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ウガンダの難民とホストコミュニティによるビジネスアイデア実証事業:11月時点の歩み

ウガンダで実施したビジネスアイデアコンテストの入賞企業BEMCOSとBUAKによるビジネスアイデアの実証事業が8月に開始しました。本レポートでは、11月時点の各事業の進捗状況を報告します。

コンテスト結果とビジネスアイデア実証事業の始動

2025年7月10日に、ウガンダ政府と国際協力機構(JICA)主催のもと、ウガンダの難民およびホストコミュニティが直面する課題解決に向けたアイデア発掘を目的とするビジネスアイデアコンテストがウガンダで開催されました。ウガンダ国内の難民およびホストコミュニティから寄せられた50件を超える応募から、Bidibidi Electronic Waste Multipurpose Cooperative Society Limited(BEMCOS)とBioenergy Umbrella Association of Kyangwali Limited(BUAK)が入賞企業に選ばれました。両団体には、副賞として1,200万ウガンダシリング(約3,457米ドル)相当の実証事業支援金と、JICAコンサルタントによる実証事業の実施支援が提供されます。各チームは事前に策定した事業計画や予算に基づいて8月から12月までの5か月で実証事業に取り組みます。以下では、11月時点の進捗を紹介します。

BEMCOS

実証事業概要

BEMCOSは、ウガンダのビディビディ難民居住区における電子廃棄物の循環型経済の構築とコミュニティエンパワーメントの取り組みに関する事業に取り組んでいます。主に電子廃棄物、特にソーラーランタンやリチウム電池の回収・修理・再利用を推進し、再生バッテリーパックの製造にも力を入れています。これにより、クリーンエネルギーの普及、電子廃棄物の削減、そして難民およびホストコミュニティ双方の雇用創出を目指しています。これらの目標の達成に向け、支援資金を活用して事業アイデアの検証と実証を行っています。

 
実証事業進捗

達成状況

8月から開始されたBEMCOSの実証事業では、Bidibidi難民居住区の各ゾーンに設けられた5つの拠点を中心に、使われなくなったソーラーランタンやリチウム電池の回収と修理や再利用、新しいソーラーランタンの販売を進めています。これまでに計468点の故障品を回収し、そのうち369点を修理、265点を納品しました。また、本事業ではメンバーの能力強化を図るトレーニングも併せて実施しています。これまで9月と10月に2度のトレーニングが開催され、修理技術に関する知識のインプットや、実際に修理を行う技術者を育てる実践形式のトレーニングなどに取り組んできました。研修では、修理に関する技術的知識のインプットに加え、実際の修理が行える技術者を育成する実践的なハンズオンを実施し、技術力の向上により業務効率が改善しました。さらに、マネジメント体制の見直しが従業員のモチベーション向上に寄与しています。これらの取り組みの結果、BEMCOSでは売上の顕著な増加が見られました。

課題

一方で、いくつかの課題も明らかになりました。特定の機器では必要なスペア部品の欠品や高度な技術が求められる場面があり、修理対応に時間を要するなど、対応が難しいケースが発生しています。返却が遅れる際には顧客の不安が高まることもあるため、各拠点に配置された地域出身メンバーが丁寧に状況を説明し、進捗を共有することで信頼関係の維持に努めています。また、技術者の出勤管理やモチベーションの維持、財務管理など基本オペレーションの強化に加え、家々が点在する地域に即した回収体制の構築も今後の重点課題となります。

今後の予定

今後の予定としては、11月はこれまでの活動データを分析し、作業内容や運営の課題や改善点の特定・改善に取り組みます。12月は本事業の最終月として、最終報告書の取りまとめと、事業を通じて得られた教訓や知見を洗い出しに注力します。

▼技術研修に参加するスタッフ 

▼収集された電子廃棄物

▼廃棄電池から再生したバッテリーパック

BUAK

実証事業概要

BUAKは家畜の糞などの有機物からガスを生成するバイオガス発酵装置と、ブラックソルジャーフライ(BSF)を活用して有機肥料や動物飼料を生産するシステムを組み合わせた事業モデルを展開しています。また、製造の過程で発生する副産物である液肥や昆虫の排泄物をローン返済に充てる「loan to own」制度を導入することで、低所得世帯へのシステム導入促進と自立支援に貢献を図ります。これらを通じてBUAKは、エネルギー不足・食料不安・環境悪化といった課題に対応し、難民およびホストコミュニティの持続可能な生活基盤の確立を目指します。支援資金は、この事業アイデアの商用化に活用しています。

 

実証事業進捗

達成状況

本事業ではこれまでにバイオガス発酵装置とBSFキットの導入候補となる世帯のマッピングを実施し、既にBSFキット4台をパイロット配布とバイオガス発酵装置1基の設置が完了しています。追加でBSFキット8台も配布準備が完了しており、バイオガス発酵装置についても新たに1台が建設中です。加えて、12月初旬には新たなバイオダイジェスターの建設を開始します。また、バイオガス発酵装置の副産物やBSFキットを通じて生産されたプロダクトについてもマーケティング活用や販売活動を進めており、今後の買い取り契約成立に向けて肥料の効果を実証するためのデモ用の畑も建設しました。

課題

一方で、現在事業はボランティアメンバーによって支えられており、彼らに賃金を支うために十分な売り上げが立っていないことや、運営業務に十分な人手が足りていないことなどから事業の継続性について課題が残っています。また、事業データの収集が現時点では不足しており、バイオガス発酵装置やBSFキットの効果を正確に計測できていません。資金繰りも圧迫しており、今後は分割調達や支払い条件の調整、在庫・キャッシュフロー管理の強化が求められています。

今後の予定

今後は、「loan to own」制度確立に向けてデジタルでのローン追跡・モニタリングシステムの開発・導入を進める方針です。また、ローン返済の仕組み自体もレビューを通じて改善を続けていきます。事業の最終段階では、活動の総括や成果報告、得られた教訓や知見の整理を行い、今後のビジネス展開や他地域への拡大に活かしていきます。

▼BSFキットを利用して土壌の質を向上させる過程

▼新設されたバイオガス発酵装置

▼ウガンダで実施したビジネスコンテストのハイライトは以下の動画から視聴いただけます

その他のファイナリスト

ウガンダで実施したビジネスコンテストでは、入賞には至らなかったものの、他のファイナリストからも難民およびホストコミュニティの課題解決に向けた革新的なビジネスアイデアが提案されました。以下では、ファイナリストのビジネスアイデアをご紹介します。

WaterkitPay

WaterKitPayは、難民およびホストコミュニティ向けの衛生およびクリーンエネルギー製品の購入を支援する資金調達プラットフォームです。オンライン上のマーケットプレイスと小口金融機能が備えられており、利用者はデジタルウォレットを活用して製品やサービスの購入・貯蓄が可能となります。これにより、生活に不可欠な資源へのアクセスが向上し、持続可能な自立を後押しします。

Smart Skills Innovation

Smart Skills Innovationは、難民およびホストコミュニティ向けのデジタルスキル学習を支援するプラットフォームのサービスで、スマートフォンや地域拠点を通じてプログラミング、モバイルマネー、フリーランス、起業などのオフライン研修を提供します。事業では自立支援や失業率低減を図るとともに、地域ニーズに沿った学習コンテンツや仲間同士のメンタリングを通じて協働を促進します。

 

お問い合わせ

JICAビジネスアイデアコンテスト運営事務局 (有限責任監査法人トーマツ)
Email: nanminpitch-office@tohmatsu.co.jp

 

主催

ウガンダ政府

国際協力機構 (JICA)