医療インバウンドとは、治療、予防、健康増進等を目的として、患者が他国を訪れることを指します。提供される医療サービスは、医療機関での診療や健康診断、専門機関でのリハビリテーション等、多岐に渡ります。
日本では2024年8月、厚生労働省により公表された「国際保健ビジョン」において、医療インバウンドを含む医療の国際展開に戦略的に取り組むことで、アジア諸国をはじめとするインド太平洋地域における医療水準の向上、健康格差の是正といった国際貢献や、日本の医療産業の成長と更なるイノベーションに繋げていくことが明記されました。医療インバウンドに関する具体的な取組みとしては、医療通訳者や医療コーディネーターの配置支援、外国人患者の受入体制整備等が挙げられています。また、諸外国においても、日本と同様に、医療の質の向上や医療および医療インバウンド産業の成長を目指すべく、戦略の策定、専門機関の設置、制度の整備等、様々な取組みが行われています。
本記事では、海外の医療インバウンドの動向を把握すべく、アジア諸国における医療インバウンドに関する取組みを紹介します。
人口減少及び少子高齢化が進行する中、こども・子育て支援の充実は自治体政策の重要課題となっています。特に、子育て世帯の経済的負担軽減は、出生率向上や定住促進の観点からも不可欠です。国の「少子化社会対策大綱」(令和2年5月29日閣議決定)や「住生活基本計画」(平成28年3月18日閣議決定、令和3年3月19日改定)では、子育て世帯の住環境整備の重要性が示されており、住宅支援は経済的・精神的負担の軽減に直結する施策として位置付けられています。近年は、住宅価格の高騰や住宅ローン返済額の増加により、子育て世帯の多くが賃貸住宅を選択せざるを得ない状況が続いており、住宅支援の強化が求められています。また、「こども未来戦略方針」(令和5年12月22日閣議決定)では、今後10年間で子育て世帯向けの公的賃貸住宅約20万戸、空き家を活用した戸建て住宅約10万戸の確保を目標とし、住宅支援の拡充が明確に打ち出されています。また、「こどもまんなかまちづくり」を推進し、こどもや保護者、地域住民が交流できる地域コミュニティづくりの拡充を図ることも重要な指針として示されており、子育て世帯の住宅の確保と子育てしやすい生活空間の形成の両輪で進めることが急務となっています。