自動車産業が直面する「100年に一度の変革期」。デロイト トーマツの自動車(Auto)セクターは、コンサルティングやリスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリー、監査など、グループ内の多様な専門性を掛け合わせ、グローバル規模でクライアントの課題解決に取り組んでいる。Autoセクターの最前線で活躍する3名のプロフェッショナルに、デロイト トーマツならではの強みや仕事のやりがい、業界を牽引する多様性(DEI)の取り組みについて聞いた。
ドイツでガソリンエンジンを搭載した現在の自動車の原型が発明されたのは、1886年のこと。その後、1900年代にT型フォードが開発され一気にモータリゼーションが起こり、それから100年あまり、自動車は飛躍的に発展を続け、私たちの社会に欠かせない存在となった。そんな自動車産業が直面する「100年に一度の変革期」について、有限責任監査法人トーマツのパートナーで、Autoセクターリーダーを務める東海林雅人は実情をこう説明する。
「『100年に一度の大変革』と言われはじめて4、5年が経ちますが、その間にものすごい変化が起きています。当初注目されていた電動化(EV)の波はややトーンダウンしてきた一方、現在より大きな変化となっているのは、消費者ニーズがハードウェアからソフトウェアへと大きくシフトしていることです。例えば、乗る人に合わせてクルマをパーソナライズしたり、決済機能を搭載したりするなど、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)への対応が非常に重要になっています」
有限責任監査法人トーマツ パートナー、デロイト トーマツ グループ 自動車セクターリーダー、コンシューマーインダストリーリーダー 東海林 雅人
主に中国の新興プレイヤーがこの分野を先導しており、日本の自動車産業も従来の「乗り物」としての自動車販売から、新たなビジネスモデルへの転換を迫られている。こうした中、デロイト トーマツのAutoセクターは、国内の主要な大手自動車メーカー(OEM)やサプライヤーへ幅広いサービス提供実績を持ち、多くのクライアント様とリレーションを有している。ハードウェアからソフトウェアへ、内燃機関から電動パワートレーンへと自動車産業の領域が拡大し、厳格化する各国の法規制への対応も求められるという状況下で、世界中に拠点を持つデロイト トーマツの総合力が大きな武器になっていると東海林はいう。
「我々のクライアントはほとんどがグローバル企業ですから、我々自身も必然的にグローバルでサービス提供する必要があります。Autoセクターでは、アジア太平洋、米国、欧州など、世界中のメンバーファームと常に連携し、知見を共有しています。我々の強みは、戦略策定、ITシステムの導入、各国の法規制対応、タックスインセンティブ(補助金)、サイバーセキュリティ、会計監査など多様な支援をグローバルかつワンストップで提供できる点にあります」(東海林)
自動車業界が大きく変化する中、多くのクライアントは同じような課題を抱えていることも多い。もちろん守秘義務に抵触しない範囲とはなるが、グローバルなネットワークを通じて、業界全体の知見を集約してクライアントをサポートできることがデロイトの大きな魅力となっている。
複雑化する課題に対応するため、デロイト トーマツのAutoセクターには多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが集結している。監査法人出身でありながらセクターリーダーを務める東海林自身も、ユニークな経歴の持ち主だ。
「私はもともと監査出身で、現在も監査業務を継続していますが、2006年から2010年まで米国のオハイオ州に駐在しました。当時は英語も苦手でしたが、『営業もしっかりやります』と自ら志願して行かせてもらいました。オハイオではクライアントのほとんどが自動車関連の企業でした。そこで自動車関連の知見とリレーションが深まり、今に至っています。現在も監査及び非監査のクライアント両方を担当しています。そのため、さまざまなファンクションのメンバーと協働しながらサービスを提供しています。またセクターリーダーとして、日本やアジアパシフィック、グローバルの知見を集約して売クライアントへの価値提供向上、グローバル人材育成、多様性の拡大の役割を担っています」(東海林)
合同会社デロイト トーマツ Auto シニアマネジャー Fang Moly
一方、Auto シニアマネジャーのFang Molyは、ファイナンシャルアドバイザリー領域で経験を積み、現在はコンサルタントとして大手自動車メーカー、OEMやサプライヤーなどとスタートアップをつなぐ「カタリスト(触媒)」としての役割を担っている。大手自動車メーカーがSDVへの対応を迫られる中、ソフトウェアを中心とした新たな領域に取り組むスタートアップとの連携はますます重要になっている。
「最近ではシリコンバレーに約1年間駐在し、日本の自動車業界のクライアントがスタートアップと協業し、ソフトウェアやビジネスエコシステムを構築するための支援を行いました。意思決定のプロセスやスピード感が異なる日本の大企業とスタートアップの間に入り、文化の違いを乗り越えて『橋渡し』をするのは大変ですが、非常にエキサイティングな挑戦です。」(Moly)
Molyはまた、190を超える国々から2,000名以上の若い次世代リーダーが集まる世界的サミット「One Young World」に日本代表として参加した経験もある。「その経験を生かし、グローバルな視点からアジアや日本のプレゼンスをもっと世界に発信していきたい」と意気込みを語った。
2024年入社でAutomotive コンサルタントの古川愛弓は、リスクアドバイザリー領域で車両のサイバーセキュリティを担当している。古川はオーストラリアや韓国で約10年間の海外経験があり、将来は国や文化を越えて価値を届けられる人材になりたいと考えていた。外資系自動車メーカーでのインターン経験もあることから、入社当初よりAutoセクターを志望していたが、ITやサイバーセキュリティ分野は未経験からのスタートだった。
「大学のゴルフ部出身で、クルマでゴルフに出かけることが多かったことから、もともとクルマ好きでした。ITは未経験でしたが、デロイト トーマツには充実した研修プログラムがあり、スムーズに知識を身につけることができました。」(古川)
現在手がけるサイバーセキュリティの仕事について、古川は次のように手応えを語る。
「クルマのソフトウェアはどんどん複雑化しており、車両のサイバーセキュリティは社会的にも責任が非常に大きい領域となっています。そんな中、プロジェクトが無事に完了し、自分たちが開発や法規対応などを進めた機能が実際の車両に搭載されたときには、とても大きなやりがいを感じました」(古川)
古川が現在の部署に配属されるきっかけとなったのは、なんと会社のゴルフ部での東海林との会話だったという。プレー中に何気なく話した「自動車を専門にしたい」という古川の一言にすぐにリーダー陣が動き、現在のキャリアにつながったというエピソードも、デロイト トーマツのフラットで風通しの良い社風を表している。
合同会社デロイト トーマツ Automotive コンサルタント 古川愛弓
自動車業界の多様性を推進する「Women at the Wheel」自動車業界は、クライアント企業も、支援するデロイト側も、まだまだ女性比率が高くない。デロイトはこの課題に対し、「Women at the Wheel」という取り組みを4年間継続して実施している。
「残念ながら自動車業界においては、クライアント企業も我々のチームも、マネジメント層になるほど女性比率が低いのが現状です。そこで、業界で活躍する女性をゲストに招き、『全員活躍』やDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)をテーマに、広く議論するイベントを年に2回開催しています。これは UK、US、オーストラリアなどグローバルの活動とも連携しており、社外の方もお招きして非常に盛り上がっています」(東海林)
会議の場で女性が自分1人だけになることも珍しくない業界だが、Molyはそれをポジティブに捉えている。
「女性が少ないことを恐れる必要はありません。男性中心の議論が白熱した際に、女性ならではの異なる視点やユニークな意見を持ち込むことができ、それが業界に貢献できる価値になるのです。多様な視点を持つチームだからこそ、クライアントに良い影響を与えられると信じています。また女性が少ないからこそ、会社を超えて女性同士がフラットに集まる機会も自然に生まれ、とても仲が良いんですよ」(Moly)
業界や専門領域、組織の枠を越えて、メンバー同士が必要に応じて協働することが当たり前になっているデロイト トーマツ。そのパワーの源泉は「自由闊達さ」にあると東海林は語る。
「我々のチームには長く在籍しているメンバーが多く、多様なノウハウが蓄積されています。それに加えて、クライアントの展開に合わせて自動的にグローバルで活動しなければならない環境を、『大変だけど面白い』と感じてくれる人が集まっています。きっちりしすぎず、柔軟に考えながら一緒に課題解決できる自由闊達な雰囲気が、我々の強みです」(東海林)
最後に、3名に今後目指すことを聞いた。
「将来的には、自動車業界の変革に対して総合的にアドバイスできる人材になりたいです。そのためには、まずはサイバーセキュリティなどの個別の専門性をしっかりと高めながら、自動車業界の構造や技術動向、規制リスクへの理解も深め、課題解決に貢献できる存在になりたいと思っています」(古川)
「デロイト トーマツは、多様な専門組織があるプラットフォームです。やりたいことが見つかれば、それをサポートしてくれる環境があります。私はこのプラットフォームを生かして、日本の自動車産業が持つポテンシャルを引き出し、再び世界をリードできるよう支援していきたいです」(Moly)
「業界全体を盛り上げていくことが我々の責任でもあります。現在、私は万博や地方自治体での活用を視野に入れた『空飛ぶクルマ(エアモビリティ)』の業界インフラ整備をサポートするといった、新しい挑戦も始めています。メンバーには自分でキャリアを考え、このデロイトという世界中に広がるプラットフォームを使い倒して、新しいことにどんどん挑戦してほしいですね」(東海林)
100年に一度の変革期を迎えた自動車産業。多様な専門性とグローバルなネットワーク、そして自由闊達なカルチャーを併せ持つデロイト トーマツのAutoセクターは、次なる競争力を生み出す強力なパートナーとして、これからも最前線を走り続ける。
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