市場調査会社であるAllied Market Research社の情報(『MICE Industry by Event Type』、『Asia-Pacific MICE Industry Market』)に基づくと、2016年のグローバル全体でのMICE(※)市場規模は約83兆円(USD782Bil)であり、2023年には140.5兆円(USD1,245Bil)に達すると予測されています(毎年7.5%の成長)。
また、アジアに目を向けると、2017年のアジア主要国でのMICE市場規模は約25兆円(USD229Bil)であり、2025年には48兆円(USD441Bil)に達すると予測されています(毎年8.6%の成長)。 *USD=110円で換算
また、政府が「明日の日本を支える観光ビジョン」にて定めた、「2030年までに訪日旅行消費額15兆円」という目標を達成するため、MICE産業においても、2030年の「MICE関連訪日外国人消費相当額目標 」を8,000億円としています。
このように、MICE産業は、今後も成長が期待され、社会的経済的に影響力の高い産業ということが分かります。
(※)MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行、Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention/Conference)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。
欧米等のMICE先進国では、これまでさまざまなテクノロジーがMICE施設に導入されてきました。とりわけ、MICEの最大の特徴であるF2F(Face to Face)コミュニケーションの効果を最大化するテクノロジーを活用したツールの重要性が増しています。
例えば、海外では、スマートフォン上のアプリケーションでツールを提供する環境が普及しており、参加者がアプリケーション一つで様々なサービスが受けられる環境が整っています。参加者と出展企業または参加者同士は、現地での有意義なコミュニケーションを行うため、アプリケーションでライトパーソンを探してミーティングし、ネットワーキングすることが可能となっており、その背景には、MICEに参加したROI(費用対効果)を最大化する意識が海外では高いことが挙げられます。
今後は、ますます高度化するであろうAI(人工知能)がツールへ搭載されることにより、コミュニケーションやネットワーキングの質をより高めるサービスが登場することが予想されます。
一方、日本においては、先に述べたツールを始めとしたテクノロジーの導入がMICE先進国と比較して十分に進んでいるとは言い難い状況です。
その様な中、観光庁は、官民挙げたMICEに関する具体的な取組みの中で、『先進的テクノロジーを活用した「ビヨンドMICE」の普及・推進』を掲げ、国内のMICE産業におけるテクノロジーの導入を推進しています。
日本は、国際会議誘致において、シンガポールや中国といったアジア諸国の追随を許している状況からも、今後は、テクノロジーの分野でもMICE先進国の取組みに追いつくと共に、日本固有の取組みも推進することで差別化を図る必要があると考えられます。
デロイト トーマツでは、Deloitteの海外ネットワークによる海外都市におけるMICE産業に関する成功事例のみならず、日本国内においても多数のサービス提供実績を有しています。
デロイト トーマツは、企業のMICE産業に関するビジネス参入戦略の策定や事業計画の策定といった領域にとどまらず、ICTサービスの導入に関する支援も行います。
また、MICE産業の振興を検討する地方自治体に対しても、基本構想、基本方針策定支援業務などのサービスを提供します。
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