ニュースリリース
デロイト トーマツ グループの合同会社デロイト トーマツ(東京都千代田区、代表執行役 木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)は、データの関係構造の変化を高精度に捉える変化点検知モデルを開発し、特許を取得しました(特許番号:第7771461号)。本特許技術は、人手による調整に依存せず、二つの時点・期間の「データ項目同士のつながり方」の変化をAIにより自動で判定します。異常やリスク兆候を早期検知することが可能になり、製品の品質保証や設備保全、エネルギー監視など、複数指標の関係を見守る機器・ソフトウェアなどの要素技術として、幅広い分野でのリスクコントロールに貢献します。
デロイト トーマツは、本特許技術を起点に高度な予兆検知型のリスクマネジメントサービスの提供や、デロイト トーマツ グループの他の事業、さらには協業先などでの利用を促進し、産業と社会のレジリエンス向上に貢献してまいります。
近年、業務のデジタル化やサプライチェーンの変動などにより製品やサービスの提供過程に関連するデータは量・種類共に急増しており、それらを取り巻く環境変化も頻繁に生じています。従来の「指標の閾値監視」や人手によるパラメータ調整では、リスク兆候が生じても見落とされたり、逆に過剰なアラートが発生したりすることが課題となっていました。こうした課題に対し、デロイト トーマツはデータの関係構造をAIが自動で学習し二つの時点での違いを客観指標で判定し、効率的かつ高精度に変化を検知することでリスクの前兆を捉えられる変化点検知モデルを開発しました。
変化点検知モデルは、AIがデータのまとまりごとに関係構造を数値化し、A時点とB時点との間でどのようにその関係構造が変化したかを測定します。データの関係構造の中で「重要なつながりは一部のみに存在する」と仮定し、その関係構造が時点間で有意に異なるかを評価します。サンプルデータが大きいほど正しい数式モデルを自動で選ぶことができ、各パラメータも自動で調整するため、人手によるモデルのチューニング負荷も軽減されます。
図1:センサーデータを用いたモニタリングへの応用イメージ
製品の品質保証:
製造工程における微細な品質変化やドリフト(時間経過とともに生じる機械やセンサーの精度のズレ)を検知し、不良品の流出を未然に防ぐとともに、安定した品質管理体制の構築を可能にする。
工場の設備保全:
プラントの温度・圧力・振動など複数センサー間の相関や因果的な連動関係の崩れを構造変化として早期検知し、異常値が顕在化する前の予兆段階で緊急停止や故障を回避する。
サプライチェーンの需給調整:
サプライチェーンにおける需給連動の崩れやボトルネックを早期検知し、供給リスクの回避だけでなく、需要増加の兆候を捉えて迅速な増産や販路拡大の意思決定につなげる。
金融業務におけるポートフォリオ管理:
株式や債券など資産クラス間の連動の度合いをリアルタイムで可視化。連鎖的下落などのリスク上昇の兆しを早期に捉えて回避するとともに、連動性が下がる局面を新たな投資機会として活かし、リスク分散を強化した戦略の立案やポートフォリオ構築を支援する。
エネルギー監視:
電力の波形や使用量の変化点を捉えることで、機器の誤作動などを引き起こす電圧フリッカや電圧低下など電力品質劣化の予兆を安定かつ高精度に検知し、想定外の機器故障や系統異常の予防を支援。また、再生可能エネルギー導入拡大による新たな需給バランスへの対応や、先進的な運用最適化を実現する。
本特許技術は有限責任監査法人トーマツが実施する会計監査において、AI・アナリティクスを基盤としたリスク評価アプローチの強化に貢献します。具体的には、前期と当期との比較による仕訳・取引の計上傾向の変化、勘定科目間の関係性の変化、グループ会社間での商流の変化などの検知を想定しています。たとえば、売上高、売上債権、棚卸資産、売上原価など営業サイクルに関わる勘定科目の関係性が期中でどのように変化したかを可視化し、想定していない関係性のズレを識別することで、通常のトレンド分析や閾値ベースの異常検知では捉えにくいリスクの兆候を抽出します。これにより、リスク評価手続の焦点をより適切に絞り込み、監査先との対話を深化させるとともに、既にリリース済の複合的異常検知モデルと組み合わせた包括的なリスク対応手続の実施を後押しします。結果として、監査の品質・効率双方の向上に資することが期待されます。
図2:変化点検知モデルの会計監査への応用イメージ
デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーである合同会社デロイト トーマツ グループならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、合同会社デロイト トーマツ、デロイト トーマツ税理士法人およびDT弁護士法人を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従いプロフェッショナルサービスを提供しています。また、国内30都市以上に2万人超の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、www.deloitte.com/jpをご覧ください。
Deloitte(デロイト)とは、Deloitte Touche Tohmatsu Limited(“Deloitte Global”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。Deloitte Globalならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。Deloitte Globalおよびその各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。Deloitte Globalはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
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