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排出量取引制度(GX-ETS)

GX-ETS第2フェーズの概要

排出量取引制度小委員会が2025年12月19日に公表した中間整理に基づき、GX-ETS第2フェーズの概要について解説する。

1. はじめに

我が国では、2050年カーボンニュートラルの実現と経済成長の両立(GX1)を実現するための施策として、「成長志向型カーボンプライシング構想」2の具体化を進めている。経済産業省は、当該構想の柱の一つとなるカーボンプライシングの具体的な施策として、「排出量取引制度(GX-ETS)」を、2023年度から制度対象者による自主的な参加に基づく試行(第1フェーズ)3を経て、2026年度から第2フェーズとして制度対象者による参加の義務化を通じて本格稼働させようとしている。2025年5月には、通常国会において、2026年度(2026年4月)以降、一定規模以上の二酸化炭素(CO2)の排出を行う事業者を対象にGX-ETSへの参加を義務化することを定めた改正GX推進法4が成立した。これを受けて、2025年7月以降、経済産業省の排出量取引制度小委員会は、改正GX推進法に基づくGX-ETSの制度設計に関する技術的事項について審議を行い、2025年12月19日に中間整理5を取りまとめて公表した。本稿では、中間整理に基づき、GX-ETS第2フェーズの概要について解説する。

2. GX-ETS第2フェーズの概要

GX-ETS第2フェーズでは、政府が一定の基準の下、対象事業者に排出枠(排出許可証のようなもの)を割り当て、毎年度、排出実績量と同量の排出枠を法令に定める期限までに保有することを義務付けている。対象事業者は、排出枠の過不足に応じて、事業者間で排出枠を取引することができる(図表1参照)。本制度により、排出削減に向けた先行投資等の取組を推進することで、脱炭素と産業競争力強化の同時実現を目指すとされている。

【図表1】排出量取引制度の概要

2.1. 制度対象者

CO2の直接排出量が前年度までの3カ年度平均で10万トン以上の事業者を対象としている。これにより、制度の対象事業者数は300~400社程度となり、カバー率は我が国における温室効果ガス排出量の60%近くとなる見込みである。

第1フェーズでは、参画企業の約4割が子会社等を含めたグループ単位で削減目標の設定や排出量の算定を実施していた実態を踏まえ、第2フェーズでは、対象事業者が密接関係者(義務対象者のみ)と一体的にGX投資を行う場合に、当該密接関係者と共同して義務を履行することも可能である。密接関係者の定義については、会社法上の子会社、関連会社及び同じ親会社を持つ子会社(いわゆる兄弟会社)を認めるとされている。

2.2. 移行計画の策定

排出量取引制度の導入による投資効果を高める観点から、対象事業者は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた排出削減目標や具体的な投資計画等を策定し、毎年度、経済産業大臣及び事業所管大臣に9月末までに提出することが求められる。

移行計画においては、①2026~2030年の排出量の見込み(目標)、②排出実績、③設備投資計画・実績、④研究開発投資の状況及び⑤その他の取組について記載することが求められる。

また、企業から提出された移行計画を国が集計し、2030年度の排出削減目標等の中長期的な排出量の見通しを公表するとされている。

2.3. 排出枠の保有義務

GX-ETS第2フェーズでは、排出枠の保有義務に関連して、対象事業者は以下のような事項への対応が求められる。

2.3.1. 排出枠の割当ての申請

対象事業者は、政府指針に基づいて算出した排出枠の量(排出目標量)を割当申請することが求められる。排出枠の割当量の算定方法は産業分野別(業種別)に提示される方針とされている。

業種特性を考慮する必要性の高いエネルギー多消費分野(多排出分野)等については、ベンチマークを定め、これに基づいて企業ごとの割当量を算定するベンチマーク方式が採用されるとされている。ベンチマーク方式では、業種ごとに、各社の基準となる活動量6(対象製品の生産量等)あたりの排出原単位(対象プロセスの排出量)を比較し、同業種内の上位X%に相当する排出原単位の水準を目指すべきベンチ―マークとして設定したうえで、基準活動量にベンチマークを乗じて割当量を算定するとされている。本制度では、ベンチマークの水準を毎年度段階的に引き下げていくことが想定されている(図表2、3参照)。

【図表2】ベンチマーク指標の式
【図表3】ベンチマークによる割当方法の概要

他方、ベンチマークの設定が困難な業種については、基準となる年度の排出量7に目指すべき削減率を乗じるグランドファザリング方式によって割当量を決定するとされている(図表4参照)。グランドファザリングにおける割当量の削減率については、ベンチマークによる削減水準との公平性にも配慮して定める必要があるとされている。

【図表4】グランドファザリングによる割当方法の概要

加えて、業種別のベンチマークやグランドファザリングによる割当を基礎としつつ、その他の勘案事項として、制度開始以前の過去の削減努力や、リーケージリスク(製造拠点の国外移転のリスク)、足下で削減効果が発現していないGX関連の研究開発のための投資額、事業所の新設・廃止等による活動量の変動等に応じて割当量を調整する仕組みとするとされている(図表5参照)。

【図表5】政府指針に基づく割当の考え方

制度対象事業者ごとの割当量は、当該事業者が保有する事業所ごとの各ベンチマーク対象プロセス・グランドファザリング対象の割当量を合算した量に、その他の勘案事項による調整量を加えた量として算出するとされている(図表6参照)。

【図表6】事業者全体の割当量の算定方法

割当量の申請にあたっては、あらかじめ第三者機関(国の登録を受けた登録確認機関)から割当量の確認を受けることが求められる。

2.3.2. 排出量の算定・報告

対象事業者は、毎年度、自らの排出実績量について、算定し、登録確認機関による確認を受けた上で、国に報告することが求められる。

本制度では、エネルギー起源CO2及び非エネルギー起源CO2のうち、制度対象者が直接排出したもの(いわゆるScope18)について、算定・報告が求められている(図表7参照)。算定対象活動については、省エネ法9や温対法SHK制度10と整合的に定めていくとされている。

【図表7】排出実績量の算定

本制度では、SHK制度における算定方法や国際的な算定ルールとの整合性も踏まえ、図表8の1~4の算定方法が認められている。また、万が一算定に必要な証憑類の入手が出来ず、1~4の方法による算定が出来ない場合に保有義務量(排出実績量)を決定するための例外的な措置として、過去の排出実績や同業他社等のデータから、保守的な方法により排出量を推計する方法についても認められている。

【図表8】算定方法の類型

また、本制度では、排出実績量の算定において使用可能なクレジットとして、J-クレジット11とJCMクレジット12が認められている。これらのクレジットの使用については、排出枠の価格形成を促し、制度対象者の削減インセンティブを確保する観点から、各年度の実排出量(クレジット無効化13量を控除する前の排出量)の10%を上限とするとされている。

2.3.3. 登録確認機関による確認

対象事業者は、2.3.1.及び2.3.2.に記載の通り、①排出枠割当の基礎となる排出目標量の届出や、②保有義務量確定の基礎となる排出実績量の報告にあたって、登録確認機関の確認を受けなければならないとされている。

GX-ETS第2フェーズでは、第三者機関(登録確認機関)による「保証」や「検証」ではなく、「確認」という用語が用いられており、「保証」や「検証」に関する基準だけではなく、「合意された手続」に関する基準に基づく手続も含むとされている。GX-ETS第1フェーズでは、「監査法人系」と「ISO系」の機関がいずれも保証/検証を担当していた。第2フェーズでも、これらの機関のうち国の登録を受けた登録確認機関が確認を担当することが想定されており、2026年度以降の本格稼働後の確認ルールは、通常両者が準拠する基準を基礎に設計されている。両者が準拠する基準には、ISO14064-3:201914、ISSA500015、その他これに類する基準が含まれるとされており、その他これに類する基準としては、ISAE3000(Revised)16、ISAE341017、ISRS440018が含まれるとされている。

確認の水準については、2026年度以降の当初3年間は限定的水準の確認のみを求めることとした上で、2029年度以降、大規模事業所を対象に、段階的に合理的水準の確認を求めることとするとされている。なお、大規模事業所の規模は、年間のCO2排出量100万トン以上を目安として今後検討していくとされている。限定的水準又は合理的水準の確認の量的な重要性の基準値(排出量の情報に重大な虚偽表示があると評価する基準の一種)については、確認対象の5%以下とするとされている。

登録確認機関になろうとする者は、事前に経済産業大臣に対して登録申請が必要とされている。登録確認機関の登録要件は、「確認業務を実施する基礎的資格」、「業務従事者の能力」、「経理的基礎」、「品質管理体制の整備」の視点から整備するとされている。

また、経済産業大臣は、登録確認機関が適切に業務を実施していることを確認するため、登録確認機関に対して報告徴収等を実施することができるとされている。また、登録については、5年ごとに更新が求められる(図表9参照)。

【図表9】登録確認機関制度の概要
2.3.4. 排出枠の保有

対象事業者は、確認を受けた毎年度の排出実績量と同量の排出枠を翌年度の1月31日に保有することが義務づけられる。対象事業者は、割り当てられた排出枠と排出実績量の過不足分について、事業者間で取引することができる。

2.3.5. 不履行時の扱い

対象事業者は、排出枠の保有義務を履行しない場合には、保有義務の未履行分(排出枠の不足分)×上限価格の1.1倍の支払いが求められる。

2.4. 価格安定化措置

政府は、排出枠価格の予見可能性を高め、脱炭素投資を促進する観点から、排出枠の上下限価格を設定するとされており、2026年度の上限価格は4,300円、下限価格は1,700円とするとされている。2027年度から2030年までの上下限価格については、脱炭素技術への先行投資インセンティブを高めることも勘案して、前年度の価格に、当該年度の物価の変動指数(物価上昇率)の見通しの数値に1.03を加えたものを乗じた価格を基礎として、毎年度定めていくとされている。

排出枠価格の高騰等により排出枠の保有義務の履行に支障が生じる状況として経済産業大臣が告示した場合には、排出枠が不足する事業者については、上限価格×不足分の支払いによって、義務を履行したものとみなすとされている。また、一定期間以上、市場価格が下限を下回って低迷する場合には、GX推進機構を通じてリバースオークションを行い、排出枠の流通量を調整するとともに、排出枠の割当基準の強化を検討していくとされている。

2.5. 排出枠取引市場

排出枠取引市場の公正かつ安定的な運営を担保するため、GX推進法においてGX推進機構が市場を設置・運営することとされている。市場には、制度対象者に加えて、カーボンクレジットについて一定の取引経験を有する取引業者や制度対象者からの依頼に基づいて取引を行う取引業者の市場参加が認められる。排出枠取引市場は、2027年度秋頃に開設が予定されている。

3. 有価証券報告書におけるSSBJ基準19に基づく開示・保証との比較

金融庁のサステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループは、我が国資本市場の一層の機能発揮に向けて、投資家に中長期的な企業価値の評価及び企業との建設的な対話に必要となる情報が提供されるように、有価証券報告書におけるSSBJ基準に基づくCO2などの温室効果ガス排出量を含めたサステナビリティ情報の開示と保証の義務化について審議を行い、2026年1月8日に報告20を取りまとめて公表した。GX-ETS第2フェーズにおける報告・確認は、有価証券報告書におけるSSBJ基準に基づく開示・保証とCO2排出量を対象とする点で類似するが、SSBJ基準の開示・保証との主な項目の比較は以下の図表10の通りである。

【図表10】GX-ETSの報告・確認と有報SSBJ基準の開示・保証の主な項目の比較

4. 制度化に向けての今後の見通し

今回2025年12月19日に、経済産業省の排出量取引制度小委員会から、中間整理が公表されたが、今後GX-ETS第2フェーズの制度化に向けて、同省から順次関連法令・ガイドラインが公表される予定である。

早速2025年12月26日には、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)に基づく登録確認機関に関する省令と登録確認機関登録ガイドラインが公表されている。また、2026年1月16日には、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)施行規則等に関する省令案等(脱炭素成長型投資事業者排出枠の割当ての実施に関する指針案を含む)についてのパブリック・コメント手続が開始されており、当該省令案等に対する意見募集期間は2026年1月16日から2月14日までとされている。さらに、本稿執筆(2026年1月26日)時点で、2026年3月末頃に、排出枠の割当や排出量の算定方法等に関する各種ガイドラインの公表が予定されており、引き続き今後の制度化の動向を注視していくことが必要である。

5. おわりに

GX-ETS第2フェーズは、単なる排出量の報告にとどまらず、排出枠の取引を通じて、企業のコスト構造に影響を与えうる経済的制度である。GX-ETS第2フェーズの対象となる企業は、義務化を迎える2026年度に向けて、有価証券報告書におけるSSBJ基準に基づく開示・保証等の関連する規制動向にも配慮しつつ、必要な体制を早急に整備していく必要がある。確認への対応においては、求められる算定・報告体制(内部統制を含む)の水準も含めて、前広に登録確認機関と連携していくことが望ましいと考えられる。第2フェーズの義務化を契機に、経済合理性のある排出枠取引を支える基盤として、最適な排出量の報告体制を整備のうえ、事業戦略・事業計画と適切に連動した移行計画・投資計画を策定し、着実に実行していくことが、将来のカーボンニュートラル社会における企業の持続的な競争優位を確立していくうえで、さらに重要になってくると考えられる。

1 日本政府では、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革すべく、エネルギーの安定供給・経済成長・排出削減の同時実現を目指す「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を推進している(https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/index.html)。

2 経済産業省では、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行を推進するため、「GX経済移行債」を活用した先行投資支援と、先行投資を促す「カーボンプライシング」を組み合わせた「成長志向型カーボンプライシング構想」を実行している。

3 経済産業省は、2023年度から2025年度まで、カーボンニュートラルに向けて取り組む企業が自主的に参加する「GXリーグ」において、自主的な排出量取引制度(企業が自主的に目標設定や目標達成に取り組む制度)を試行し、日本の温室効果ガス排出量の5割超を占める企業が参加した。

4 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律」

5 「産業構造審議会 排出量取引制度小委員会 中間整理~排出枠の割当ての実施指針等に関する事項~」 (https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/emissions_trading/pdf/20251219_1.pdf

6 基準活動量については、経済活動の変動等の影響を受け、年度によってばらつきが生じ得ることから、制度対象となる直前の3カ年度の平均(2026年度から対象となる場合には2023年~2025年度の平均)を採用するとされている。

7 基準排出量については、経済活動の変動等の影響を受け、年度によってばらつきが生じ得ることから、制度対象となる直前の3カ年度の平均(2026年度から対象となる場合には2023年~2025年度の平均)を採用するとされている。

8  「温室効果ガス(GHG)プロトコル事業者排出量算定報告基準改訂版」では、Scope1は、温室効果ガスの直接排出と規定されており、事業者が所有または管理している排出源から発生するものであり、例えば、所有や管理をしているボイラー、炉、車両、その他における燃焼からの排出、所有や管理をしている加工設備での化学品の生造からの排出などが含まれるとされている。

9  「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」

10 「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」(SHK制度)は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」(温対法)に基づき、温室効果ガスを一定量以上排出する事業者に、自らの排出量の算定と国への報告を義務付け、報告された情報を国が公表する制度である。

11 J-クレジットとは、企業の省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度である。

12 JCM(Joint Crediting Mechanism)クレジットとは、日本とパートナー国の間で、日本の企業や政府が技術や資金の面で協力して対策を実行し、得られる温室効果ガスの削減・吸収量を、両国の貢献度合いに応じて配分するクレジット制度である。

13 クレジットの無効化とは、クレジットの二重利用を防止するため、クレジットの使用に伴い、クレジットをシステム上無効化することである。

14 国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)が定めたISO14064-3:2019「温室効果ガス-第3部:温室効果ガスに関する宣言の妥当性確認及び検証のための仕様並びに手引」

15 国際監査・保証基準審議会(International Auditing and Assurance Standards Board:IAASB)が定めた国際サステナビリティ保証基準(International Standard on Sustainability Assurance:ISSA)5000「サステナビリティ保証業務の一般的要求事項」

16 IAASBが定めた国際保証業務基準(International Standard on Assurance Engagements:ISAE)3000(Revised)「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」

17 IAASBが定めたISAE3410「温室効果ガス報告に対する保証業務」

18 IAASBが定めた国際関連サービス基準(International Standard on Related Services:ISRS)4400「財務情報に関する合意された手続の実施契約」

19 我が国におけるサステナビリティ開示基準の設定主体として2022年7月に設立されたサステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、2025年3月に、「サステナビリティ開示ユニバーサル基準『サステナビリティ開示基準の適用』」、「サステナビリティ開示テーマ別基準第1号『一般開示基準』」、「サステナビリティ開示テーマ別基準第2号『気候関連開示基準』」の3つの基準を公表した。これらを総称して「SSBJ基準」という。

20 「金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ報告」 (https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20260108/01.pdf

21 「企業内容等の開示に関する内閣府令」

22 東京証券取引所プライム市場上場企業で時価総額5000億円未満の企業への有価証券報告書におけるSSBJ基準の適用については、企業の開示状況や投資家のニーズ等を踏まえて、引き続き検討していくとされている。

23 SSBJ基準では、「温室効果ガス」とは、「京都議定書」に記載されている7種類の温室効果ガス、すなわち、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、三フッ化窒素(NF3)、パーフルオロカーボン類(PFCs)及び六フッ化硫黄(SF6)をいうと規定されている。また、「スコープ1温室効果ガス排出」とは、報告企業が所有又は支配する排出源から発生する直接的な温室効果ガス排出、「スコープ2温室効果ガス排出」とは、報告企業が消費する、購入又は取得した電気、蒸気、温熱又は冷熱の生成から発生する間接的な温室効果ガス排出、「スコープ3温室効果ガス排出」とは、報告企業のバリュー・チェーンで発生する間接的な温室効果ガス排出(スコープ2温室効果ガス排出に含まれないもの)をいい、上流及び下流の両方の温室効果ガス排出を含むと規定されている。

24 SSBJ基準では、「気候関連の移行計画」とは、温室効果ガス排出の削減などの活動を含む、低炭素経済に向けた移行のための企業の目標、活動又は資源を示した企業の全体的な戦略の一側面と規定されている。気候関連の移行計画がある場合、当該移行計画の内容(移行計画の作成に用いた主要な仮定並びに移行計画を実現するうえで不可欠な要因及び条件に関する情報を含む。)を開示することが求められている。

25 なお、「GX実現に資する排出量取引制度に係る論点の整理(案)」(令和6年12月19日内閣官房GX実行推進室)では、初年度の執行スケジュール(イメージ)として、2026年4月時点では割当量の算定の根拠となる自社の排出量を正確に把握できていない可能性が高いことから、2026年度は割当申請の基礎となる自社の排出量等の算定する期間とし、これを踏まえて初回の割当を2027年度に実施する(2027年度のみ、2026年度と2027年度の2年分の排出枠の割当を申請する)とされている。このため、排出枠割当量については、2027年度から確認が開始されることが見込まれる。

26 ISRS4400は排出枠割当量(早期排出削減量)の確認にあたって適用されることが想定されている。

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