第2次トランプ政権における関税政策への対応について（更新版） ～日米協定合意と追加関税対応策の見直し・移転価格への影響～

Executive Summary

米国トランプ大統領は、７月31日に「相互関税」に関する大統領令に署名し、８月７日から、世界各国に対して相互関税が課せられることとなった（日本には15％の関税率）。トランプ大統領が、新たに導入した相互関税や品目別関税が、今後、一定期間継続することも想定して、サプライチェーン関連取引を可視化し、追加関税政策の影響を把握・最適化するとともに、合わせて、移転価格税制の実務的対応策を検討することが推奨される。

① 短期的には、サプライチェーン関連取引を正確に可視化し、新たな関税政策による追加負担額の把握・最小化を行うとともに、取引価格の調整について整理し、米国が関連する移転価格事前確認（Advance Pricing Arrangement： APA）へ対応していくことが求められる。

② 中長期的には、可視化したサプライチェーン関連取引に係るリスク管理の改善と、サプライチェーンの再構築等に係る柔軟な意思決定を可能にするシステムの構築が望ましい。
 

※本記事は、掲載日時点で有効な日本国あるいは当該国の税法令等に基づくものです。掲載日以降に法令等が変更される可能性がありますが、これに対応して本記事が更新されるものではない点につきご留意ください。