SSBJ等のサステナビリティ情報開示規制への対応に加え、各種ESG評価機関からの開示要請への対応が多様化する中、企業のサステナビリティ関連業務の負荷は一段と高まっています。こうした課題に対応するため、合同会社デロイト トーマツ(以下「デロイト トーマツ」)と株式会社estoma(以下「estoma」)はアライアンス契約を締結し、AIを活用してサステナビリティ開示対応の高度化と業務効率化を支援する新サービスの提供を開始します。
お知らせ
企業のサステナビリティ情報開示担当部署は、CSRDやSSBJといった多様化・高度化するサステナビリティ情報開示規制への対応に加え、CDP、FTSE、MSCI、DJBCI等をはじめとするESG評価機関からの要請にも対応する必要があり、実務上、主に①人的リソース、②知見とノウハウ、③連携推進体制の3つの観点で課題に直面しています。
① 人的リソース面では、各開示規制、ESG評価機関ごとに異なる基準の理解、設問・要求事項への対応、さらには有価証券報告書、統合報告書、コーポレートサイト等の複数開示媒体間における記載整合性の確認、調整等で膨大な工数を要しています。
② 知見とノウハウ面では、開示対応の高度化に向けて参考となる同業他社や高評価企業の開示内容、対応状況を十分に把握することが困難である上、限られた人員の中で知見を有する一部の担当者に業務が集中し、対応が属人化しやすい状況が生じています。
③ 連携推進体制面では、非財務情報が社内の複数部門に分散していることに加え、サステナビリティ開示の拡充や評価向上に向けた施策について、国内外の関係部署のみならず取引先を含むバリューチェーン上の関係先との連携や情報収集が必要となるケースも増えています。そのため社内外の関係者の理解、協力を得るための調整負荷が高く、全社的かつバリューチェーン横断での推進体制の構築、強化が求められています。
このような状況下、多くの企業では、開示対応そのものや部門横断での情報収集、確認業務に追われ、本来注力すべき開示内容の精度向上やサステナビリティ施策そのものの高度化に向けた検討に十分な時間を確保できていないのが実情です。こうした課題を解決するには、開示対応の効率化を図るとともに、サステナビリティ情報の戦略的な一元管理と部門横断での推進体制の強化を進めることが重要です。
デロイト トーマツとestomaは、両社の強みを融合することで、企業におけるサステナビリティ情報開示対応の効率化と非財務情報の戦略的な一元管理を実現するサービスを提供します。
デロイト トーマツは、サステナビリティ情報開示やESG評価機関の評価体系、メソドロジーに関する豊富な専門知見に加え、多様な業界およびグローバル企業に対する支援実績を有しており、開示高度化支援から取り組みの強化支援、さらには業務代行支援まで幅広いサービスの提供が可能です。
estomaは、サステナビリティ情報開示領域に特化した生成AI技術を活用し、複数のサステナビリティ情報開示規制、ESG評価機関の評価項目、企業が保有する非財務情報を横断的に分析・整理するAI技術基盤を有しており、複雑化・多様化する開示要請や評価基準への対応に必要な情報の収集および比較分析を効率的に行うことが可能です。
両社の協業により、estomaのAIによる情報収集・分析機能とデロイト トーマツの専門知見および実務支援力を組み合わせることで、企業が独力では実現しにくい、高効率かつ実効性の高いサステナビリティ情報開示支援を実現します。
デロイト トーマツとestomaは、企業のサステナビリティ情報開示における効率性とESG投資家に訴求する効果的な開示を支援するため、AIを活用したESG評価機関への包括的対応支援、サステナビリティ関連業務のオペレートサービス、ならびにサステナビリティ情報開示の戦略的一元管理支援を提供します。
ESG評価機関への包括的対応支援では、estomaのAIを活用し、CDP、FTSE、MSCI、S&P等の主要なESG評価機関に対する包括的ESG評価支援を提供。回答案作成やスコア分析を効率化し対応負荷を軽減するとともに、デロイト トーマツが設問の意図やメソドロジーを踏まえて回答内容のレビュー、開示・施策の拡充、アクションプラン策定、関係部署を巻き込んだ実行まで伴走します。
サステナビリティ関連業務のオペレートサービスでは、統合報告書、サステナビリティレポート、コーポレートサイト等の主要な開示媒体に加え、主要ESG評価や各種ESG関連調査票への対応について、企画・作成・更新・整合確認・進行管理を含む業務運用機能を一体的に提供します。あわせて、AIを活用して、既存開示との整合確認、論点整理等を効率化することで、開示品質の向上と社内実務負荷の軽減を同時に実現します。
サステナビリティ情報開示の戦略的一元管理支援では、社内に分散する非財務情報を整理・集約し、AIを活用してデータの統合・分析・加工を行うことで、非財務情報を一元管理・運用に向けた情報整備を支援します。あわせて、自社ホームページをマスター情報の起点として運用することで、各種開示媒体間の記載整合性の確保や媒体ごとの更新負荷の低減を実現します。
さらに、現状の開示情報に対しては、ESG投資家の視点を踏まえたレビューを実施し、中期経営計画と整合したマテリアリティの特定、KPIの策定を支援することで、サステナビリティ施策そのものの高度化・推進強化にも繋げます。これらの伴走支援を通じて、企業価値の向上に資する実効性の高いサステナビリティ情報開示の実現を目指します。
合同会社デロイト トーマツ パートナー 山﨑 英幸のコメント
サステナビリティ情報開示およびESG評価機関への対応は、企業の説明責任を果たす上で不可欠であると同時に、企業価値向上にも大きく関わる重要な取り組みとなっています。その一方で、企業の実務現場では、定常的な情報収集、分析、回答作成、媒体間整合の確認といった業務負荷が大きく、本来注力すべきサステナビリティ戦略の高度化や施策推進に十分なリソースを充てにくい状況となっています。デロイト トーマツは、こうした課題認識のもと、AI技術に強みを有するestomaと協業し、定常業務の効率化と専門性の高い実務支援を両立するサービス提供を開始しました。企業が本質的なサステナビリティ課題への対応に経営資源を振り向けられる基盤の整備を支援し、サステナビリティ経営の変革と実装を加速させることで、中長期的な企業価値の向上に貢献してまいります。
株式会社estoma 代表取締役 伊藤 総一郎のコメント
estomaは、企業のサステナビリティ活動業務を単なる回答業務にとどめず、企業の重要課題を可視化し、具体的な行動変容につなげることが、企業の持続可能な成長において非常に重要だと考えています。今回の協業により、デロイト トーマツの専門知見とestomaの生成AI技術を融合し、複雑なESG評価対応の効率化と開示情報の質の向上を支援します。本協業を通じて、より多くの企業の本質的な改善活動と行動変容を後押しし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。