地方自治体へのインタビュー等を実施し、主にこども家庭センターでの活用を想定したガイドラインを策定。支援を4つの段階に分け、各段階の重要なポイントをガイドラインに集約。また、市区町村における実態調査の方法例や18歳以上のヤングケアラー支援についても掲載。18歳以上への支援は、18歳未満の時との差異に留意したうえで、年齢による切れ目ない支援を行うことが求められる。
2025年4月30日
デロイトトーマツ グループの有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区、代表社員:大久保 孝一)は、ヤングケアラー支援における、「気づく」、「情報集約」、「支援調整/具体的支援」、「地域での見守り」等の各段階における重要なポイント等を集約した、ヤングケアラー支援ガイドライン(仮称)を策定し、2025年4月30日に公開しました。
本ガイドラインは主にこども家庭センターでの活用を想定したものであり、各自治体における現在のヤングケアラー支援の振り返りを行いながら、更なる+αの取組を検討するための契機となることも期待しています。
また、令和6年6月の子ども・若者育成支援推進法の改正により、国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象に「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」が明記されました。この法律の下、18歳以上のヤングケアラーも支援対象として含められたことを踏まえ、本ガイドラインでは、18歳以上のヤングケアラー支援の概要や、18歳未満のヤングケアラーへの支援との相違点等を整理したほか、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」の一部施行について(ヤングケアラー関係)(こ支虐第265号 令和6年6月12日)(施行通知)で主に市区町村の役割とされた実態調査の方法例なども掲載しています。
ガイドラインの目次は以下のとおりです。
【ガイドラインの目次】
(別添)参考資料:仮想事例集
各段階で各分野の関係機関がそれぞれの役割を担い、「気づく」~「地域での見守り」までの導線を、1つでも確保することが重要です。振り返りシートを使って、各自治体や地域ごとに今のヤングケアラー支援体制の振り返りを行うことができます。
図表 ヤングケアラー振り返りシートの紹介
【記載するマークの定義】
◎:現在、ヤングケアラー支援に関与しており、各取組のルール等もある。※顔の見える関係が構築されている状況
○:現在、ヤングケアラー支援に関与している。
△:現在、ヤングケアラー支援に関与する事業等を実施しているが、まだ連携調整等の話し合いはしていない。
―:現在、ヤングケアラー支援に関与する事業を持っていない。そのような部署・資源はない。
当法人ではこれまで、各官公庁等の調査案件を通して、①ヤングケアラーの実態や多機関・多職種連携による支援マニュアル、②児童福祉部門と教育分野に焦点を当てた市区町村における運用の手引き、③ヤングケアラーの気持ちに寄り添い、「こどもの話を、こどもを主役として聞いてくれる大人がいる」環境を作るためのアセスメントツールの作成、④ヤングケアラー支援の効果的取組に関する調査研究等、ヤングケアラーの当事者と自治体等の支援者との双方の視点から、ヤングケアラーに関する調査研究を実施してきました。本調査研究はこれらを通じて蓄積した知見を活用して取り組みました。
※こども家庭庁ヤングケアラー特設サイトより(https://www.cfa.go.jp/policies/young-carer/)