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会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案の概要

2026年8月20日公開

はじめに

2005年に成立した会社法については、その後の改正により二度にわたって実質的な見直しがされたが、2019年の改正から5年以上が経過しており、近年の社会経済情勢の変化等に伴い、検討することが必要な会社法に係る課題が複数指摘されるに至っている。

そこで、2025年2月、法制審議会第201回会議において、法務大臣から、「近年における社会経済情勢の変化等に鑑み、株式の発行の在り方、株主総会の在り方、企業統治の在り方等に関する規律の見直しの要否を検討の上、当該規律の見直しを要する場合にはその要綱を示されたい。」との諮問がされ(諮問第127号)、その調査審議のため、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会(部会長・神作裕之学習院大学法学部教授。以下、「部会」という)が設置された。

部会では、2025年4月から2026年3月までの間、計12回の審議を重ね、同月18日の第12回会議において「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」1(以下、「試案」という)が取りまとめられた。これを受け、事務当局である法務省民事局参事官室は、2026年4月2日付けで試案及びその補足説明を公表し、5月22日までの期間、パブリック・コメントを実施していた。

1. 試案の概要

試案で取り上げている事項は、以下の通りである。

第1部 株式の発行の在り方に関する規律の見直し
 第1 株式の無償交付の対象範囲の見直し
 第2 株式交付制度の見直し
 第3 現物出資制度の見直し
第2部 株主総会の在り方に関する規律の見直し
 第1 バーチャル株主総会及びバーチャル社債権者集会
 第2 実質株主確認制度
 第3 株主総会のデジタル化に関するその他の検討事項
 第4 「会議体」としての株主総会等に関する規律の見直し
 第5 株主提案権に関する規律の見直し
 第6 その他
第3部 企業統治の在り方に関する規律及びその他の規律の見直し
 第1 指名委員会等設置会社制度の見直し
 第2 責任限定契約制度の見直し
 第3 事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化

本稿では、このうち、開示の実務に影響すると考えられる「事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化」と、会計処理に影響する可能性のある「株式の無償交付の対象範囲の見直し」について解説する。

2. 事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化

■ 試案 第3部 第3 事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化

事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化に関し、次の1及び2の規律を設けるものとする。

  1. 上場会社が電子提供措置開始日までに事業報告等(計算書類及び事業報告並びに連結計算書類をいう。以下同じ。)の開示事項の全てを記載した有価証券報告書を提出した場合には、事業報告等を作成することを要しない。
  2. 会計監査人が1の有価証券報告書について金商法に基づく監査をした場合には、会社法に基づく会計監査人の監査をしたものとみなす。

(注)  1の見直しをする場合には、有価証券報告書のうちの事業報告等の開示事項に相当する部分について、事業報告等に関する会社法の規定(2の規定を除く。)を適用することを想定している。

(1)試案の背景

① 現行法の規律と見直しに関する指摘
金融商品取引法(以下「金商法」という)上、金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者である会社は、事業年度ごとに、有価証券報告書を、当該事業年度経過後3か月以内に、内閣総理大臣に提出しなければならないとされている(金商法第24条第1項)。また、上場会社などの振替株式を発行する会社は電子提供措置をとる旨を定款で定めなければならず(社債、株式等の振替に関する法律第159条の2第1項)、会社法上、その旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、所定の場合には、株主総会の日の3週間前の日又は定時株主総会の招集の通知を発した日のいずれか早い日(電子提供措置開始日)から、事業報告等に記載され、又は記録された事項等の所定の事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならないとされている(会社法第325条の3第1項)。

この点について、事業報告等の開示事項及び有価証券報告書の開示事項には重複が多い一方で、細目において多くの相違点が存在している(図表1参照)。そのため、現行法上、事業報告等の開示事項であるが有価証券報告書の開示事項ではないものも存在し(図表2参照)、上場会社においてこれらの類似する二つの書類を作成するのに多大な負担が生じているとの指摘がある。

事業報告等と有価証券報告書の開示事項の重複部分と、それぞれ固有の開示事項の関係を示す図。

(出典:試案の補足説明)

事業報告等に固有で、有価証券報告書にはない開示事項の具体例と根拠条文を示す表。

(参考:試案の補足説明から筆者作成)

また、諸外国では、日本の会社法及び金商法がそれぞれ要請する開示内容に相当する内容を開示する一つの書類を作成し、当該書類を株主総会前に開示している企業が多いとされている。さらに、事業報告等と有価証券報告書の一本化を可能とすることによって開示書類作成の負担を軽減するとともに会計監査の一元化の実現を可能にすることが、有価証券報告書の定時株主総会前の開示(以下、「総会前開示」という)に向けた株主総会の開催スケジュールの見直しのインセンティブを与えるための最も現実的な対応であるとの指摘もあった。

②  事業報告等と有価証券報告書の一体開示と一本化
「一体開示」とは、事業報告等及び有価証券報告書の双方に記載しなければならない情報を内容とする一つの書類を作成及び開示するものである2。また、「一本化」とは、有価証券報告書を(事業報告等の開示において求められる3週間前までに)作成する株式会社においては、事業報告等の作成を不要とする(会社法上、事業報告等の作成義務を負わないものとする)ものである。一体開示は、会社が事業報告等の作成義務自体を負わないとするものではなく、この点で一本化とは区別される。

事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化については、過去からも指摘があったものの、これまでは図表3のように一体開示の推進のための施策等が、法制面・運用面の双方から行われていた。

事業報告等と有価証券報告書の一体開示推進に向けた、2016~2026年の主な施策の時系列表。

(参考:金融庁の有価証券報告書の定時株主総会前の開示に向けた施策等の一覧より筆者作成)

(2)試案の内容

① 事業報告等と有価証券報告書の一本化
試案第3部第3の1では、上場会社が電子提供措置開始日までに事業報告等の開示事項の全てを記載した有価証券報告書を提出した場合には、事業報告等を作成することを要しないとすることが提案されている。

この場合には、事業報告等に関する会社法の規定を有価証券報告書のうちの事業報告等の開示事項に対応する部分について適用すること(概要、会社法の規定の適用については、「計算書類」とあるのは「有価証券報告書のうち計算書類に記載すべき事項を記載した部分」と、「事業報告」とあるのは「有価証券報告書のうち事業報告に記載すべき事項を記載した部分」と、「連結計算書類」とあるのは「有価証券報告書のうち連結計算書類に記載すべき事項を記載した部分」とするなど)を想定している。例えば、会社法第429条第2項の虚偽記載等に係る役員の責任の規定は、有価証券報告書のうちの計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の開示事項が記載された部分の虚偽記載等について適用されることとなる。また、会社法第436条10第1項及び第2項に規定する監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会。以下、「監査役等」という)の監査の対象は、有価証券報告書のうちの計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の開示事項が記載された部分となる(なお、監査役等は、現行法下と同様に、同条第1項及び第2項に規定する監査をする義務だけでなく、有価証券報告書の作成及び開示に関する取締役の職務執行を監査する義務を負うこととなると考えられる。監査役について会社法第381条第1項、監査等委員会について会社法第399条の2第3項第1号、監査委員会について会社法第404条第2項第1号)。

また、会社法第436条第2項第1号の規定による監査役等の監査は、現行法における監査役等の監査と同等の監査(金商法に基づく監査証明のうち会社法上の会計監査に相当する部分、すなわち計算書類及びその附属明細書に相当する部分に対する金商法に基づく監査に係る監査人(会計監査人)の職務の遂行の監査という点に重点を置いた監査)が行われることとなる。

なお、事業報告等の作成が不要になるのは、①電子提供措置開始日までに、②事業報告等の開示事項の全てを記載した有価証券報告書を提出した場合であるから、事業報告等の作成が不要になるとしても、会社法が求める開示事項が削減されることはなく、また、会社法が求める開示時期より遅れることも許容されない点に留意が必要である。

② 会計監査の一元化
会社法上、会計監査人設置会社においては、計算書類及びその附属明細書又は連結計算書類は、監査役等及び会計監査人の監査を、事業報告及びその附属明細書は、監査役等の監査を受けなければならないとされている(会社法第436条第2項及び第444条第4項)。これは、対象となる書類が会社の状況を適切に表示しているかどうかについて意見を表明し、その意見を監査報告の形で表明する「監査」の手続を規定するものとされている。

また、金商法上、金融商品取引所に上場されている有価証券の発行会社等が、金商法の規定により提出する貸借対照表及び損益計算書等には、その者と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないとされている(金商法第193条の2第1項)。これは、投資家保護のため財務計算書類等の記載内容の適正性を担保するための法定監査制度を規定するものとされている。

この点について、会社法に基づく会計監査人による会計監査と金商法に基づく公認会計士又は監査法人の監査証明については、いずれも、記載されている会計情報の適正性を担保するために行われるものであり、かつ、毎事業年度の決算において同一の公認会計士又は監査法人により一体として手続が進められることが多いことから、その一元化をするべきであるとの指摘がある。

そこで、試案第3部第3の2では、会計監査人が計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類の開示事項を含む有価証券報告書について金商法に基づく監査をした場合には、会社法に基づく会計監査人の監査をしたものとみなすものとすることが提案されている。

なお、会社法上、会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければならないとされている(会社法第337条)が、金商法上、監査証明を会社法上の会計監査人が行うことは求められていない。しかし、試案第3部第3の2では、会社法第337条が求める資格を有する会計監査人が試案第3部第3の1の有価証券報告書について金商法に基づく監査をした場合には、会社法に基づく会計監査人の監査をしたものとみなすこととしており、会社法上の会計監査人でない者が金商法上の監査証明をしても会社法上の監査をしたものとみなすことはできない点に留意が必要である。

(3)試案公表後の動向

① 法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会
試案公表後も会議において参考人からの意見聴取がなされている。そのうち、2026年4月15日開催の第13回会議においては、日本公認会計士協会より、会員向けアンケート結果の内容を踏まえ、「開示書類の一本化・監査の一元化」への賛成と共に以下の意見が述べられている。

  • 「開示書類の一本化」は、情報の比較可能性を確保する観点から、すべての上場企業へ強制適用とすべき(なお、企業の状況を考慮して、段階的適用を可能とすべき)
  • 開示書類の情報の信頼性を確保するためには監査品質の維持が不可欠であり、株主総会の開催時期を後ろ倒しすることにより十分な監査期間を確保する制度設計の下で、有報の総会前開示(3週間以上前)を実現すべき
  • 開示書類・開示項目の簡素化を要望

② 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(以下、「DWG」という)
2026年5月18日開催の第5回会合においては、事務局説明資料において、試案の概要とあわせて、現在、金融庁は、法務省と共に事業報告等の固有部分(図表1のBの部分)を特定するとともに、有価証券報告書の開示事項との共通化を図るための検討作業を行っており、今後、これらの検討結果を対応表として整理し公表する予定であることが示された。当該対応表は、現行法制下でも可能な一体開示の促進に加えて、今後実現が見込まれる開示書類の一本化に向けた土台になるものであり、必要な場合には、金融庁及び法務省双方において、2028年3月期からの適用を目指し、府省令等の改正を含めた対応について検討していくとされている。

そのうえで、有価証券報告書の記載事項の整理に当たっては、まずは、有価証券報告書の固有の開示事項(図表1のCの部分)を対象として検討していくこととし、見直し後の記載様式の適用については、事業報告等の固有の開示事項(図表1のBの部分)の見直しと同じ2028年3月期からとすることについて議論がなされた。

なお、議論の中では、DWGの次の報告書について、来年6月頃までには報告書を取りまとめることが望ましいとされている。

3. 株式の無償交付の対象範囲の見直し

■試案 第1部 第1 株式の無償交付の対象範囲の見直し

  1. 制度の具体的な枠組み
    会社法(平成17年法律第86号)における使用人等に対する株式の無償交付の具体的な枠組みとして、次の【A案】若しくは【B案】のいずれか又は双方によるものとする。ただし、結論を得るに当たっては、使用人等に無償交付される株式の労働基準法(昭和22年法律第49号)上の「賃金」該当性について整理が必要である。
    【A案】株主総会の決議を要件とせずに取締役会の決議のみで使用人等に対する株式の無償交付を可能にすることとした上で、有利発行規制に服するものとして、次の(1)から(5)までの規律を設ける。
     (1)~(5)省略
    【B案】株主総会の決議により使用人等に対する株式の無償交付を可能にすることとした上で、有利発行規制に服しないものとして、次の(1)から(4)までの規律を設ける。
     (1)~(4)省略
  2. その他の検討事項
     (1) 現物出資構成について
       省略
     (2) 新株予約権の行使時の金銭の払込み等を要しない新株予約権の発行
       省略

(1)試案の背景

2019年12月に成立した会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号。以下「令和元年改正会社法」という。)により、上場会社の取締役又は執行役を対象として、株式の無償交付(募集株式と引換えにする金銭の払込み等を要しない株式の発行又は自己株式の処分をいう。以下同じ。)をすることができるものとされた(会社法第202条の2)。

この点について、近年、国内外の優秀な人材の獲得・維持、エンゲージメントの向上等の観点から、使用人等に対しても株式を付与する動きが広がりつつあるとの指摘がされている。もっとも、上場会社の取締役又は執行役ではない者については株式の無償交付の対象とされていないため、使用人等に対して株式を付与するに当たっては、実務上、金銭債権を使用人等に付与した上で、使用人等に募集株式を割り当て、引受人となった使用人等に当該金銭債権を現物出資財産として給付させることにより、株式の発行又は自己株式の処分をするという取扱いが行われている(いわゆる現物出資構成)。

しかしながら、このような方法は技巧的であり、端的に、使用人等に対する株式の無償交付を認めることが望ましいとの指摘がある。また、いわゆる現物出資構成で必要となる手続が簡便になることが望ましいとの実務上の必要性があるとの指摘もある。

そこで、株式の無償交付の対象範囲を拡大する観点から、試案第1部第1の1では、使用人等に対する株式の無償交付の具体的な枠組みとして、①株主総会の決議を要件とせずに取締役会の決議のみで使用人等に対する株式の無償交付を可能にすることとした上で、有利発行規制に服するとする案(【A案】)と、②株主総会の決議により使用人等に対する株式の無償交付を可能にすることとした上で、有利発行規制に服しないとする案(【B案】)を掲げ、そのいずれか又は双方によることが提案されている。

(2)試案の内容

株式の無償交付をする場合には、1株当たりの価値が下落(希釈化)し、既存株主の利益が害されるおそれがあるため、株式の無償交付の対象範囲の見直しに当たっては、その利益に配慮する必要がある。

① 【A案】について
【A案】は、株主総会の決議を要件とせずに取締役会の決議のみで使用人等に対する株式の無償交付を可能にすることとした上で、有利発行規制に服するものとする案であり、有利発行規制により、既存株主の利益に配慮するものである。

【A案】は、無償交付される株式は、福利厚生として広い意味での「職務執行の対価」といえるものであり、その価値に見合うだけの便益を会社が受けるため、基本的には、使用人等に対する株式の無償交付が有利発行に該当することは想定し難いという考え方を前提としている。およそ有利発行に該当しないのではなく、広い意味での「職務執行の対価」として過大である場合には有利発行に該当する余地があるものの、使用人等に対してどの程度の広い意味での「職務執行の対価」を与えるかは経営判断であってその判断を尊重するべきであるから、その判断の過程、内容に著しく不合理な点がない限り有利発行に該当しないとの解釈を前提とするものである。

② 【B案】について
【B案】は、株主総会の決議で使用人等に対する株式の無償交付を可能にすることとした上で、有利発行規制に服しないものとする案であり、株主総会の決議を要件とすることにより、既存株主の利益に配慮するものである。

【B案】では、上場会社は、株主総会の(特別決議ではなく)普通決議により、株式の無償交付を受ける者の範囲及び募集株式の数の上限その他法務省令で定める事項を定めることができるものとしている。ここでいう「募集株式の数の上限」とは、取締役の株式報酬に関する定め(会社法第361条第1項第3号)の解釈と同様に、一事業年度当たりごとの上限を定めることも可能であることを想定している。すなわち、募集事項の決定ごとに株主総会の決議を必要としたり、毎年の定時株主総会における決議を必要とするものではなく、株主総会の決議で一度定めていれば、その内容に変更がない限り、重ねて株主総会の決議を経る必要はない。

(3)会計上の取扱い

会社法第202条の2に基づく取締役等に対する株式の無償交付については、実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」(以下、「実務対応報告第41号」という)が適用される。一方で、現物出資構成による取引については、会計処理に関する定めはなく、法的な性質が異なる点があることから、無償交付とは異なる会計処理になるものと考えられている(実務対応報告第41号第26項)。その結果、現状では職務執行の対価としては類似の性質を持つ両者の会計処理に相違がみられるが、本試案における無償交付の対象範囲拡大および現物出資構成に関する規制の見直しにより、現物出資構成による取引の会計処理が整理され、両者の会計処理が整合することになるかどうか、今後の議論の行方を見守りたい。

おわりに

試案は、これまでの部会での審議結果を取りまとめたものであって、確定的な案を示すものではないとされており、今後、試案に対して寄せられた意見を踏まえ、引き続き審議を行い、2026年度中に要綱案が取りまとめられる予定である。試案の補足説明においても、以下については引き続き検討する必要があると記載されているため、今後の審議の動きに注視していく必要がある。

【事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化】

  • 事業報告等の開示事項の見直し(開示事項の相違点についての対応)
  • 一本化した書類の様式(個人株主への開示の分かりやすさの観点等)
  • 一本化した場合の有価証券報告書における事業報告等の記載事項の区別
    【株式の無償交付の対象範囲の見直し】
  • 株式の無償交付をすることができる株式会社の範囲(非上場会社)
  • 開示の在り方

1  法務省のウェブサイト「法務省:「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」(令和8年3月18日)の取りまとめ」(https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00333.html)を参照されたい。
2  一体開示は現行法制下でも可能であり(経済産業省「事業報告等と有価証券報告書の一体開示・一体的開示FAQ(制度編)」Q1.3参照)、2026年3月期の法定開示において実際に行う会社もでてきている。例えば、株式会社アドバンテストは、「有価証券報告書兼事業報告書(金融商品取引法に基づく有価証券報告書並びに会社法に基づく事業報告、連結計算書類及び計算書類)」)を2026年6月26日に提出している。同社では総会前開示と一体開示を視野に入れ、7月下旬から8月上旬での定時株主総会の招集を可能にするため、定時株主総会の議決権の基準日を3月31日から5月15日に変更する定款変更を2025年3月期の定時株主総会で決議しており、2026年3月期の株主総会日は2026年7月31日である。また、株式会社ソラコムも、「有価証券報告書兼事業報告書」を2026年6月30日に提出している。同社は、「有価証券報告書兼事業報告書」をEDINETにより提出しているため、いわゆるEDINET特例(脚注3参照)により、招集通知のウェブサイトへの掲載を省略している。同社も、定時株主総会の議決権の基準日を3月31日から4月30日に変更する定款変更を2025年3月期の定時株主総会で決議しており、2026年3月期の株主総会日は2026年7月29日である。

3  金商法第24条第1項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに会社法第325条の3第1項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を金商法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、電子提供措置をとることを要しないものとされている(会社法第325条の3第3項)。

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