メインコンテンツに移動する

補助金等の会計処理及び開示に関する研究報告(会計制度委員会研究報告第18号)の解説

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 佐瀬 剛

本研究報告の構成は図表1のとおりである。以下では、本研究報告の構成に従って各章ごとに解説をし、本研究報告の留意点を整理する。

1. 経緯

日本公認会計士協会(以下「JICPA」という。)は2025年6月26日に「会計制度委員会研究報告第18号『補助金等の会計処理及び開示に関する研究報告』」(以下「本研究報告」という。)を公表した。
本研究報告の構成は図表1のとおりである。以下では、本研究報告の構成に従って各章ごとに解説をし、本研究報告の留意点を整理する。
本稿ではこのうち、Ⅰ、Ⅱを取り上げ、Ⅲ以降は第2回で解説する。

2. 「Ⅰ.はじめに」

(1)検討の経緯

「Ⅰ.はじめに」の「1.検討の経緯」では、以下のとおり、検討の経緯が述べられている。

  • 昨今の激しい経済環境の変化に合わせて、様々な補助金及び助成金(以下「補助金等」という。)が国又は地方公共団体(これらに準ずるものを含む。以下「国等」という。)から交付される事例が数多く見られている。
  • しかし、我が国には、現時点においては補助金等に関する会計基準は存在しておらず、補助金等に係る会計処理及び開示について、様々な実務が行われていることが想定される。

まず、補助金等に係る会計処理及び開示について、様々な実務が行われていることが想定されるとされている点がポイントである。実務のばらつきがあることを前提として、実務上の課題等を整理した上で「Ⅴ.全体のまとめ」における「1.本研究報告に基づく提言」に繋げている点に留意が必要である。そのため、本研究報告には事例等の記載があり、検討の参考には資すると考えられるが、前提としている事実と状況により適切と考えられる会計処理は異なり得るため、本研究報告で記載されている事例が必ずしもすべての事案において当てはまるわけではなく、また、事例における会計処理案が選択可能ということではない点には留意が必要である。

「Ⅰ.はじめに」では、我が国には現時点においては関連する会計基準は存在しておらず、補助金等に係る会計処理及び開示について、様々な実務が行われていることが想定されるとした上で、関連する会計基準等の内容が以下のとおり記載されている。

  • 企業会計原則注解
    かつては、1974年修正前の企業会計原則注解(注7)において、資本的支出に充てられた国庫補助金等は資本剰余金として処理することが例示列挙されていたが、1974年の企業会計原則の修正により同注解(注2)の整備に合わせてこの定めは削除されている。補助金等は資本取引ではなく損益取引として処理する考え方を前提に実務がなされていると考えられる。
  • 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」という。)
    収益認識会計基準の検討に際しても、補助金等が収益認識会計基準の適用範囲外か否かが論点となったが、収益認識会計基準の適用範囲は顧客との契約から生じる収益であり、補助金等は顧客との契約に該当しないことが明らかであると考えられるとの理由から、収益認識会計基準において補助金等の取扱いは明示されていない。
  • 圧縮記帳
    補助金等に関する会計基準ではないが、これらに関連するものとして、補助金等によって取得した固定資産の会計処理については、企業会計原則注解(注24)及び監査第一委員会報告第43号「圧縮記帳に関する監査上の取扱い」において税法に規定する圧縮記帳(以下「圧縮記帳」という。)に関する会計処理及び表示に関する取扱いが示されている。
  • 鉄道業における圧縮記帳
    鉄道業に関するものであるが、業種別監査委員会報告第29号「鉄道業における工事負担金等の圧縮記帳処理に係る監査上の取扱い」(以下「業種別監査委員会報告第29号」という。)が公表されており、資産取得に対して政府、地方公共団体等から交付される工事負担金等の会計処理は鉄道業における業種特有の重要な会計方針として取り扱うことが妥当との考え方が示されている。ただし、業種別監査委員会報告第29号においては「これらの取扱いは、鉄道業における工事負担金等の会計処理に関するものであり、鉄道業以外の業種について検討を行ったものではない。」とされており、鉄道業以外の業種での取扱いは明らかではない。

このような現状を踏まえ、JICPAは補助金等に関する会計処理及び開示(圧縮記帳に関する会計処理及び表示を含む。)について、国際的な会計基準における取扱いを参考にしつつ、実務上の課題等を整理し、主に収益認識の時期、総額表示・純額表示及び表示区分等について検討を行ったとされている。

また、国際的な会計基準の検討状況も記載されている。

  • 国際会計基準審議会(IASB)
    IASBは2021年3月に情報要請「第3次アジェンダ協議」を公表し、2021年9月までコメント募集を行ったが、その中には潜在的なプロジェクトの一つとして国際会計基準書第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」(以下「IAS第20号」という。)に関する項目が含まれていた。しかしながら、多数のコメント提出者がこのプロジェクトを優先度低と評価したことから、当該情報要請に対する回答を踏まえて、2022年3月にIASBは将来議論されるアジェンダの候補リストにIAS第20号に関する項目を含めないことを暫定決定している。
  • 米国財務会計基準審議会(FASB)
    FASBは2022年6月にコメント募集「企業による政府補助金の会計処理」を公表し、政府補助金の会計処理に関して、どのように認識、測定及び表示すべきか具体的なガイダンスがない中で、IAS第20号の取扱いを米国会計基準に取り込むべきかどうかについて、2022年9月までコメント募集を行った。検討の結果、2023年11月にFASBは「政府補助金の会計処理」のプロジェクトをテクニカルアジェンダに追加することを暫定決定し、IAS第20号における会計上の枠組みを活用しつつ検討を進めており、2024年11月に会計基準更新書案(公開草案)「政府補助金(Topic832):営利企業による政府補助金の会計」を公表している。

(2)本研究報告の位置付け

本研究報告は、補助金等に関する会計処理及び開示(圧縮記帳に関する会計処理及び表示を含む。)について、これまでのJICPAにおける調査・研究の結果及びこれを踏まえた現時点における考えを取りまとめたものであるとされている。

なお、研究報告は委員会における研究成果であり、JICPAの会員・準会員に対して規範性はない。

(3)本研究報告の構成

① 補助金等の範囲
補助金等には、様々な形態があるが、本研究報告では、国等から交付される補助金等のうち反対給付のない収益(非交換取引収益)に該当する補助金等を検討の対象とするとされている。

また、補助金等の交付に付帯条件(補助金等の交付について付された条件をいう。以下同じ。)が付されており、当該付帯条件が満たされなければ補助金等が支給されない、又は返還が求められるものもあるが、それらの付帯条件にも着目して検討を行っているとされている。

一方、補助金等という名称であっても、その実態は反対給付のある収益(交換取引収益)、すなわち、双務契約と同様のものもあるため、以下のように記載されている。

  • 実態が双務契約となる補助金等については、その名称にかかわらず他の双務契約と同様の収益認識を行うことになると考えられる。
  • 例えば、補助金等という名称であっても、実態として国等が対価と交換に企業の通常の営業活動により生じたアウトプットである財又はサービスを得るために当該企業と契約した当事者である「顧客」に該当し、当事者間の取決めが法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる「契約」に該当すると判断される場合には、通常の「顧客との契約から生ずる収益」と同様に収益認識会計基準に従い会計処理を行うことが考えられる。

また、補助金等の標準的な業務フローが紹介されている(図表2参照)。申請された補助金等が交付決定された後に事業が実施され、事業完了後に実施した事業の内容が実績報告され、確定検査で確認されると補助金等の金額が確定する(原則、後払い)という流れになると考えられるとされている。

② 補助金等の分類
IAS第20号を参考に2つに分類し、資産に関する補助金等に密接に関連する論点として圧縮記帳に関する会計処理及び表示についても検討を行っており、図表3のとおり、3つに分類して検討している。

3. 「Ⅱ.収益に関する補助金等」

(1)会計処理等の考え方

① 会計処理(認識時点)
まず、補助金等の収益の認識時点を検討するに当たって参考になる考え方が図表4のとおり挙げられている。その上で、以下のとおり小括されている。

  • 我が国においては補助金等の認識に関する会計基準は存在しないため、図表4の考え方を参考に、補助金等の交付額確定通知の受領時や付帯条件を満たした時点等、具体的にどの時点で企業が計上すべきかについて、事実と状況に応じて判断することになると考えられる。
  • 補助金等の交付に付帯条件が付された場合には当該条件を満たしているか、満たす可能性が確実かどうかの検討が必要となると考えられる。

(図表2)補助事業の標準的な業務フローにあるとおり、具体的には「確定検査」を経て「額の確定」となることを十分に勘案して検討することが必要であると考えられる。

② 表示
原則として、事業対象に係る費用と補助金等を純額処理することはなく、補助金等は営業外収益に計上することになると考えられるとされている。その理由として以下が挙げられている。

  • 企業は、通常は、補助金等を支給する国等の代理として事業対象を行うのではなく、主体的に行うものであることから、事業対象に係る費用と補助金等に係る収益を相殺する純額処理をしないと考えられる。
  • 総額主義の原則(企業会計原則 第二 損益計算書原則 一 B)の観点からも、原則として総額処理することになると考えられる。
  • 通常、補助金等は顧客との契約から生じる収益ではなく、本研究報告においては反対給付のない収益(非交換取引収益)に該当する補助金等を検討の対象としていることから、原則として営業外収益に計上することになると考えられる。

なお、純額処理する場合、利害関係人が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められるときには、相殺表示している旨、相殺された金額を追加情報として開示することが考えられるとされている。

実務を踏まえて純額処理にも触れていると考えられるが、原則は総額表示とされており、純額表示に触れているものの、その理由は記載されていない。前述2.「Ⅰ.はじめに」(1)検討の経緯で記載したとおり、我が国には現時点においては補助金等に関する会計基準は存在しておらず、補助金等に係る会計処理及び開示について、様々な実務が行われていることが想定されるため、実務に配慮して純額処理にも触れたと考えるのが妥当であると考えられる。

(2)実務上の課題

実務上の課題として、図表5の課題が挙げられている。
課題の(1)には事例が2つあるものの、我が国では補助金収入の認識に関する会計基準が存在しない中で参考に考えられる会計処理を示したものであり、実務での具体的な適用に際しては、適切な事実認定の下で判断することが求められる。したがって、前提や事実認定が異なる場合には、同様の会計処理になるとは限らないことに留意する必要があるとされている。

以下では、図表5(1)の課題について補足する。
事例1(研究開発助成金(単年度交付))では、

  • 国等へ開発費助成金を申請し、その後、国等から交付決定通知書を受け取る。
  • 当該開発費助成金は、助成金の交付の対象となった研究開発を行う者である企業(助成事業者)に対し、当該研究開発に必要な費用の一部を助成するものとする。

という助成金が取り扱われている(詳細は本研究報告参照)。

●助成金に係る収益の認識時期
会計処理案として以下の3つの例示を挙げた上で、助成金の交付の目的と助成事業者に課された義務等を考慮して、事実と状況に応じて判断することになると考えられるとされている。

  • 会計処理案(1):助成金の額の確定時に一時の収益として認識する。
  • 会計処理案(2):助成金の額の確定時以降、企業化状況の報告期間満了までの期間にわたって収益として認識する(収益納付する額を除く。)。
  • 会計処理案(3):企業化状況の報告期間満了時に収益として認識する(収益納付する額を除く。)。

例示として挙げられた3つの会計処理案は想定される実務上の処理を挙げたものである。前提としている事実と状況により適切と考えられる会計処理は異なり得るため、これらの会計処理案が選択可能ということではなく、企業の財政状態、経営成績を適切に表すと考えられる会計処理を行うべきであることに留意する必要がある。

また、コメント対応表※16において、助成金に係る収益の認識時期について中間検査との関係に関するコメントへの対応がある。中間検査は、補助金の事業対象の終了後における額の確定行為の負荷の分散及び誤認識、誤処理等の速やかな是正等を目的として、年度ごとに検査を受けるものである((図表2)補助事業の標準的な業務フロー参照)。当該コメント対応では「事例1(研究開発助成金)では、ご指摘のような中間検査を前提とした補助金等の事例ではございませんが、中間検査を前提とした補助金等について具体的にどの時点で企業が補助金等を計上すべきかについて、個々の補助金等の内容や中間検査の位置付けを踏まえて、事実と状況に応じて判断することになると考えられます。なお、事例1は中間検査を前提としない単年度交付の研究開発助成金であることを明示しました。」として中間検査の考え方を取り扱っていない。実務上は、助成事業の内容・進捗状況、中間検査の意義等、慎重に検討するべきものと考えられる。

なお、報告義務や収益納付に関する付帯条件を満たすことができなくなった場合、補助金等を全部又は一部返還する義務が生じるため、将来、収益に計上される可能性よりも外部に返済される可能性を重視して、補助金収入の全部又は一部の金額について仮受金等として負債に計上する方法は考えられるとされている。したがって、収益計上しない補助金の入金は預り金等で処理されると考えられる。

●助成金に係る収益の表示
前述3.「Ⅱ.収益に関する補助金等」(1)会計処理等の考え方 ② 表示で取り上げられている収益の表示に関する論点がここでも取り上げられている。

以下より、原則として、研究開発費と助成金を純額処理することはなく、助成金は営業外収益に計上することになると考えられるとされている。

  • 企業は国等の代理として研究開発を行うのではなく、主体的に行うものであることから、研究開発費と助成金を純額処理することはしないと考えられる。
  • 総額主義の原則により、助成対象の研究開発費と助成金に係る収益を相殺することは適切ではない。
  • 助成対象の研究開発費と助成金に係る収益は、通常、異なる事業年度に発生すると考えられる(助成金に係る収益は研究開発費用の発生よりも後の事業年度となる。)。また、同一事業年度内の研究開発費と助成金に係る収益に対応関係はないため、両者を相殺するのは合理的ではない。

また、純額処理する場合には、追加情報の注記の趣旨に鑑み(監査・保証実務委員会実務指針第77号「追加情報の注記について」第3項から第6項参照)、利害関係人が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められるときには、相殺表示している旨、相殺された金額を追加情報として開示することが考えられるとされているが、その理由は記載されていない。

なお、コメント対応表7において、どのような場合に純額処理が認められるかの条件の記載を求めるコメントへの対応がある。当該コメント対応では「我が国の会計基準においては、損益計算書における補助金等の純額処理の条件についての参考となる定めはないことから、本研究報告においても事例1(研究開発助成金)及び事例2(雇用調整助成金)における純額処理の具体的な条件について記載しておりません」とされている。

収益に関する補助金等の会計処理及び損益計算書上の表示に関する課題として、収益に関する補助金等の会計処理及び損益計算書上の表示は企業により異なる可能性があり、その場合、これらに関する企業の判断による比較可能性の低下をもたらすことになるとされている。したがって、これらに関する考え方を開示により明確にすることが期待されるとされている。

※1. 会計制度委員会研究報告「補助金等の会計処理及び開示に関する研究報告」(公開草案)は2025年2月19日に公表され、広く意見を求めていた。コメント対応表は、公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応を公表しているものである

1.ᅠ 経緯

日本公認会計士協会(以下「JICPA」という。)は2025年6月26日に「会計制度委員会研究報告第18号『補助金等の会計処理及び開示に関する研究報告』」(以下「本研究報告」という。)を公表した。

本研究報告の構成は図表1のとおりである。以下では、本研究報告の構成に従って各章ごとに解説をし、本研究報告の留意点を整理する。

本稿では第1回の記事に続いて、Ⅲ~Ⅴを取り上げて解説する。

2.ᅠ 「Ⅲ.資産に関する補助金等(圧縮記帳に関する会計処理を除く。)」

本章では、資産に関する補助金及び助成金(以下「補助金等」という。)について、圧縮記帳に関する会計処理を除き、会計処理等を考察している。

(1)会計処理等の考え方

企業が固定資産を購入又は建設すること等を条件として、国又は地方公共団体(これらに準ずるものを含む。以下「国等」という。)から受領する補助金等の会計処理としては、大別すると(1)資本説と(2)利益説に分けることができると考えられる(図表2参照)とされている。

その上で、現状の制度会計上、利益説に基づき会計処理することになると考えられるとされている。しかしながら、我が国においては補助金等の認識に関する会計基準は存在しないため、後述の企業会計原則における実現主義(対価の成立の時点)、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(以下「法人税等会計基準」という。)第7項(還付が確実に見込まれ金額が合理的に見積り可能な時点)及び非営利組織モデル会計基準第194項(付帯条件を満たした時点)を参考に、補助金等の交付額確定通知の受領時や付帯条件を満たした時点等、具体的にどの時点で企業が補助金を利益として計上すべきかについて、事実と状況に応じて判断することになると考えられるとされている。

なお、補助金等の交付に付帯条件が付された場合には当該条件を満たしているか、満たす可能性が確実かどうかの検討が必要となると考えられるとされている。

以上の考え方は前回の記事の「3.「Ⅱ.収益に関する補助金等」(1)会計処理等の考え方 ①会計処理(認識時点)」と同様であると考えられる。

資本説

我が国の現行の会計基準では、資本説は採用されておらず、後述する利益説に従っていると考えられる。なお、国際会計基準書第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」(以下「IAS第20号」という。)でも、キャピタル・アプローチは採用されていないとされている。

利益説

利益説によれば、資本取引は株主との取引に限定すべきと考えているため、補助金等は資本剰余金ではなく、損益計算書に計上すべきとされている。

利益説は、さらに、期間配分を前提とせず一時点で利益を計上する方法と一定期間にわたり利益を計上する方法に大別されるとされている(図表3参照)。

ただし、会計処理方法として選択適用するものではなく、具体的にどの時点で企業が計上すべきかは事実と状況に応じて判断することになると考えられる。

前述のとおり、本研究報告においても、我が国においては補助金等の認識に関する会計基準は存在しないため、上記の企業会計原則における実現主義(対価の成立の時点)、法人税等会計基準第7項(還付が確実に見込まれ金額が合理的に見積り可能な時点)及び非営利組織モデル会計基準第194項(付帯条件を満たした時点)を参考に、補助金等の交付額確定通知の受領時や付帯条件を満たした時点等、具体的にどの時点で企業が計上すべきかについて、事実と状況に応じて判断することになると考えられるとされている。なお、補助金等の交付に付帯条件が付された場合には当該条件を満たしているか、満たす可能性が確実かどうかの検討が必要となると考えられるとされている。

(2)表示

我が国の会計基準においては、資産に関する補助金等の表示区分については、臨時性があると判断される場合には特別利益に計上し、金額が僅少な場合又は経常的に発生する場合には営業外収益として計上することが考えられる(企業会計原則注解(注12))とされている。

(3)注記

我が国の会計基準においては、企業会計原則注解(注24)以外に資産に関する補助金等について、具体的な注記に係る定めはない。資産に関する補助金等の認識規準については、我が国の会計基準には具体的な定めがなく、実務に多様性が存在する可能性があるため、「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」として、重要性がある場合には重要な会計方針として具体的な収益の認識時点を開示することが考えられるとされている。また、付帯条件の内容、補助金等の返還条件等についても、追加情報の注記として開示することが望ましいと考えられるとされている。

(4)実務上の課題

具体的事例(図表4参照)を取り上げ、資産に関する補助金収入の認識時点について検討を行っている。我が国では、課税の繰延べ効果を享受するため、税務上、圧縮記帳を採用することが多いと考えられるものの、例えば、繰越欠損金の失効が見込まれる場合等において、資産に関する補助金等について圧縮記帳を採用しない場合があるとされている。

なお、これらは我が国では補助金収入の認識に関する会計基準が存在しない中で考えられる会計処理を示したものであり、実務での具体的な適用に際しては、適切な事実認定の下で判断することが求められるとされている。したがって、前提や事実認定が異なる場合には、同様の会計処理になるとは限らないことに留意する必要があるとされている。

具体的事例①~④

前提条件は異なるものの、国等の確定検査の完了を経て、補助金等の交付額の確定通知を受領しているか否かに着目して会計処理を整理している点は共通している。

具体的にどの時点で企業が計上すべきかについて、事実と状況に応じて判断することになると考えられるとされているが、この点は参考にすべきであろう。

具体的事例⑤

具体的事例⑤を個別に取り上げる(図表5参照)。会計処理の考え方として会計処理案が3つ挙げられているが、事実と状況に応じて会計処理を慎重に判断する必要があると考えられる。

課題

資産に関する補助金等は、我が国には補助金収入の認識に関する会計基準が存在しない中で、特に一定期間にわたる付帯条件の遵守が要求されるため、以下のような課題が挙げられている。

  • 圧縮記帳に関する会計処理を採用しない場合、一時点で利益を計上すべきかまたは一定期間にわたり利益を計上すべきか、会計処理が必ずしも明らかではなく、実務に多様性が生じる可能性があると考えられる。 
  • 近年の補助金等においては複数かつ長期間の付帯条件が付される例が増加しているため、重要な会計方針として具体的な収益の認識時点を開示することの有用性がより高まることも考えられる。
  •  補助金等の付帯条件の達成状況によっては過去に受け入れた補助金等を事後的に返還しなければならない可能性もあるため、付帯条件に違反した場合の帰結と違反が発生する可能性を考慮して、重要性がある場合には補助金等の付帯条件等を会計方針の記載に併せて追加情報の注記として開示することが望ましいと考えられる。

3. 「Ⅳ.資産に関する補助金等(圧縮記帳)」

本章では資産に関する補助金等(圧縮記帳に関する会計処理)の会計処理及び表示を対象としている。

(1)会計処理等の考え方

① 我が国の国庫補助金に関する税務上の圧縮記帳制度の歴史
本研究報告では、圧縮記帳の歴史が図表6のように整理されている。特に税法との調整が長期にわたってあったが、企業会計が税法に歩み寄ることで決着している。

② 国際的な会計基準における取扱い
IAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」第24項での処理方法等が以下のとおり整理されている。

  • 資産に関する補助金については、
    (a)  繰延収益として補助金を計上する方法
    (b)  補助金を関連する資産から控除して資産の帳簿価額を純額で算定する方法
      のいずれかによって財政状態計算書において表示しなければならないとしている。いずれの方法で表示するかは、会計方針の選択であり、継続適用が求められている。
  • (a)の方法は、補助金を繰延収益に認識し、それを資産の耐用年数にわたり、規則的に純損益に認識する(IAS第20号第26項)。
  • (b)の方法は、資産の取得価額から補助金を控除して償却資産の耐用年数にわたって、減価償却費の減額として純損益に認識される(IAS第20号第27項)。(b)の方法は、結果として日本基準における直接減額方式による会計処理と同等の効果を有することとなる。なお、政府補助金を資産の取得原価から減額する方法については、国際会計基準書第7号「キャッシュ・フロー計算書」(以下「IAS第7号」という。)や国際会計基準書第16号「有形固定資産」の2020年5月修正との不整合が指摘されている。
  • 政府補助金の開示については、政府補助金に関して採用された会計方針及び財務諸表における表示方法、財務諸表に計上された政府補助金の内容と範囲並びに他の形態の政府援助で企業が直接便益を受けたものの説明、認識した政府援助に付随する未履行の条件及びその他の偶発事象が要求されている。

③ 圧縮記帳に関する会計処理及び開示
我が国の圧縮記帳に関する会計処理については、監査第一委員会報告第43号まえがきにおいて、「従来の監査委員会報告第23号では、法人税法及び租税特別措置法(以下「税法」という。)に規定する固定資産の圧縮記帳の会計処理について、利益処分方式が認められているものについては、優先してこの方式を採用することが望ましいとしながらも、商法第285条の取得原価主義の規定に照らして問題があるとされてきた直接減額方式によることも、監査上妥当な会計処理とみなして取り扱ってきた。」と記載されているとおり、直接減額方式と直接減額を採用しない方式の二つのパターンが存在するとされている。

 JICPA審理室コーナー「圧縮記帳の処理について」(昭和59年12月)においても、「43号には国庫補助金、保険差益等に相当する金額をその取得価額から控除した場合も企業会計原則注解24で認められているので監査上妥当なものとして取り扱う旨を注意的に記載してある。これは、43号とは別の根拠に基づくものであるので、次期以後も控除累計額の注記が必要となる。43号とは少し異なった扱いになっている。」との記述がある。 

よって、企業会計原則注解24(2)の会計処理によっている場合は、圧縮を行った期の翌期以降も控除累計額の注記が必要となる。

(2)実務上の課題

① 圧縮記帳に関する会計処理による比較可能性の低下
税務上、圧縮記帳を実施するには、補助金等の返還不要が確定することが要求されるが、補助金等の返還不要確定の時期が圧縮記帳対象資産の取得時期と必ずしも同一の事業年度において実施されるとは限らないため、圧縮記帳対象資産を先行取得するケースと圧縮記帳対象資産の取得が補助金等を受領した事業年度よりも後になるケース(後行取得)の会計処理を整理している(図表8参照)。

会計上は監査第一委員会報告第43号に記載されているとおり、「利益処分方式1が認められているものについては、優先してこの方式を採用することが望ましいとしながらも、商法第285条2の取得原価主義の規定に照らして問題があるとされてきた直接減額方式によることも、監査上妥当な会計処理とみなして取り扱ってきた。」とされ、また、「税法も、従来、圧縮記帳に関し利益処分方式を認めていなかった減価償却資産について、非減価償却資産と同様に利益処分方式を認めることに改正された。」とされており、直接減額を採用しない方式の適用を優先することが望ましいとの位置付けであるとされている。会計上は取得原価主義が原則であり、監査第一委員会報告第43号は税務上の圧縮記帳を会計上も認める場合があると政策的に定めたものであり、その範囲は限定的であると解釈するべきと考えられる。

課題として、実務上は二つの方式のいずれも適用されており、各企業の圧縮記帳に関する会計処理としていずれの方式を適用するかの判断の違いにより、財務数値に及ぼす影響が異なり、企業間の比較可能性が低下するという課題が生じるとされている。なお、国際的な会計基準においても、資産に関する補助金で許容されている会計方針の選択による比較可能性の低下が課題の一つとして認識されている(IASB情報要請「第3次アジェンダ協議」(2021年3月))とされている。

② 会計方針に関する事項
(ア)  圧縮記帳に関する会計処理と会計方針に関する論点
圧縮記帳に関する会計処理(直接減額方式と直接減額を採用しない方式)がそもそも会計方針、すなわち「財務諸表の作成にあたって採用した会計処理の原則及び手続」(企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第24号」という。)第4項(1))に該当するのかどうかについて論点があるとされている。

実務上は業種別監査委員会報告第29号で取扱いが示されている鉄道業以外の業種に関しては、重要な会計方針としての注記事例が少ない。それは、圧縮記帳に関する会計処理が会計方針として捉えられていないからか、それとも会計方針ではあると考えているものの、重要性がないために注記されていないのかは定かではないとされている。

この点、仮に圧縮記帳に関する会計処理を会計方針として整理した場合には、重要な会計方針として注記を求めるのか、また、その選択適用の際、補助金等と種類の異なる税務上の圧縮記帳について異なる会計方針を適用することを認めるのか、さらには、補助金等の種類の違いによって異なる会計方針を適用することを認めるのか、実務上の課題が存在するとされている。

(イ)  圧縮記帳に関する会計処理は会計方針に該当するのか。圧縮記帳に関する会計処理について、会計方針の定義に当てはめると、財務諸表の作成に当たって採用する圧縮記帳に関する会計処理は、直接減額方式または直接減額を採用しない方式のいずれかであり、これらは会計処理の原則及び手続であると考えられることから、圧縮記帳に関する会計処理は会計方針に該当するという考えがあるとされている。

圧縮記帳に関する会計処理については、会計方針に該当しないとする余地もあることから、圧縮記帳に関する会計処理が、会計方針に該当するのかどうかについて実務上の課題が存在しているとされている。

(ウ)  圧縮記帳に関する会計処理の重要な会計方針としての注記
仮に圧縮記帳に関する会計処理が会計方針であると整理するならば、企業会計原則における継続性の原則(企業会計原則ᅠ第一ᅠ五)からその会計方針は毎期継続して適用することが求められるとされている。

また、会計方針のうち重要なものについては、重要な会計方針として注記することになるが(企業会計基準第24号第4-4項)、重要性の乏しいものについては注記を省略することができることが会計基準上定められている(企業会計基準第24号第4-5項)とされている。

したがって、圧縮記帳に関する会計処理が会計方針であるとした場合、鉄道業のように重要性がある場合には重要な会計方針として注記することが考えられるとされている。

(エ)  圧縮記帳に関する会計処理の整合性が求められる範囲
我が国の圧縮記帳は、本研究報告で取り上げられている補助金等以外にも、複数の会計事象等に対して認められており、工事負担金、保険差益、特定資産の買換え、交換、収用がその例であるとされている。

ここで、会計上、当年度に補助金等及び補助金等以外の圧縮記帳に関する会計処理を実施する場合または過年度に圧縮記帳に関する会計処理を実施していた場合に、直接減額方式と直接減額を採用しない方式の併用は可能かという論点がある。例えば、補助金等に関しては直接減額方式を適用し、交換に係る圧縮記帳に関する会計処理については直接減額を採用しない方式を適用するケースである。

なお、圧縮記帳に関する会計処理が会計方針である場合、実務上連結財務諸表においては、同じ補助金等の制度であっても親子会社間で異なる会計処理を適用している場合も考えられるが、その場合には企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」第17項及び監査・保証実務委員会実務指針第56号「親子会社間の会計処理の統一に関する監査上の取扱い」を適用し、親子会社間の会計処理方法を統一するか否かを検討することになると考えられるとされている。

③ 表示に関する事項
(ア)  損益計算書表示に関する論点
圧縮記帳に関する会計処理について、直接減額方式を採用する場合には、補助金収入と圧縮損の損益計算書上の表示について、総額表示とするか、純額表示とするかについて論点があるとされている。

交換取引に準ずるものとして取り扱う以上、収用や特定資産の買換えの圧縮損と譲渡益は損益計算書上相殺表示が望ましいとされているものの、税務上は損金経理により帳簿価額を減額する処理が認められるため、税務上の取扱いとの調整がなされるまでは、圧縮損と譲渡益を両建表示しても監査上妥当なものとして取り扱うとされている。また、鉄道業では、業種別監査委員会報告第29号において、原則は総額表示であることを示した上で、純額表示についても注記を付すことでその処理を認めている。

したがって、現行実務においては、補助金等についても同様に、損益の総額表示及び純額表示の両方が認められているものと考えられるとされている。

(イ)  キャッシュ・フロー計算書の表示に関する論点
キャッシュ・フロー計算書表示については、主に補助金収入の総額表示と純額表示、資産に関する補助金収入の表示区分(営業活動によるキャッシュ・フロー又は投資活動によるキャッシュ・フロー)の論点が考えられるとされている。

  • 補助金収入のキャッシュ・フロー計算書上の総額表示と純額表示
    補助金収入の総額表示と純額表示について、国際的な会計基準においては、IAS第7号で、IAS第7号第22項から第24項の純額表示を例外とした上で、投資活動及び財務活動から生じた収入及び支出について総額表示を要求しており(IAS第7号第21項)、その結果、補助金等を関連する資産から控除して資産の帳簿価額を純額で算定する方法を採用していたとしても資産の購入及び関連する補助金の受取は総額で表示することとなる。

    日本基準においても移管指針第6号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」(以下「連結キャッシュ・フロー実務指針」という。)において、「「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」に表示される主要な取引ごとのキャッシュ・フローは、原則として総額表示しなければならない。」(連結キャッシュ・フロー実務指針第13項)とされており、短期間かつ回転が速い項目を除き総額表示が求められている。

    このため、固定資産の取得原価から国庫補助金等に相当する金額を直接減額方式により会計処理を実施したとしても、補助金等の受取額と資産の購入は総額表示されるものと考えられる。補助金等の受取額と固定資産圧縮損について、損益計算書表示を総額で表示している場合には、キャッシュ・フロー計算書上も総額表示をすると考えられるが、損益計算書を純額表示している場合には、キャッシュ・フロー計算書上も損益計算書との整合性を重視して純額表示することも考えられ、キャッシュ・フロー計算書上の表示に関し、今後整理が必要になると考えられるとされている。

    なお、国際的な会計基準においても、政府補助金を資産の取得原価から減額することは他のIFRS会計基準と不整合であるとの指摘があり、本論点のようにキャッシュ・フローの総額表示との不整合について課題があると認識されている(IASB情報要請「第3次アジェンダ協議」B40項(e)(2021年3月))。
  • キャッシュ・フロー計算書上の補助金収入の表示区分(営業活動によるキャッシュ・フロー又は投資活動によるキャッシュ・フロー)
    資産に関する補助金収入の表示区分については、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローのいずれで表示するかについて論点があるとされている。

    この点、「連結キャッシュ・フロー計算書作成基準」においては、営業活動によるキャッシュ・フローについて、「営業損益計算の対象となった取引のほか、投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ・フローを記載する。」こととされ、「投資活動によるキャッシュ・フロー」について、「固定資産の取得及び売却、現金同等物に含まれない短期投資の取得及び売却等によるキャッシュ・フローを記載する。」(「連結キャッシュ・フロー計算書作成基準」二表示区分1①②)こととされている。

    このため、補助金収入は投資活動によるキャッシュ・フローの定義に該当するか否かにより、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローのいずれかに表示されることとなるとされている。当該判断の指針については、連結キャッシュ・フロー実務指針において、「原則としてそのキャッシュ・フローに係る取引がいずれの性格をより強く有するか、つまり、当該キャッシュ・フローがどの活動とより強く関連しているかにより判定する。なお、キャッシュ・フローに係る取引の性格の判定においては、企業の事業目的や決済条件等の取引慣行を考慮するものとする。」(連結キャッシュ・フロー実務指針第6項)とされている。

    当該指針に基づき、各企業は資産に関する補助金等の受領取引について、例えば、受領した補助金等が全て資産の取得のために使用されるなど、投資活動によるキャッシュ・フローの性格を強く有する取引は投資活動によるキャッシュ・フローで表示し、投資活動によるキャッシュ・フローの性格を強く有しない取引については営業活動によるキャッシュ・フローで表示しているものと考えられるとされている。

4.ᅠ 「Ⅴ.全体のまとめ」

現在、我が国においては補助金等に関する会計基準は存在しておらず、会計実務における多様性や企業間の財務情報に係る比較可能性の観点からは、主に以下の四つの点に課題があると考えられるとされている。
(1)  補助金等の認識規準についての会計実務における多様性
(2)  収益に関する補助金等で許容されている会計処理方法の選択(収益又は費用控除)による比較可能性の低下
(3)  圧縮記帳に関する会計処理(直接減額方式と直接減額を採用しない方式)の選択による比較可能性の低下
(4)  補助金等をキャッシュ・フロー計算書でどのように表示するかについての会計実務における多様性
これらの点については現行の会計制度の枠内においても一定の対応を図ることが可能であると考えられるとされている。我が国においては補助金等に関する会計基準は存在していないものの、重要な補助金等の会計処理及び表示に関しては、会計実務上、情報開示の拡充により、企業間の財務情報に係る比較可能性が確保されることが期待されるとされている。

  1.  旧商法第283条第1項では、定時株主総会において利益処分案又は損失処理案の決議が要求されていた。利益処分方式は、当該決議により承認された利益処分案に従って圧縮積立金を計上する実務のことをいう。
  2.  旧商法第285条では、「会社ノ会計帳簿二記載スベキ財産ノ価額二付テハ第三十四条第二号[固定資産の評価]ノ外第二百八十五条ノ二[流動資産の評価]及第二百八十五条ノ四乃至第二百八十五条ノ七[金銭債権等の評価]ノ規定ヲ適用ス」とされ、固定資産の評価については旧商法第34条第2号を参照している。旧商法第34条第2号には、「固定資産に付テハ其ノ取得価額又ハ製作価額ヲ附シ毎年一回一定ノ時期、会社二存リテハ毎決算期二相当ノ償却ヲ為シ予測スルコト能ハザル減損ガ生ジタルトキハ相当ノ減額ヲ為スコトヲ要ス」と規定されており、固定資産については、取得価額又は製作価額を付すとされている。

このページはお役に立ちましたか?

ご協力ありがとうございました。