21世紀に入り、燃料や原料としての水素は、何度も世界的な期待の高まりを受けてきた。日本では、エネルギー自給率の低や脱炭素化、産業協力の維持等の構造的課題を背景に、「戦略的エネルギー」として水素が政策的・産業的に重視されている。特に、2015年以降の「第4次水素エネルギーブーム」では、国際的なネットゼロ目標や再生可能エネルギーの拡大を受け、水素社会実現への議論が活発化した。
しかしながら、水素エネルギーの普及は依然として限定的であり、期待と現実のギャップが問題となっている。その要因には、技術・経済・社会・政策に関する表層的な課題に根差す本質的な制約が存在すると考える。本レポートは、日本における水素エネルギーブームの歴史と課題を整理し、エネルギー普及に向けた突破口を提案することを目的とする。
(ECMMユニットニュースレター「Quest」Vol.16 2026年3月発行)
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