2026年5月、デロイト台湾が台北にて主催した外部向けセミナー「Building Trust in Emerging Technologies: Focusing on AI Governance and Digital Assets」において、有限責任監査法人トーマツ パートナー 長谷友春、マネージングディレクター 上村信二、マネージングディレクター 吉川昌宏が登壇し、日本におけるAIガバナンスおよびデジタルアセットガバナンスに関する実務知見を共有しました。本セミナーは、AIとデジタルアセットという急速に進化する新興テクノロジーを対象に、企業がいかに信頼(Trust)を確保し、適切なガバナンスを構築し、それを持続的な成長へとつなげていくかをテーマに開催されたものです。
本セミナーでは、日本におけるAIガバナンスの制度動向や企業実務に加え、企業がAIを安全かつ信頼性高く活用するためのフレームワークについて解説しました。日本は、EU型の規制主導モデルとは異なり、イノベーション促進とリスク管理の両立を重視するガバナンスアプローチを発展させてきました。こうした知見は、日本企業のみならず、台湾の企業からも高い関心を集めています。
重要なのは、AIガバナンスがもはやIT部門だけの課題ではないという点です。AIに伴うリスクは、経営、リスク管理、法務、コンプライアンス、内部監査、さらには取締役会までが関与すべき、全社的なガバナンス課題へと変化しています。AIガバナンスとは、AIを制限するための仕組みではありません。企業が安心してAIを活用し続けるための経営基盤であると考えます。
AIと並び、これから台湾での規制の導入が見込まれるデジタルアセット(Digital Assets)も重要なテーマとして取り上げられました。日本は世界でも早い段階から、暗号資産、ステーブルコイン、セキュリティトークンなどのデジタルアセットに関わる制度整備を進めており、市場は本格的な金融インフラへと移行しつつあります。特に日本の特徴は、イノベーションの促進と投資家保護を両立させるために、資産の分別管理、コールドウォレット管理、AML/CFT、Travel Rule、外部監査といった仕組みを制度の中に組み込んできた点にあります。
本セミナーでは、暗号資産規制の動向や、事業者に求められる管理態勢、信頼性確保の考え方のほか、近年のインシデント事例の紹介等を交えながら、流出リスク等のデジタルアセットを取り扱う事業者が留意すべきリスクについても解説しました。
デロイト台湾のサイト
有限責任監査法人トーマツ パートナー 長谷 友春
有限責任監査法人トーマツ マネージングディレクター 上村 信二
有限責任監査法人トーマツ マネージングディレクター 吉川 昌宏