“2024年問題”や国際情勢の変化等に伴い上昇が予想されるトラック輸送の“運賃”に影響する物流情報を需要/供給/コストの3軸で整理し、市況理解を深める一助となるレポートです。
国内貨物輸送はトラックがトンベースで約9割、トンキロベースで約5割を担う一方、ドライバーの低賃金・長時間労働などは社会問題化しています。長時間労働の改善に向け、2024年4月よりドライバーにも「働き方改革関連法案」が適用されましたが、労働時間短縮による物流の停滞(「2024年問題」)が懸念されています。
また物流関連二法改正により、荷主企業・物流企業への荷待ち時間短縮・積載率向上等の努力義務化(2025年4月施行)や、特定荷主への物流統括管理者選任の義務化(2026年4月施行)等を定め、荷主企業・物流企業が協力して物流効率化・適正化に努めるよう対策が講じられています。
法律・制度の施行により、人材確保・効率化に伴うコスト増や価格交渉の促進が見込まれ、運賃の値上げが想定されますが、市場では運賃に影響する物流情報が体系的に整理されていないと思われます。
そこで本稿では、荷主企業・物流企業の担当者が市況の理解を深める一助となることを目的に、統計データに基づき、運賃を構成する要素を整理し、指標の定点観測を行います。
また、各統計データの更新時期の都合上、対象とする指標は、主として2024年までのものとします。
本稿の構成は、まず企業向けサービス価格指数を取り上げ、トラック輸送のサービス価格のトレンドを捉えます。次に、日本のトラック市況を漏れなく把握するため、当該指数を需要・供給・コストの三軸に分解して整理します。なお、法規制や制度設計、それに伴う企業動向は三軸に横断的に影響を及ぼすため、別立てのコラムで整理します。
寺西 雅尚
合同会社デロイト トーマツ パートナー
上原 幸大
合同会社デロイト トーマツ シニアマネージャー