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信頼を基盤とする銀行経営 : 成長、レジリエンス、AI活用の全社展開を支えるAIガバナンス

※本レポートは2026年7月にDeloitte Asia Pacificが公開したレポート『Banking on trust: AI governance for growth, resilience and scale』を翻訳したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文を優先します。
 

銀行はAIの取り組みを加速させていますが、ガバナンスはそれに追いつくのに苦労しています。Deloitte Access Economicsの最新調査によると、AIガバナンスの強化は、AI導入拡大と収益成長率の向上につながることが示されています。これは、ガバナンスがイノベーションの阻害要因ではなく、成長を促進する要因であることを示しています。

導入が実験段階から全社的な展開へと移行するにつれ、銀行は効率性の向上と新たな成長機会を獲得する一方で、データ、規制、サイバー、そしてレピュテーションに関するリスクの増大にも直面しています。

本レポートでは、デロイトの信頼できるAIガバナンスインデックス(Deloitte's Trustworthy AI Governance Index)を用いて、グローバルおよび国内のシステム上重要な銀行(G-SIBsおよびD-SIBs)およびその他の大手銀行におけるAIガバナンス成熟度をベンチマークしています。このインデックスは、原則と方針、組織構造、手続きと統制、人材とスキル、モニタリング、報告、レピュテーションといった主要な側面において、グローバルの銀行がどのように進歩しているかを概観するものです。

今回の調査結果は、一定の進歩は見られるものの、ほとんどの銀行にはガバナンス体制を強化する余地がまだかなりあることを示唆しています。また、AIガバナンスと収益性の関連を探り、ガバナンス変革をリードするための実践的なステップも示しています。

重要ポイント

  • 導入率は向上、成熟度は遅延:行員は週次で63%がAIを利用しています。87%の銀行がガバナンスを大幅に改善できる一方で、成熟度が高いフェーズにある銀行はわずか13%です。
  • リスクと信頼のプレッシャー:2026年前半、金融サービス業界は2025年全体を上回る多くのAIインシデントを報告しました。消費者の84%は、自分のデータが不適切に扱われた場合、金融事業者を変更すると答えています。
  • 組織と人材のギャップ:組織構造が最も未成熟な側面であり、人材能力においても遅れをとっており、AIガバナンスの一貫した適用を制限しています。
  • 新たなAIリスクに対するガバナンスの遅れ:ガバナンス成熟度が新しい形態のAIに追いつかず、より自律的なシステムに対するモニタリングや監督が弱い。
  • 成長を牽引するガバナンス:より強力なAIガバナンスは、より広範な展開、より強い収益成長、そしてより自信のあるAI活用の拡大を支えます。
84%

消費者の84%は、金融機関によるデータ取り扱いの不備があった場合、プロバイダーを変更するでしょう

15%

銀行のうち、全スタッフに定期的に更新されたAIガバナンストレーニングを提供している銀行はわずか15%に過ぎません

8x

金融サービスにおけるAIインシデントの年間件数は、2022年から2025年の間にほぼ8倍に増加しました

1/3

グローバルの銀行の3分の1は依然としてアドホックなトレーニングに頼っているか、AIガバナンストレーニングを提供していません

10%

信頼できるAIのガバナンスインデックスの点数が10点上がると、平均売上成長率も上がります

銀行はどのようにしてAIガバナンスのギャップを埋めることができるのでしょうか?

  1. ガバナンスを導入後の確認事項ではなく、AI活用を大規模展開するための前提条件とする
  2. 経営層による明確で可視化された説明責任を中核に据える
  3. AIを単独の課題としてではなく、組織横断的なリスク要因として捉える「Human in the Loop(人が逐次介在するモデル)」から「Human on the Loop(人が監督・統制するモデル)」へ移行する
  4. 「Human in the Loop(人が逐次介在するモデル)」から「Human on the Loop(人が監督・統制するモデル)」へ移行する
  5. AIのリスクとリターンを適切に評価・管理する企業文化を醸成する

信頼を基盤とする銀行経営:成長、レジリエンス、AI活用の全社展開を支えるAIガバナンス

方法論

2026年、デロイトのTrustworthy AIチームは、14か国のG-SIBおよびD-SIBのリーダー24名を対象に調査を行い、AIガバナンス構造の成熟度を評価しました。

これに続き、G-SIBs、D-SIBs、その他の大手銀行の111人の上級技術、AI、データ従業員を対象に調査を行い、16か国のさらなる視点を取り入れました。Dataは、グローバルの銀行の視点を捉えるために設計された2つの専用調査ツールを用いて収集され、合計135人の回答者を獲得しました。

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