさ”こそが社会や組織における最大の価値となっていくのではないでしょうか。

変化のスピードに戸惑うこともあるかもしれませんが、皆さんがご自身のキャリアを見つめ直すタイミングが訪れた際に、「新しい時代に向けたキャリア」を考える観点として、ご自身の「問いかける力」、「戦略的な偶然の出会い」について、そしてそれらがもたらす“人間らしさ”について、ぜひ振り返ってみてください。 

キャリア情報配信

デロイト トーマツ グループでは、デロイト トーマツ グループのキャリアにご興味ある方々向けに、さまざまなキャリアに関する情報を配信しています。