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デロイト トーマツと公益財団法人がん研究会、量子コンピュータを活用した創薬研究の加速化に向けた協業を開始

産学連携により、革新的ながん治療薬の早期創出を目指す

ニュースリリース

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)と公益財団法人がん研究会(東京都江東区、理事長:浅野 敏雄、以下「がん研究会」)は、量子コンピュータを活用したがん治療薬の創薬研究の加速化を目指し、協業を開始します。

(写真左から)
公益財団法人がん研究会 有明病院長 佐野 武氏、研究本部長 大津 敦氏、理事長 浅野 敏雄氏 /デロイト トーマツ グループ CEO 兼 CGO(Chief Growth Officer) 木村 研一、量子技術統括 寺部 雅能、パートナー 大川 康宏

本協業では、デロイト トーマツが量子ビジネスに関する知見と国内外のネットワークを活用し量子コンピュータを用いた創薬研究のユースケースや関連技術の探索、共同研究の推進・運営、量子アルゴリズム開発、海外の量子プレーヤーとのグローバル連携支援を担います。一方、がん研究会は臨床と研究が密接に連携した体制を背景に、創薬研究に求められる医療データや臨床知見、専門人材の提供を行います。両者はそれぞれのネットワークを活かし、国内外の量子コンピュータ関連企業や学術機関、製薬企業などとの連携を図りながら、量子創薬研究の発展に取り組みます。

近年、創薬研究はその複雑化・高度化に伴い、研究期間の長期化や多額の資金投入が不可避となっており、製薬業界全体にとって大きな課題となっています。特にがんは、種類が多いだけでなく同じ臓器のがんでも患者ごとに遺伝子変異パターンが異なるため、患者一人ひとりに適した治療が求められています。治療ニーズの高さに加え、このような個別化医療に対応した創薬アプローチが求められており、現在、医薬品開発パイプラインの約40%をがん治療薬が占めている状況です。こうした背景から、膨大かつ複雑な分子シミュレーションや大規模データ解析を高速かつ高精度に実行できる量子コンピュータの活用が、次世代のがん創薬を加速させる新たな手段として注目されています。

本協業では、がん研究会が保有するゲノムやタンパク質などの膨大な生体データを量子コンピュータで解析し、がんの原因であり新薬のターゲットとなる分子や遺伝子を効率的に発見する研究など、量子コンピュータの強みを活かした多様な研究テーマに共同で取り組みます。また、両者のみならず、学術機関や製薬企業など創薬に関わる企業・団体との連携を展開し、がん創薬研究の加速と、がん患者の方々への新しい治療薬の早期提供を目指します。 

図:本協業の枠組み

デロイト トーマツについて

デロイト トーマツ グループは総人員22,000人の総合プロフェッショナルグループであり、あらゆるビジネス領域で専門的なサービスを提供しています。量子コンピュータの領域では、技術分野ならびに業種・業界分野の専門家の知見を集めユースケースの開発、量子産業・市場の調査・分析、実証・実装支援を含むコンサルティングサービスなどを展開しています。また、世界でもいち早い量子技術の社会実装を日本の産・学・官のプレイヤーと共に推進するエコシステムの形成を目指しています。医療分野では、医薬品研究の経験者やAI創薬など製薬業界のテクノロジー分野に精通したエキスパートと共に、医療業界の変革支援、製薬×量子技術の構想策定・実証研究支援からビジネス実装までの幅広い支援を可能としています。

 

公益財団法人がん研究会について

がん研究会は1908年に日本初のがん専門機関として発足して以来、100年以上にわたり日本のがん研究・がん医療において主導的な役割を果たしてきました。基礎的ながん研究を推進する「がん研究所」や、新薬開発やがんゲノム医療研究を推進する「がん化学療法センター」「がんプレシジョン医療研究センター」、さらに新しいがん医療の創造に取り組む「がん研有明病院」を擁し、一体となってがんの克服を目指しています。
ウェブサイト:https://www.jfcr.or.jp/

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