外部・内部環境の複雑性が増す中で、調達部門が「限られたリソースでより多くの成果を生み出すこと」は、これまで以上に困難になっている。こうした状況下でも、デジタルや生成AIを活用して高いパフォーマンスを発揮する調達部門を「デジタルマスター」と定義し、彼らの差別化要素を明らかにすることで、CPOが「真の変革の担い手」となるために求められる挑戦と成果について解説する。
本CPOサーベイでは、調達部門がより良いパフォーマンスを発揮することにおいて、テクノロジーと人材の能力との間に強い相関関係があることを明らかにしている。賢明な調達組織は、生成AIやその他新興テクノロジーを段階的に実装し、さらなる改良とスケールアップのための準備を進めている。
より大きな成果を得るための挑戦
大規模言語モデル(LLM)が進化し、それに関連するチャットボットやCopilot がS2Pのビジネスアプリケーションにますます組み込まれるようになったことで、生成AI はビジネス界の想像力を掻き立てている。
多くの経営者は、生成AIを個人の生産性向上やタスク強化ツールとして認識しており、大幅なコスト削減を推進するものではないと捉えている。一方で、生成AIがもたらす価値のランキングにおいては、生産性向上が2位にとどまり、1位は分析の高度化であった。生成AI が生成するコンテンツが、支出、サプライヤー、コスト、リスク、計画、需要、仕様、機会、目標などの構造化データに統合されることで、生成AIをビジネスプロセスやビジネスロジックに統合することが求められている。
調達における生成AIの価値ドライバー
デジタルリテラシーは調達プロフェッショナルにとって不可欠な要素となっており、個々の能力だけではなく、調達組織全体のスキル開発が必要となっている。
人材開発分野に焦点を当てると、全体で見た場合、デジタル能力開発は今後12か月間での優先事項の5位である一方で、デジタルマスターは人材のデジタル能力を最優先事項とし、データ/分析を3位に挙げている(フォロワーはデータ/分析を4位に挙げている)。
重点的な人材開発領域
人材とデジタルツールへの投資は最終的にはパフォーマンス向上を目的としており、デジタルマスターはあらゆるパフォーマンス指標でフォロワーを大幅に上回っている。測定されたKPIにおけるパフォーマンスの差異だけではなく、フォロワーが解消すべき最も大きな能力の差異は、コスト回避、ステークホルダーの満足度、サプライヤーパフォーマンス、運転資本、収益向上、供給リスクなどの分野におけるKPIを設定することそのものである。
過去12カ月の主要分野における調達パフォーマンス
リスク環境は変化し続けており、コストの上昇とインフレが一層の圧力を高めていることにより、供給の確保から利益の確保へとリスクの観点が移り変わっている。そのような中、デジタルマスターは、リスク管理に対するより洗練されたアプローチを通じてフォロワーとの差別化を図っている。
これらの投資はリスク管理に対するアプローチの成熟を反映しており、事後的な対応策から予防的なリスク緩和や戦略的なレジリエンス構築への移行を示している。
サプライチェーンの寸断が起きた場合に向上が必要な調達ケイパビリティの重点分野
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オリジナル(英語):2025 Global Chief Procurement Officer Survey | Deloitte US