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Japan CFO Signals Survey : 2025H2

財政環境への楽観は後退、中東情勢と米国政策を注視

日本における第41回目の実施となったCFO向けの定期サーベイ。本サーベイでは、「経済環境に関する調査項目」で時系列でCFOの意識変化やマクロ的な視点での日本経済及び世界主要国のリスクシナリオに関する意識調査を行い、調査時点での最新の見通しを考察しました。あわせて、日本独自のホットトピックとして、「企業価値向上のためのCFO/CFO組織の役割」に関してお伺いしました。本ページでは、今回のサーベイ結果の中で特徴的な回答結果についてまとめています。(調査期間:2026/2/17~3/11)

2025H2 CFO Signals Report Highlights


経済環境に関する調査


設問1. 財政的な見通し
各社の財政的な見通しが3ヶ月前と比べてどのように変化したかという設問に対し、今回2025H2調査では、楽観的との回答が前回調査に比べ減少した。

グラフ1は、各社の財政的な見通しが3ヶ月前と比べてどのように変化したかを示している。今回2025H2調査では、「楽観的」との回答が前回調査に比べ減少した。ただ同時に、「楽観的ではなくなった」との回答も減少し、結果として「概して変わっていない」との回答シェアが7割を超えることとなった。この間の内外の経済動向を見ると、米国を中心とするAI関連投資ブームの影響が拡がり、企業の設備投資が活発に行われたほか、良好な雇用情勢や株価上昇に伴う資産効果から消費、サービスが堅調に推移し、全体として底堅く推移した。こうした実体経済の動きや製造業の収益に関連が深いドル円の為替レートが円安方向の動きとなっていることを背景に、マインドが改善した企業がある一方、中東情勢を巡る混乱の拡大や日中関係の悪化に伴うビジネス環境の変化に着目し、楽観的な見方を修正する向きもあったものと解釈される。大企業を中心に日本企業の収益力は過去に比べて高まっており、経済的なショックに対する耐久力は相応に増している。このため、中東における一連の動きなどはあるものの、ひとまずは今後の展開を冷静に見定めようとする姿勢の企業が多いものと考えられる。もっとも、先行きに関しては、一旦上昇した原油価格などが、この間の中東における石油関連施設の損壊もあって高止まりし、世界的なインフレの再燃が、企業や個人の支出行動を強く抑制する(いわゆるスタグフレーションの状態になる)可能性には注意する必要がある。また、物価高騰や財政リスクを織り込んで長期金利が上昇し、企業財務に影響を与える可能性や、金融市場が不安定化するリスクにも十分な目配りを要すると考えられる。(全文レポートより一部抜粋)

設問4. 今後1年間の日本経済の注目点
日本経済の動きについて、前回調査に続き、人材・労働力不足、賃金コストの上昇が第1位となった。

グラフ4は、今後1年間の事業展開を展望するうえで注目される日本経済の動きを示している。前回調査に続き「人材・労働力不足、賃金コストの上昇」が第1位となった。構造的な人手不足状況が続く中、賃金の上昇トレンドはかなり持続的なものとなっている。優秀な従業員の確保とコストのコントロール、並行して生産性向上に向けたデジタル化投資を行うことなどが重要な課題となっている。第2位は、原材料やエネルギーなどの生産コストの上昇となった。中東情勢の悪化に伴う原油価格上昇や関連する石油化学製品、さらには物流関係のコスト増大に対する警戒感の高さが窺われる。第3位は、前回調査で第9位に止まっていた「政府の財政状況の悪化、長期金利の上昇」となった。今年2月の衆議院選挙の際に財政状況に関する議論が多くみられたことや、中東情勢の悪化に伴い、物価上昇リスクやさらなる財政負担の可能性から長期金利に上昇圧力がかかっていることから、注目度が高まっている。また第4位に「追加利上げ」があることと合わせると、「金利ある世界」における資金調達コスト上昇への意識が一段と強まってきている様子も見て取れる。(全文レポートより一部抜粋)

企業価値向上のためのCFO/CFO組織の役割に関する調査

設問7. 企業価値向上のために必要な投資領域
企業価値向上のための投資領域としては、AI投資を含むデジタル投資が68%と最多となった。

企業価値向上のための投資領域としては、「デジタル投資(AI投資を含む)」が68%と最多となった。昨今、AIに関する投資には非常に高い関心が寄せられているが、今回の結果はそれを反映したものと言える。

また、投資領域としては、「人的資本への投資」の回答が2番目に多かった(58%)。生産性の向上や事業領域を転換していくために人的資本に対して積極的に投資を進めていることがうかがえる。

次いで投資が必要とされている領域として、M&A投資(55%)、内部資源での新規事業開発投資(45%)が挙げられた。これらの領域はいずれも事業の新陳代謝につながる投資であり、事業ポートフォリオマネジメントへの課題認識が表れている回答となった。この結果は、次の設問の内容とも一致しており、企業価値向上のために事業の新陳代謝を重要視していることが浮き彫りとなった。(全文レポートより一部抜粋)

設問8. 企業価値向上のための取り組み状況
自社のパーパスやゴールの定義やステークホルダーとの対話は、継続的な事業の新陳代謝、投資マネジメントなどにおいて、改善が必要と認識されていることが分かった。

企業価値向上のための取り組みとして、「自社のパーパスやゴールの定義」や「ステークホルダーとの対話」は、多くの企業において取り組めていると認識されている一方、「継続的な事業の新陳代謝」「投資マネジメント」「戦略推進のモニタリングと機動的な運営」「財務戦略の立案・実行」「財務体質強化・トレジャリーマネジメント」は、一定の企業において、取り組みが不十分であり改善が必要と認識されていることが分かった。

これらの領域では、例えば、事業ポートフォリオマネジメントにおいて基盤領域やインキュベーション領域を特定するとともに、ポートフォリオを意識した投資マネジメントを連動して行うなど、取り組みを進めるにあたって戦略思想や経営プロセスの一貫性が必要になる領域であり、包括的な改善の推進が期待される。(全文レポートより一部抜粋)

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