内部監査は、組織体が価値を創造、保全、維持する能力を高めることを目的としているため、内部監査による監査結果や改善提案が様々なステークホルダーに信頼され受け入れられるには、内部監査が適切な基準を遵守し一定の水準以上で実施する必要があります。内部監査⼈協会(IIA)が定めている、「専門職的実施の国際フレームワーク(International Professional Practices Framework 以下、IPPF)」は、グローバル共通の基準を示し、品質の一貫性と透明性を担保するフレームワークです。
「専門職的実施の国際フレームワーク」(International Professional Practices Framework (IPPF)®)は、内部監査の専門職的実施のために、内部監査人協会(IIA)が公表した権威ある知識体系を整理したものです。
IPPFには、「グローバル内部監査基準」、「トピック別要求事項」及び「グローバル・ガイダンス」が含まれます。
IPPFは、現在の内部監査の実務に対応する一方で、世界中の実務家やステークホルダーが、様々な環境において、また、目的、規模及び構造の異なる組織体において、質の高い内部監査を求める継続的なニーズに適応し責任を果たせるようにするものです。
「IPPF」を構成する「グローバル内部監査基準」・「トピック別要求事項」・「グローバル・ガイダンス」の内、「グローバル・ガイダンス」を除き必須事項になります。
ドメインⅠ:内部監査の目的
ドメインⅡ:倫理と専門職としての気質
ドメインⅢ:内部監査部門に対するガバナンス
ドメインⅣ:内部監査部門の管理
ドメインⅤ:内部監査業務の実施
「グローバル内部監査基準」は、内部監査の世界的な専門職的実施の指針であり、内部監査部門の品質を評価、向上させる基礎となります。「グローバル内部監査基準」の中核をなすのは、有効な内部監査を可能にする15の原則です。各原則は、要求事項、実施に当たって考慮すべき事項、及び適合していることの証拠の例を含む複数の基準によって支えられています。これらの要素が一体となって、内部監査人が原則を達成し、「内部監査の目的」を果たすことを支援しています。
「トピック別要求事項」は、特定の監査対象に関する内部監査業務の一貫性と品質を向上させ、そのようなリスク領域で個々の内部監査業務を行う内部監査人を支援することを目的としています。内部監査人は、個々の内部監査業務の範囲に特定されたトピックのいずれかが含まれる場合、関連する要求事項に適合しなければなりません。
「トピック別要求事項」は、業種やセクターを問わず、進化するリスク状況に取り組む内部監査の継続的な妥当性を強化するものです。
また、トピック別要求事項は必須事項であるものの、適用が求められるケースは以下に限定されております。
「グローバル・ガイダンス」は、内部監査業務を実施するために、必須ではない情報、助言及びベストプラクティスを提供することにより、「グローバル内部監査基準」を支援するものです。「グローバル・ガイダンス」は、IIAが正式なレビューと承認プロセスを経て承認したものです。
IPPFへの適合は、内部監査部門が国際的に認められた枠組みに基づき、組織の内部監査業務を一定の水準以上で遂行していることを明確に示します。これにより、マネジメントや監査対象先等の様々なステークホルダーに対して、監査結果や改善提案の受容性が高まり、組織全体のガバナンス、リスク管理、コンプライアンス体制の強化に直接的な効果をもたらします。
また、IPPF適合の過程では、内部評価と外部評価を組み合わせた品質評価が重要です。内部評価は、監査部門自身による業務の点検と改善を通じて、手続の一貫性や効率性を確保し、一方で、外部評価は、第三者の客観的な視点からの評価と他社事例や最新のベストプラクティスを取り入れる機会を提供します。これらを継続的に実施することで、ステークホルダーの期待や組織の目的に沿った内部監査活動を実現でき、その役割と価値を明確に位置づけることができます。
デロイト トーマツでは、外部品質評価をはじめとした「IPPF」に関連したサービスを提供しております。