ニュースリリース
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO 木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)は、企業の税関申告におけるリスクの分析を、AIを活用して支援するサービスの提供を開始します。本サービスの利用により、輸入申告を行った企業は、税関申告時に誤りが無いかリスクの分析を効率的に行うことができ、税関による追徴課税のリスクを低減し、コンプライアンス強化も実現します。
企業は、貿易を行う際に品目の関税分類や適用税率などを税関に申告する必要があり、正しい申告になっているか税関による事後調査を受け、申告の誤りがあった際には追徴課税を受ける場合があります。その一方で、多くの企業で関税や貿易の専門家が不足しており、日々の業務では貨物の引き取りが優先され、正確な納税申告が行われているかを十分にチェックすることが難しい状況にあります。税関申告には追徴課税のコストやコンプライアンス面のリスクが存在すると言えます。実際、税関事後調査の件数が2020年度は715者であったのに対し、2023年度には3,576者に増加しCovid-19以前の水準に戻り、その後も税関の事後調査は年間で約4,000者を対象に実施されています。そのうち約7割の企業が輸入貨物に関する関税やその他の申告漏れを指摘され、追徴課税を受けています*¹。
本サービスは、企業が税関申告した情報をAIが複合的に解析して、誤りの可能性を効率的・効果的に抽出し、税関による事後調査を受けて追徴課税を課される前に、修正申告し、コンプライアンス違反のリスクを軽減します。具体的には、企業が保有する税関への申告データ、関税関係書類、海外送金や経理関係書類のデータを異常検知システムに取り込み、申告誤りが想定される取引を、項目別に抽出・スコアリングし、一覧化します。その際、関税関係法令・税関事後調査に関する専門家の知見をベースにした「ルールベースのアプローチ」や過去の申告誤りの事例やパターンを学習し、大量のデータを複合的に解析する「AI活用のアプローチ」を用いて、効率的・効果的な抽出を実現します。中でも本システムでは、複数のリスクシナリオに対応する複数のリスクスコアを統合する独自のアルゴリズム*²を活用しています。企業は、このリスク分析の結果を基に追徴リスクを定期的に確認し、リスクのある取引内容を精査することで、自主的な修正申告の検討・実施をすることが可能です。
このたびのサービスは、デロイト トーマツGTA&テクノロジーズ株式会社(以下「DTGTAT」)の関税・税関に関する専門家が培ってきた税関対応ノウハウに、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社が持つ、AIを活用した異常値検知技術を組み合わせました。さらに、DTGTATでは修正申告の検討から実施まで、一貫したサポートを提供します。
図1 新サービスの仕組みのイメージ
図2 複合的異常検知モデルによる関税申告のリスク抽出イメージ
申告誤りの可能性がある項目がスコア別にランキングされ、異常スコアが高い申告が赤色でハイライトされます。
金額と異常スコア散布図では、取引金額の大きさと異常スコアの高低を視覚的に確認することができます。
*¹ 出典:財務省「令和5事務年度の関税等の申告に係る輸入事後調査の結果」「令和2事務年度の関税等の申告に係る輸入事後調査の結果」
*² 2022年9月に特許を取得した有限責任監査法人トーマツの会計監査で利用されるアルゴリズムを活用
デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従いプロフェッショナルサービスを提供しています。また、国内約30都市に2万人超の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、www.deloitte.com/jpをご覧ください。
Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
デロイト アジア パシフィック リミテッドはDTTLのメンバーファームであり、保証有限責任会社です。デロイト アジア パシフィック リミテッドのメンバーおよびそれらの関係法人は、それぞれ法的に独立した別個の組織体であり、アジア パシフィックにおける100を超える都市(オークランド、バンコク、北京、ベンガルール、ハノイ、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、メルボルン、ムンバイ、ニューデリー、大阪、ソウル、上海、シンガポール、シドニー、台北、東京を含む)にてサービスを提供しています。
Deloitte(デロイト)は、最先端のプロフェッショナルサービスを、Fortune Global 500®の約9割の企業や多数のプライベート(非公開)企業を含むクライアントに提供しています。デロイトは、資本市場に対する社会的な信頼を高め、クライアントの変革と繁栄を促進することで、計測可能で継続性のある成果をもたらすプロフェッショナルの集団です。デロイトは、創設以来180年の歴史を有し、150を超える国・地域にわたって活動を展開しています。 “Making an impact that matters”をパーパス(存在理由)として標榜するデロイトの約46万人の人材の活動の詳細については、www.deloitte.comをご覧ください。
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