デロイト トーマツは、経済産業省の委託事業の一環として、鹿児島県薩摩川内市を中心に、サーキュラーパーク九州および周辺自治体(阿久根市、いちき串木野市、さつま町)と協力し、粗大ごみ・不燃ごみの広域回収と再資源化に関する実証を2026年9月上旬から11月下旬まで実施します。
世界では、資源制約や環境問題への対応を背景に、資源を循環的に活用する「サーキュラーエコノミー」への移行が進んでいます。日本でも経済産業省が「循環経済ビジョン2020」や「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定するなど、資源循環を成長分野として位置づけた政策を進めています。
その一方で、再資源化が難しい一般廃棄物の分野では、依然として焼却や埋立てに回るものが多く、再資源化率の向上が課題となっています。経済産業省は、複数自治体での廃棄物処理の広域化を通じて、品質と経済性を備えた再資源化モデルの実現に向けた各種施策を進めており、デロイト トーマツは本事業の委託先として採択されました。
本事業は、経済産業省が事務局を担う産官学連携のプラットフォーム「サーキュラーパートナーズ(CPs)」とも連携しながら進めます。CPsでは、今回の薩摩川内市のような中小地域における実証に加え、大都市圏や地方都市など他地域での実証から得られた知見や課題についても共有しながら、地域特性に応じた資源循環モデルの構築を全国で進めることを目指しています。本実証で得られた成果や課題についても、CPsのワーキンググループなどを通じて共有し、今後の制度検討や他地域への展開につなげていきます。
鹿児島県薩摩川内市およびサーキュラーパーク九州(CPQ)※と協力し、粗大ごみ・不燃ごみの広域回収と再資源化に関する実証事業を、2026年9月上旬から11月下旬までの約3か月間実施します。対象地域は主に薩摩川内市で、阿久根市、いちき串木野市、さつま町にもご協力いただきます。
本実証では、デロイト トーマツが事業全体の企画・統括、関係者との調整、効果検証、将来の事業モデルの整理を担います。回収された廃棄物の受入れ、分別・選別、処理、再資源化の中核はCPQが担い、薩摩川内市をはじめとする各自治体には、地域での回収や実施面でご協力いただきます。また、回収から後工程までの処理量やリサイクル率の向上、CO₂排出量の削減、品質の向上などに関するデータの収集・分析を通じた、最適な資源循環の仕組み設計については、株式会社モノファクトリーにご協力いただきます。
それぞれの立場や強みを生かして連携することで、地域の実情に即した資源循環モデルが成り立つかを、現場レベルで検証していきます。
※CPQは、九州電力株式会社と、リサイクル率99%超の総合リサイクル業として資源循環ビジネスを展開する株式会社ナカダイホールディングスの合弁会社により設立された、鹿児島県薩摩川内市の資源循環拠点です。川内火力発電所跡地を活用し、将来的には広域から資源を集約し、高度な選別と販路接続を担う「地域資源循環ハブ」としての役割が期待されています。
今回の実証では、各自治体の対象地域で排出される粗大ごみ・不燃ごみの一部をCPQに集約し、分別方法や処理方法を工夫することで、これまで十分に資源として活用しきれなかったごみについて、より質の高い再資源化を目指します。たとえば、解体・破砕・圧縮などの工程を適切に組み合わせることで、再利用できる素材を丁寧に取り出し、焼却や埋立てに回る量を減らせるかを検証します。
また、単に「どれだけ資源化できるか」だけでなく、処理にかかる費用、回収・運搬・処理を含めた全体の効率、CO₂排出量の削減効果などもあわせて確認します。さらに、再資源化された材料の品質や販売可能性についても検証し、量と品質の両面から、再資源化事業として成り立つ条件を整理していきます。
本事業の大きなねらいは、各自治体で分散していた廃棄物を広域で一定量集約することで、これまで採算面で難しかった再資源化を、持続可能な事業へと転換できるかを見極めることにあります。
あわせて、回収、物流、選別、保管、品質管理、販売といった各工程のどこに課題があるのかを明らかにし、将来的な社会実装に向けた運営モデルの検討を進めます。廃棄物を単なる処理対象ではなく、地域や産業に生かせる資源として循環させる仕組みをつくることが、本実証の重要な目的です。
こうした取り組みにより、自治体にとっては処理負担の軽減、事業者にとっては安定した処理量と資源販売機会の拡大、地域にとっては回収・物流などに関わる新たな仕事や雇用の創出も期待されます。
デロイト トーマツは、本実証を通じて、自治体・地域事業者・住民の皆さまと連携しながら、将来的に他地域にも展開可能な資源循環モデルの構築に貢献してまいります。