再エネの導入拡大や電力の安定供給に向け、柔軟に充放電の可能な蓄電池の重要性が高まってきており、系統用蓄電池の接続検討受付が2023年から2024年にかけて3倍に増加しました。まさに再エネの次なる市場として系統用蓄電池市場が期待されていることを示す結果ですが、一方でどの程度事業性があるのか、現時点で参入すべきなのか、どのような案件に出資すれば良いのかなど、事業参画の判断材料が現時点では十分でなく足踏みされている事業者様が多いのも、実態かと思います。既に初期市場が形成されつつある中で、当社は各事業者様の検討段階に応じて、適切なサポートをご提供します。
最近の制度変更などに伴い、系統用蓄電池においては、日本国内では事業性が成立しやすい事業環境へと変化しています。例えば、制度上の支援としては、系統用蓄電池向けの補助制度が導入され、初期投資のハードルが減少したことや、また長期脱炭素電源オークションにおける対象に蓄電池が加わり、投資対効果の蓋然性が高まり、事業の見通しをより立てやすくなっております。
また近年は、再生可能エネルギーの大幅な普及など、市場の変化を起点として、アービトラージ取引における値差幅が拡大し、また需給調整市場も順次開設され、収益を得る機会が増加してきました。
このような状況下、東北・九州などを中心に系統への接続検討受付は大幅に増加しており、多くの企業が系統用蓄電池事業への参入を検討されております。
系統用蓄電池ビジネスにおいては、自社の戦略上どのように位置づけるか、自社としてどの程度の収益を期待するか(及びリスクを許容するか)、が論点となります。また、これら論点に基づき、①事業モデル・実施体制、②収益構造・売電オプションなど、具体的な事業運営の方向性が決まっていきます。
電力・ガス会社、商社といった電力売買を主な収益源とする企業や、遊休地活用を主眼とする非エネルギー企業等、事業実施者は多岐にわたる中、自社が系統用蓄電池事業へ取り組む意義を明確化することは重要と言えます。
デロイト トーマツ グループは、培った知見を活かし、系統用蓄電池事業の市場調査・戦略策定から売買支援まで、クライアントの検討ステージやニーズにあわせたご支援と共に、ビジネスパートナーとして一貫して伴走支援をおこなうことも可能です。
デロイト トーマツ グループは、系統用以外の蓄電池ビジネスにおいても新たな事業モデル検討を戦略から実装まで包括的にサポートします。
蓄電池ビジネスとは、エネルギーの蓄積と供給を行う蓄電池に関連する製品やサービスを提供するビジネス分野を指します。蓄電池ビジネスは様々な領域に事業展開されており、収益獲得の形態によって広範なビジネスモデル(事業ポテンシャル)が考えられます。大規模集中から再エネを中心とする分散型電源に移行する「エネルギー」領域での蓄電池を活用したエネルギーの効果的な利活用、あるいはEVやバッテリー関連サービス・リユース/リサイクルまで広がりを見せる「モビリティ」領域など、複数領域での事業展開の可能性があります。
これらの事業のスケールアップには蓄電池自体の普及が求められる一方で、普及を前提とした蓄電池ビジネス全体の収益化課題は多岐にわたり、各事業者は収益性の確保に苦慮されているのが実情です。
このような状況の中で、蓄電池バリューチェーンビジネスの課題への対応と打ち手検討のポイントを踏まえた、蓄電池ビジネスの新たな事業モデルの検討が求められています。
蓄電池ビジネスの成功を考える上では、蓄電池を売り切り型のモノとして売るのではなく、ライセンス売り・サービス売りやリユース・リサイクル用途も含めて収益モデルを構築するなど、蓄電池バリューチェーン全体を通じた収益化のポイントを見出していくことが基本的かつ重要な考え方となります。
一方で、いずれのビジネスにおいても蓄電池(モノ)の流通が事業のスケールアップには必須であると共に、蓄電池(モノ)の流通においては研究開発から製造/販売・利用・利用後の各工程において高コスト・低収益に関わる課題が多くあり、各々の課題を克服するような下記の打ち手を単発で終わらせることなく、各ステークホルダーが協調・連携しながら進めていくことが肝要です。
デロイト トーマツ グループは、蓄電池ビジネスの市場調査・戦略策定から実装・運用断面まで、クライアントの検討ステージやニーズにあわせたご支援と共に、ビジネスパートナーとして一貫して伴走支援をおこなうことも可能です。