航空宇宙・防衛業界では、AI及びデジタルによる維持・管理によって、新たな成長の時代を迎えており、民間・防衛領域全体にわたる需要が高まっている。
本稿は、デロイト ネットワークが毎年発刊している航空宇宙・防衛業界のトレンドに関する考察を翻訳したものであるが、この2026年版はAIや自律性に関する記述が多くを占めている。日本においても生成AIの登場から、2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれていた中で、定義としてはさらに自律性を高めたエージェンティックAIに対する関心が高まっている。本稿では、航空宇宙・防衛業界における運用計画やアフターサービス、サプライチェーン、調達におけるAI及びデジタル活用とプロセスの変化、そして「AI人材」の需要に関して述べられている。総論としては、2026年にエージェンティックAIはパイロットプロジェクトから本格的導入に進展するという期待も記述されている。一方で、航空宇宙・防衛業界はその業務において非常に高い水準の信頼性やセキュリティが求められるという特徴があることから、完全に自律的なAIの活用にはハードルがあると考えられる。本稿でも今後の組織モデルとして言及されているような「人間とAIのハイブリッドチーム」を基本的な考え方としながら、AIによる業界での経営変革が進むことになるであろう。AIエージェント/エージェンティックAIとの「協働」を前提とした業務の再構築やデータエンジニアリングの強化、AIガバナンス体制の構築から人事施策との連動まで変革の道のりは長く、本稿がその先に目指すべき未来の世界観の構想に寄与すれば幸いである。
上杉 利次
デロイト トーマツ グループ パートナー
谷本 浩隆
デロイト トーマツ グループ マネージングディレクター
航空宇宙・防衛業界は、2020年代後半に差し掛かり、極めて重要な岐路に立っている。近年、この業界を方向付けてきたデジタルトランスフォーメーション、サプライチェーンの変動性、人材不足及び地政学的事象などの影響力は、エージェンティックAI、新たに登場しつつあるヴィークル及び自律型システムの急速な進化といった新たな要素により収束しつつある。
民間航空宇宙業界は、航空機の稼働率向上、機数の継続的な増加及び旅客・貨物需要の着実な増加に支えられ、成長を続ける見込みである1。機材の納入遅延が長引くなか、航空会社は保有機材の運航期間を延ばすとともに、信頼性、可用性及び整備性への投資を拡大している。防衛領域では、予算が重要な焦点となっており、任務即応性の強化がますます重視されている。同時に、防衛領域においては、AI搭載システム及び協調戦闘機( Collaborative Combat Aircraft(CCA))の配備加速に優先順位が移っている。「配備までのスピード」が、ポートフォリオ全体で統一された指標になりつつある。
本レポートでは、今後1年間の業界を方向付ける可能性のある5つのトレンドを考察する。
AI及びそのより高度な形態であるエージェンティックAIは、航空宇宙・防衛業界に着実な変革をもたらしているが、その影響は均一ではない。業界特有の業務リスク及び法規制などにより、多くの組織は依然として導入の初期段階にある。しかし、エージェンティックAIはすでに顕著な生産性向上をもたらしている。デロイトの最近のレポート“From vision to value”においては、工業製品の製造に係るタスクのうち36%は、エージェンティックAIによる人間の能力強化に伴うメリットを享受できると推定されている2。
防衛領域では、米国国防総省(Department of Defense(DoD))の機関が、モデリング・シミュレーション、オペレーター支援及び指揮統制といった任務全体において、AIを基礎的なケイパビリティとして位置付けている3。米国空軍は近頃、「人間と機械の連携のための意思決定優位性スプリント」実験のうち、最初の2つを完了させ、複雑な戦闘空間において、オペレーターがより迅速かつスマートな意思決定を行ううえで、AIがどのように役立つかを実証した4。
より広範な自律性又はネットワークセントリックなスタックにおけるエージェンティックAIの位置付け
エージェンティックAIを単独で捉えるのではなく、ドローン、コネクテッドデバイス、フュージョン又はデータファブリック及びオープンインターフェースなどを含む、より広範な運用フレームワークのなかに位置付けることが重要である。これは、エンジニアリングの促進及びバックオフィス業務の自動化に活用されてきたエンタープライズAIの域を超えるものとなる。新たな自律型AI製品にとって重要な課題は、既に展開されているレガシーシステムとの間で、シームレスな相互運用性が必要となる点であり、閉鎖的なエコシステムとして構築されたソリューションは、その導入を遅延させるリスクをはらんでいる。この観点は、データセントリックでマルチドメインな相互運用性を実現する、DoDの統合全領域指揮統制ビジョンの直接的な背景となる。
宇宙領域では、米国宇宙軍が「データ・AI 2025年度戦略アクションプラン」において、組織全体のデータやAIガバナンス、データ又はAIドリブンな文化及び人材、AI技術を活用した分析の迅速な導入、そして政府、産業界及びアカデミアとの間における緊密な連携・提携を優先事項として位置付けている5。
ミッションシステムでは、自律型ミッションプランニング、リアルタイム衝突回避及び地理空間ターゲティングにおいてAIが試験運用されている6。官民双方が、運用計画、状況シミュレーション及び自律移動などのタスクでエージェンティックAIの活用を検討している。DoDは、防衛領域における主要な優先事項における重要なミッション分野におけるAI導入を加速するため、米国の大手AI企業4社と契約を締結した7。 しかし、法規制の曖昧さ及び認証要件により、特にミッションクリティカルなアプリケーションにおいて、AIの導入拡大は依然として遅れている。
民間航空領域では、フライトスケジュールの調整、乗務員管理及び乗客体験の向上にAIを活用している。一方、アフターサービス関連企業は、設備、検査及び在庫最適化のため、AIを活用した整備診断及び寿命評価を試験的に導入している。
航空宇宙・防衛業界は、厳格な安全性の要求、レガシーシステムへの依存及び潜在的欠陥に紐づく高コストのために、より複雑な課題に直面している。しかしながら、投資見通しは依然として堅調である。International Data Corporationの予測によれば、米国の航空宇宙・防衛業界におけるAI及び生成AIへの支出は、2029年までに58億米ドルに達し、2025年の3.5倍に達すると予想されている8。
AIを活用した欠陥検出及び検査自動化のパイロットプログラムは進行中であるものの、これらソリューションの拡大は依然として困難である。特に、弾薬及び航空宇宙部品の生産レート向上への取組は、この試みを加速させる可能性はあるものの、近い将来に本格的な工業化が実現する可能性は低い。
2026年には、エージェンティックAIはパイロットプロジェクトから本格的導入に進展すると期待される。最も顕著な進歩は意思決定、調達、計画、物流、整備及び管理の各機能において見られるだろう。
アフターサービスと維持・管理は、業界で最もレジリエントな収益源の一つとして存在し続けている(図1)。アフターサービス事業を展開する企業は、二桁成長や過去最高の売上と受注残を記録する力強い勢いを見せており、その牽引役になっているのがエンジン関連の事業である2。稼働率の上昇と継続的な整備ショップへの需要が、エンジンの整備・補修・オーバーホール(MRO)の堅調な案件の発生と部品・スペアパーツの流れを支えており、新たなシステムが市場投入される中でも、既存機の運用期間が長期化することによって需要は拡大する見込みである。Aviation Weekは、世界の民間航空機に係るアフターサービス・MRO需要は2026年から2035年にかけて年平均成長率3.2%で成長し、それと共にエンジンの需要が集中的に増加すると予測している。同予測では、MROの総需要に占めるエンジン領域のシェアは53%に上昇するとしており、他のMROカテゴリに比べて成長が速いことを映し出している10。
企業は長期サービス契約や予知保全での成長を引き続き重視している一方で、新たな地理的ハブと能力の拡張はMROの状況を異なった形へ作り変えている。アフターサービスは、部品供給、補修・オーバーホール、技術的改修、トレーニング、デジタルサポートを含むエンドツーエンドのサービスポートフォリオへ生まれ変わってきている。防衛では、アフターサービスは軍用機に対して、スペアパーツで安定的な収益を上げており、故障率よりもむしろ、テクノロジーのアップデートによる維持・管理が進められているが、軍用機の高経年化に対処し、ミッション達成率を改善する軍用機の保全サービスは拡大を続けている。
テクノロジーの統合はアフターサービス事業の焦点であり続けている。多くの企業がターンアラウンドタイムを短縮し精度を高めるためにAI対応の検査システムを試験導入しているが、これはアフターサービスのプロセスにデジタルツールを組み込み、予知・状態基準型のメンテナンスモデルに移行するという業界の大きな動きが反映されている11。昨年の見通しで予測した通り、企業のデータは、個々の独立した手法から、調整され、組み込まれたワークフロー、検査、予知保全、在庫手配、補修スケジュールへの明らかな移行を示している。
Note:
一部の伝統的なOEMは、より高い利益率のアフターサービス収益を獲得するためにサービス機能を拡大している。複数の企業が、エンジンメンテナンスや機体サポートの需要急増を背景に、今後5年間で40%から50%の拡張を目指すという野心的な能力増強を発表している12。
特に中東地域では、地域市場がMROネットワークを急速に拡大している。新興企業は集中したハブへの依存を減らし、機材を運航する場所により近いところで能力を確保するため、施設やサービス機能に多額の投資を行っている。
2026年時点では、民間航空機市場の回復によってフライト時間が増加する中で、既存企業にとってアフターサービスは安定的に現金を稼ぎ出す事業であり続けると予測される。しかし、真に焦点となるのはネットワークの拡張方法である。米国の主要MROオペレーターは中核的なハブに能力を集約すると考えられる一方で、新興地域はグローバルでMRO拠点を分散させると見込んでいる。
業界全体で需要の持続的な増加が続く一方で、原材料や熟練労働者の不足、地政学的リスクなどにより、一部の部品で状況が緩和されているものの、航空宇宙・防衛サプライチェーンには少なくとも2027年まで圧力がかかり続ける見込みである。業界はサプライチェーンの効率化とレジリエンスの向上という矛盾する課題に直面している。調達先の多様化やデジタルツールへの投資を進めてきた航空宇宙・防衛関連企業は、2026年にはさらなる進展が期待されるが、今後も供給能力が業績を左右する状況が続くと考えられる。
原材料不足からサプライチェーンの変動性に至るまで、企業は継続的な脆弱性と予測困難な状況に直面している。サプライチェーンの脆弱性はコストの問題にとどまらず、納期の信頼性に影響している。防衛大手各社がミサイル、弾薬、ドローンなど各種防衛装備の生産を増やす中で、航空機メーカーも野心的なレート引き上げを進めており、航空宇宙・防衛におけるあらゆる階層のサプライヤーへ負荷がかかると予想される。
サプライヤーの戦略は多様化する可能性がある(図2)。一部の米国航空宇宙・防衛関連企業は、サプライチェーンの不確実性を低減するため、サプライチェーンの統合を進め、国内に調達先と保管場所を集中させる可能性がある。一方で、グローバル企業は、調達先の多様化を促進し、米国中心のサプライヤーを超えてアクセスを拡大する分散型ネットワークの構築を目指す可能性がある。企業はサプライチェーンの可視性、コンプライアンス、偽造部品といった動的なサプライチェーンの課題に対処するため、デジタルソリューションの導入に加え、サプライチェーンの垂直統合、地域拠点の拡大、グローバルな製造体制の構築、長期供給契約の締結、サプライヤーの育成といった構造的な施策にも積極的に取り組む傾向が高まっている。
2026年には、冗長性、サプライヤーの育成、データ統合、デジタルによる可視化へ投資を開始または継続する企業は、関税や需要急増といった外部要因によるリスクをより適切に緩和させる事ができる。航空宇宙・防衛の大手企業は、ツール、品質管理システムへの投資や、脆弱な下位サプライヤーを信頼できるパートナーへと転換するための投資を継続的に進めていく可能性がある。ただし、資本制約によりデュアルソーシング戦略の普及には限界があり、多くの企業は、余剰なサプライヤー能力を維持する余裕がないのが現状である。
最終的に、サプライチェーンの更なる効率化とレジリエンスの向上を実現するには、特定部品での垂直統合から、信頼できるグローバルサプライヤーとの戦略的パートナーシップに至るまで、創造的なアプローチが求められる。関税が変動し、防衛の生産目標が急速に拡大する環境において、サプライチェーンのレジリエンス向上は一度限りの対応で完了するものではなく、継続的に維持・向上すべきケイパビリティである。
航空宇宙・防衛業界は、伝統的な航空機・兵器システムに加え、再使用型ロケット、極超音速兵器、無人航空システム及び広範な自律型プラットフォームへと急速に拡大している。これらの進展は、政府による緊急の規制改革及び新興企業による市場破壊も相まって、業界のプレイヤー間における競争及び契約のあり方に抜本的な変化をもたらしている。
同時に、近年の米国における調達改革は競争の仕組みを積極的に変革し、スピード、民間でのソリューションの優先及びより幅広いベンダーの参画拡大を重視するようになっている。大統領令及び連邦政府機関の指針により、民間でのソリューションの活用及び「その他の取引に関する権限」(Other Transaction Authority(OTA))の活用が拡大し、非伝統的なサプライヤーの参画促進及び納期短縮が図られている。契約担当官は、可能な限り民生技術を優先的に活用するよう指示を受けている14。
連邦調達規則(Federal Acquisition Regulation(FAR))及び国防総省連邦調達規則補足(Defense Federal Acquisition Regulation Supplement(DFARS))の改正、新興企業及び効率的な国防のための調達合理化法(Streamlining Procurement for Emerging and Efficient Defense Act)、DoDのソフトウェア調達パスウェイといった、立法及び政策面における進展により、成果重視・ソフトウェア主導型の調達に特化した手続が整備され、この変化を加速させる可能性がある15。これらの改革及び提案は、新世代のより小規模な、ソフトウェア中心の企業による急成長を可能にすることを目的としている。例えば、モジュール型ハードウェアプラットフォームと継続的開発によるソフトウェアを組み合わせる企業は、これら手続を活用することで柔軟な経営及び開発サイクルの短縮を実現し、既存のプライム企業との競争を繰り広げている。
これに対応して、業界の既存プレイヤーは、社内投資及び任務能力の迅速な提供から、新興企業との提携及び買収に至るまで、さまざまな戦略を展開している。これらのアプローチは、知的財産権及びデータに対する権利に関する重要な問題を提起している。DoDの最近のガイダンスでは、意図しない技術移転のリスクを軽減しながら連携を進めていくために、知的財産上の成果物及びアクセス権を事前に明確に定義する必要性を強調している16。
こうした進展の一方、従来の契約・調達手続により契約を履行することは依然として重要であり、新規ベンダーは最初の引き合いから契約締結まで、複数四半期、あるいは複数年にわたる立上期間を計画する必要がある。米国会計検査院(Government Accountability Office(GAO))などの監督機関は、OTAは柔軟性が高く参入障壁が低いという利点がある一方、コストの透明性及びガバナンスといった課題も抱えていると指摘している17。
2つの新たな市場トレンドは、引き続き注視していく必要がある。
AI人材の獲得競争は激化の一途を辿っており、企業は競争力のある報酬にとどまらず、継続的な学習及びAIスキルの開発機会を提供することを迫られている。エントリーレベルのプロフェッショナルは、テクノロジーを活用した研修へのアクセスが容易なことから、AIコンピテンシーを迅速に習得し、適用することが期待されている。航空宇宙・防衛関連組織の上級管理職は、AIによる将来の変革可能性に対して概ね楽観的な一方、中間管理職は依然として懐疑的で、十分な研修を受けておらず、リスク回避的であり、時には混乱や不確実性への懸念から変革に抵抗的なケースも少なくない。組織モデルには、人間とAIのハイブリッドチームが含まれることが予想され、専門家がAIを活用してそれぞれの専門分野を強化することになる。航空宇宙・防衛関連企業は、AIリテラシーとそれを用いる自信を養うための重点取組を優先し、この重要な人材層において組織のモメンタムが失速しないようにする必要がある。
航空宇宙・防衛業界において、AI人材の需要は、狭義の「ビッグデータ」又は一般的なプログラミングの専門知識から、統合された学際的なスキルセットへと移行しつつある。デロイトの分析において、データサイエンス、データエンジニアリング、AI、データ分析、機械学習及び統計分析は、2024年から2028年にかけて最も急速に成長するスキルになることが明らかになっており、これは航空宇宙・防衛業界におけるデジタルトランスフォーメーションが加速していることを示している。業界全体の求人においてデータ分析スキルが要求されている割合は、2025年の9%から2028年には約14%に増加すると予測されている。同様に、データサイエンススキルの需要も同時期に3%から5%に増加すると予想されている。(図3)18
こうした人材基盤を構築するには、航空宇宙・防衛関連技術の利用に特有の専門スキル及びセキュリティクリアランスに重点を置いた、的を絞った人材育成イニシアチブ、リーダーシッププログラム及び戦略的な人材採用が必要となるだろう。AIは、従業員全体の生産性及び効率性を向上させる要因として機能することが期待されている。
航空宇宙・防衛関連企業は、AIに精通した人材を育成するため、教育機関との連携を深化させることが期待されている。AIスペシャリストの採用から、従業員全体がAIを使いこなせるようになることに重点が移行する可能性がある。これにより、組織のレジリエンス及び適応力が向上し、デジタル環境で成功するための基盤が築かれるだろう。
民間航空会社は、機材の納入遅延、機体の老朽化及び機材準備に係る課題に直面する中で、重点は規模の拡大から、既に運用中の機材の信頼性及び可用性の最大化に移っている。
防衛領域における優先事項は急速に変化しており、予算は自律型無人システム、ドローン及び先進兵器プラットフォームに投じられている。しかし、プラットフォームの老朽化及び部品不足という現実を踏まえると、任務即応性の維持は、拡張性が高くデータドリブンな維持・管理及び質が高く、より豊富な人材プールの構築にかかっている。
デジタルトランスフォーメーションはもはや単なる願望ではなく、不可欠なものになりつつある。企業は、サプライチェーンのレジリエンス、アフターサービス、部品管理及び機能保証などの、より広範なデジタルを活用した維持・管理戦略の一環として、AI及び高度な分析を活用している。
成長は今後も継続すると予想されるが、その原動力となるのは、業界が既存の資産を維持・最適化しつつ、次世代のケイパビリティを導入する能力だろう。デジタルインフラを優先するとともに、人材に投資し、高度なシステムを運用可能にする企業は、将来の好機を捉え、課題に対処するうえで優位に立つことができる。
未来を見据えて:エージェンティックAIのバックオフィスから現場への道のり
2028年までに、調達、物流、整備及び管理の各業務など、航空宇宙・防衛関連企業の事業部門及び支援部門において、エージェンティックAIの導入が大幅に拡大することが予想される。しかし、実際の製造現場へのAI導入は、的を絞って漸進的なものとなる可能性が高い。エージェンティックAIが製造現場のコアプロセスを調整する、いわゆる「AIドリブン」な工場オペレーションが広く普及するのは、この技術が試験段階を過ぎて成熟する2028年以降になる可能性が高い。同時に、エージェンティックAIは戦場における行動において、主に意思決定支援ツールとして、ますます補助的な役割を果たしていくようになるだろう。競争環境及び調達プロセスは2028年にかけて変化すると予想され、これにより、産業界によるAIドリブンなソリューション及びエージェンティックAI機能の利用が加速する可能性がある。
上杉 利次
パートナー
デロイト トーマツ グループ
谷本 浩隆
マネージングディレクター
デロイト トーマツ グループ
高橋 健
シニアマネジャー
デロイト トーマツ グループ
氷室 尚紀
マネジャー
デロイト トーマツ グループ
齋藤 太一
シニアコンサルタント
デロイト トーマツ グループ
小山田 里奈
シニアコンサルタント
デロイト トーマツ グループ
杉生 将一
コンサルタント
デロイト トーマツ グループ
本稿は、デロイト ネットワークが発行した原著をデロイト トーマツ グループが翻訳・加筆し、2026年2月に発行したものである。
和訳版と原著「2026 Aerospace and Defense Industry Outlook」の原文(英語)に差異が発生した場合には、原文を優先する。
Lindsey Berckman
Deloitte United States
Steve Shepley
Deloitte United States
Ajay Chavali
Deloitte United Stat
Kate Hardin
Deloitte United States
Scott Welch
Deloitte United States
Tarun Dronamraju
Deloitte India
1. Deloitte analysis based on International Air Transport Association, air passenger and air cargo monthly market analysis reports.
2. Patricia Henderson, Ajay Chavali, Lindsey Berckman, Kate Hardin, and John Morehouse, “From vision to value: A road map for enterprise transformation in manufacturing with agentic AI,” Deloitte Insights, Sept. 23, 2025.
3. David Vergun, “DoD official says AI, other innovations will transform future warfighting,” US Department of War, Aug. 27, 2025.
4. Deb Henley, “Air Force DASH pioneers human-machine teaming for faster battle management decisions,” US Air Force, June 16, 2025; Debora Henley, “Air Force experiments with AI, boosts battle management speed, accuracy,” US Department of War, Sept. 23, 2025.
5. US Space Force, “Space Force publishes 2025 Data, AI strategic action plan,” March 19, 2025.
6. Mike Ball, “AI-powered mission planning & target recognition software selected for long-range loitering munitions,” Defense Advancement, May 22, 2025.
7. Chief Digital and Artificial Intelligence Office, “CDAO announces partnerships with frontier AI companies to address national security mission areas,” press release, July 14, 2025.
8. Aerospace and defense industry data for the United States, sourced from International Data Corporation's Worldwide AI and generative AI spending guide (accessed via Deloitte KX), August 2025.
9. Lindsey Berckman, Ajay Chavali, Kate Hardin, Scott Welch, Tarun Dronamraju, and Steve Shepley, “2025 Aerospace and Defense Industry Outlook: Midyear update,” Deloitte Insights, Sept. 3, 2025.
10. Christian Albertson, Antoine Fafard, and Brian Kough, “New aviation week forecast projects record engine MRO growth,” Aviation Week, Oct. 8, 2025.
11. Lindsay Bjerregaard, “MRO industry expands potential AI use cases,” Aviation Week, Jan. 3, 2025.
12. Deloitte analysis based on public disclosures and press releases from leading aircraft engine aftermarket companies.
13. Ellie Cook and Shane Croucher, “Pentagon asks to quadruple missile production: Report,” Newsweek, Sept. 29, 2025.
14. The White House, “Ensuring commercial, cost-effective solutions in federal contracts,” April 16, 2025; US Government Accountability Office, “Improved contracting data would help DoD assess effectiveness,” September 2025; John Prairie and Jonathan Clark, “Streamlining federal contracting: the push to acquire products and services at speed and scale,” Reuters, May 6, 2025.
15. Acquisition.gov, “Defense federal acquisition regulation supplement,” Oct. 10, 2025; Acquisition.gov, “Revolutionary FAR overhaul,” May 2, 2025; House Armed Services Committee, “The need for SPEED: Streamlining Procurement for Effective Execution and Delivery Act,” June 9, 2025.
16. Office of the Under Secretary of Defense for Acquisition and Sustainment, “Intellectual property guidebook for DoD acquisition,” April 30, 2025.
17. Government Accountability Office, “Other transaction agreements: Improved contracting data would help DOD assess effectiveness,” September 2025.
18. Deloitte analysis and forecast based on the Lightcast job postings. The data covers Lightcast US job postings for NAICS 3364 (Aerospace Product & Parts Manufacturing) from January 2019 to September 2025; postings covering AI/digital skills are separated to analyze the share. The forecast horizon is from October 2025 to December 2028 and monthly job postings data from January 2015 (10 years of data) is considered for the forecast.
謝辞
Deloitte Advisory Borad:
Doug Paley、Kerry Millar、Kevin Brannon、Leticia Camara Roinesdal、Luke Monck、Patricia Henderson、Prasad Kanisetty、Julia Tavlasnには、各自の専門分野の知見提供やレビューをしていただきました。感謝を申し上げます。
Center for Machine Intelligence and Data Science(MInDS):
Akshay Prabhu、Rajesh Medisetti、Bhoslay Pavan Kumar
本レポートに関するリソースの調整を行ってくれたClayton Wilkerson、市場戦略や関連資産を駆使し、本レポートを説得力のあるものにしてくれたKimberly PraudaとNeelu Rajput、広報でリーダーシップを発揮してくれたCourtney Flaherty、本レポートの発行にあたり尽力してくれたDeloitte InsightsチームのRithu MariamとAparna Prusty、そしてデザインに関してHarry Wedelに感謝申し上げます。
表紙画像:Sanaa Saifi