2026年7月27日(月)、Deloitte Tohmatsu Innovation Parkにおいて、日本商工会議所の主催、東京商工会議所および合同会社デロイト トーマツによる共催のもと、「日商東商ウクライナセミナー~復旧・復興の最前線から探るウクライナ・中東欧での新たな事業機会~」が開催されました。同セミナーには、ウクライナの復興や同国でのビジネスに関心のある政府系機関、日本企業・諸団体から約100名が対面参加、約140名がオンライン参加し、ウクライナ復旧・復興に関する議論と交流が行われました。
セミナーでは、前ウクライナ駐箚特命全権大使の松田邦紀氏による「最新情勢と復興(EU加盟、三角協力)」、在ウクライナ日本大使館 一等書記官の平木忠義氏による「ウクライナ情勢」についての講演が行われました。それに続いて、デロイトから3名が登壇し、復旧・復興に向けた取り組みや今後の展望について議論を深めました。本レポートでは、当日のセッション内容のうち、特にデロイトの知見や取り組みに関わる論点を中心にご紹介します。
合同会社デロイト トーマツ
Future of Ukraine(Deloitte ウクライナ事業)
アジア太平洋・日本リーダー/パートナー 辻本 令
デロイトの「Future of Ukraine」は、ウクライナの復旧・復興を通じて、人々の暮らしと地域社会の再生、そして持続可能で包摂的な未来づくりに貢献する取り組みです。政府、国際機関、ドナー、民間企業をつなぐ結節点として、多様な知見とネットワークを活かしながら、透明性や実効性を重視した支援を推進。インフラ、農業、保健、民間企業の事業活動支援など幅広い分野で、社会課題の解決と中長期的な経済再生の両立を後押ししています。
Deloitte Central Europe
Future of Ukraine Global Leader/Partner
Tomasz Ochrymowicz
デロイトは、URC 2026公式プレイベントを通じて、ウクライナの復旧・復興を具体的な投資や事業機会へとつなげる議論を後押ししました。会合には各国政府、国際機関、金融機関、企業など多様な関係者が参加し、エネルギー、インフラ、デジタル、EU統合を軸に、実践的なプロジェクト形成や投資促進の方向性を共有。戦時下においても、官民連携、制度整備、リスク低減の仕組みを通じて、持続可能で強靭な経済・社会基盤の再構築を進めていくことの重要性が示されました。
Deloitte Ukraine
Consulting Leader/Partner
Olena Boichenko
デロイトの分析に基づき、ウクライナの復旧・復興を単なる再建にとどめず、将来的な欧州成長への接続機会として捉えた提言を行いました。今後10年間で5,880億米ドル規模の復興需要が見込まれる中、物流、建設資材、農業加工、産業団地、エネルギーなど幅広い分野で新たな事業機会が広がっています。加えて、EU加盟交渉の進展により、制度・規制・市場のEU基準への整合が進み、中長期的な投資環境の改善も期待されています。
戦争、人口動態、制度運営、物流・電力などのオペレーション面には依然として課題があるものの、これらを「参入を見送る理由」ではなく「適切に管理すべきリスク」と位置づけました。公的機関や国際金融機関、保険・保証制度、現地パートナーとの連携を通じて、リスクを抑えながら段階的に参入できる道筋が示されており、日本企業にとっても、復興支援と欧州市場への中長期的な成長機会を両立しうる領域として紹介されました。
参加者からは、ウクライナ現地の最新状況や実務的な課題について、現地に根ざした視点から直接話を聞けたことに高い評価が寄せられました。また、復興支援や将来的な事業参画に関心を持つ企業・関係者が一堂に会したことで、情報収集にとどまらず、具体的な意見交換や新たなつながりを生む貴重な交流の機会となった、との声も多く聞かれました。