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代表挨拶

温故知新―変革の時代における我々の使命―

2026年1月

2025年を振り返ると、国内では日経平均株価が過去最高値を更新し、名目賃金も上昇しましたが、食料品や住居費等の物価の高騰がこれを上回り、実質賃金の減少が続きました。また、女性初の総理大臣となった高市内閣が国民の大きな期待を受けて発足したことも、記憶に新しい出来事です。世界に目を転じると、各地で紛争が続き、地政学的リスクの高まりを実感する機会は多く、トランプ関税がサプライチェーンに大きな影響を及ぼした年でもありました。さらに、生成AIなどテクノロジーの進展はその歩を緩めず、ビジネスのみならず日常生活にも大きな変化をもたらし、人間の役割や価値が改めて問われる時代となっています。

このような経済社会の大きな変化は、「変革の時代」の到来を象徴しており、企業は複雑かつ日々刻々と変化するサプライチェーン、多岐にわたるビジネスリスク、テクノロジーの進歩の中で、これまで以上に難しい経営の舵取りを求められています。また、経済社会を俯瞰すると持続的な成長や新たなテクノロジーのための法制度や枠組みが必要であり、我が国も規制当局のみならず経済社会のステークホルダーがそれぞれの立場に固執することなく未来を見据え対話をしていかなければなりません。そのような中、監査や、我々監査法人への期待も大きく変わりゆくものと理解しています。

我々の前身である等松・青木監査法人は1968年5月に設立されました。当時、日本の外資導入企業の監査は戦後日本に進出してきた外資系会計事務所に独占されており、日本の組織的監査制度の確立が求められていました。また、我が国の経済は、日本企業の外国市場からの資金調達、海外進出、国際投資などを通じ、その成長が急激に加速しようとする「変革の時代」でした。そのような中、欧米諸国の大監査法人に比肩し得る日本の監査法人を創出し、公認会計士制度をその趣旨に沿って発展させるという志のもと、日本で初めて認可された全国規模の大監査法人が等松・青木監査法人でした。

我々の先人がそうであったように、変革の時代にこそ未来を見据え、信頼を礎に企業と経済社会を支える使命が我々監査法人にはあります。新たな「変革の時代」にこの使命を果たすべく、デロイト トーマツ グループにおいても、3つの事業領域のうち「コンサルテイティブ」に属する3つの法人が統合されました。この統合により複合的な専門分野のノウハウをフル活用し、経済社会や企業の複合的かつ高度な経営課題にも対応できる多面的なサービスの提供が可能となります。

新しいデロイト トーマツ グループの体制で監査・保証業務を担う監査法人としても、資本市場の番人として財務情報の信頼性と透明性を確保するのみでは真の意味で経済社会に貢献しているとは言い難いでしょう。「変革の時代」、プロフェッショナルファームとして多様な専門家の知見とリソースを融合させ、企業を含む様々なステークホルダーと先見性ある対話をしていくことこそが我々に求められている価値であると考えます。過去の延長線上に留まることなく率先してテクノロジーをフル活用した監査業務変革を推し進め、新たに生み出された時間でデロイト トーマツ グループの各法人とシームレスに連携し、経営環境の変化を先取りした価値あるインサイトやソリューションの提供を実現していきます。

創業以来、監査・保証業務を通じて積み重ねてきた「信頼」を基軸としながら、よりよい未来に向け自己変革を続け、「変革の時代」にこそ経済社会の発展に貢献できる監査法人であり続けます。

有限責任監査法人トーマツ 代表執行役
大久保 孝一

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