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オーストラリアにおける保険ソルベンシー規制とIFRS 17の調和に向けた取組み

オーストラリアにおけるソルベンシー規制の改正の方向性と日本へのインプリケーション

オーストラリア会計基準審議会(Australian Accounting Standards Board:AASB)は2017年7月、保険契約の新たな会計基準であるAASB 17を公表しました。AASB 17は、国際会計基準審議会(IASB)が策定する保険契約にかかる国際財務報告基準(IFRS 17)に相当するものです。

これを受けて、オーストラリアの保険監督当局である健全性規制庁(Australian Prudential Regulation Authority:APRA)は、保険会社に対するソルベンシー規制とAASB 17とを可能な範囲で調和させる方向で検討を進めてきています。その一環として、APRAは2021年12月、保険会社の資本(健全性)基準および監督上の報告基準それぞれの改正案を市中協議に付しました。

本稿では、以下の8つの主要な論点について、APRAおよび業界それぞれの見解を紹介するとともに、日本へのインプリケーションを議論しています。加えて、欧州におけるソルベンシー規制(ソルベンシーII)とIFRS 17との関係にかかる検討も踏まえ、金融庁が開発中の経済価値ベースのソルベンシー規制と保険会計との関係や主要な経営指標(KPIs)のあり方なども考察しています。

オーストラリアにおける保険ソルベンシー規制とIFRS 17の調和に向けた取組み
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