調査レポート

「デジタル化の実行」から「デジタル化の完成」への移行

ポストパンデミック時代における都市サービスと都市運営の変革

デロイトはESI ThoughtLabと協力し、2020年8月から11月の間、世界167都市のリーダーに対し、ポストパンデミック時代に都市の発展を促すデジタルテクノロジー、データ、その他の革新的なソリューションの活用方法について調査しました。本グローバル調査では、都市運営とデジタルサービスの提供を改善する際の課題の特定や、進捗状況の追跡を行う上での推奨事項を提供しています。

ポストパンデミック時代における都市サービスと都市運営の変革行政でのデジタル変革は、1990年代後半の「e-Gov」の取り組みから始まったものであり、主にオンラインサービスや、行政の物理的なサービスについてのデジタルアバターの提供に注力していました。次第に、この変革のジャーニーは、バックオフィスの再構築をはじめ、ITインフラの強化、クラウドインフラ、カスタマーエクスペリエンスの向上活動、相互運用性、センサーとIoT技術を活用した物的インフラとサイバーの融合を含む、さまざまなフェーズを介して進化を遂げました。しかし、新型コロナウイルス感染症が証明したのは、多くの市行政部門が真の意味でデジタルファーストな組織になるための道のりは以前長い、ということでした。それには、支援金の需要が急激に拡大したため対応しきれない場合があること、ウェブサイトがクラッシュしてしまうこと、コールセンターが過度な負担を抱えること、遠隔医療や仮想学習の拡大が遅れがちになることなどが挙げられます。パンデミックの発生前、各都市は主に「デジタル化の実行」に焦点を当て、自組織の機能を向上させるためにデジタルテクノロジーを活用し、従来型の運営モデルに大きく依存していました。しかし、パンデミックの発生に伴い、デジタルテクノロジーとプロセスを自組織により深く組み込み、「デジタル化を完成」させる必要性が生じました(「デジタル化の完成」の詳細については、行政のデジタル変革を促す7つのデジタルピボットを参照)。しかし、真の意味で「デジタル化を完成」させるには、かなりの労力が必要になります。この段階において、各都市は、AI、サイバーテクノロジー、クラウドテクノロジーを活用することで、ヒューマンエクスペリエンスを向上させていくことになります。

 

プロフェッショナル

廣瀬 史郎/Shiro Hirose
デロイト トーマツ コンサルティング シニアマネジャー

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