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2050年カーボンニュートラル実現に向けた技術リスト

ARLを用いた市場受容性評価と技術インテリジェンスによる分析の実施

デロイト トーマツ グループでは、2050年カーボンニュートラル実現に向けた技術の調査を行い、技術リストとして定期的に公表している。第7弾では計70件の技術を掲載し、技術成熟の観点に加えて、ARL(市場受容性の成熟度指標)やLLM(大規模言語モデル)を用いることで、市場への実装を見据えた多軸な評価を試みた。

カーボンニュートラル技術 計70技術の調査と分析

 

デロイト トーマツ グループの科学技術イニシアチブDeloitte Tohmatsu Science and Technologyでは、カーボンニュートラルに貢献する技術を統一的な観点から整理・評価するリスト(以下、技術リストと記載)の作成を試みており、本稿掲載の技術リストはその第7弾である。

本技術リストでは、CO2排出削減量のポテンシャル及びCO2排出削減コスト、技術成熟度等の観点から計70件の様々な分野の脱炭素技術を整理している。

過去第4弾では、投資・開発の方向性を簡易評価することを目的として、ニュース記事データに対してテキストマイニング(情報抽出)アルゴリズムを適用し、各技術に関連する記事数を各技術の相対的な注目度合いとして算出することで、その技術の注目度を可視化した(第6弾にも掲載)。加えて、第5弾では本リストの客観性の向上を目的として、一部の技術については大学の研究者を中心とする外部の専門家の意見を反映した。

第7弾にあたる本稿では、掲載技術数は70件で据え置きである一方でTRL(Technology Readiness Level)や技術の粒度について再評価を実施し、最新の技術進展に応じた更新を実施した。また、評価指標「ARL(Adoption Readiness Level)」を活用し、一部技術に対して市場受容性の観点からも評価を実施した。同時に、LLM(大規模言語モデル)をはじめとした生成AI技術を活用することでCN技術の調査スコープと関連性の高い知財をスクリーニングする分析も試みた。今回は、熱分野に関連する技術の課題及び解決手段を抽出・分析した上で、本モデルの応用方法についても検討した。

今後は、今回整理したARLや生成AI等の方法論・分析手法を用いることで、技術ポートフォリオの棚卸やロードマップの策定において、市場受容性やその時間軸も考慮した対策の示唆を提供したい。

本技術リストが日本のカーボンニュートラル実現に向けた技術の社会実装戦略の立案や、企業・自治体の取り組み内容の検討の一助となれば幸いである。 

執筆者:赤峰 陽太郎、齋藤 晃太郎、坂口 直樹、大場 久永、秋本 佳希、杉山 貫志、大南 絢一、岡田 桃子、山本 昂、浦田 亮啓、日向 結花、明石 康平、岩田 恭彰、友成 一暉、作内 友哉、王 哲、関口 尚、豊田 浩起、鳥飼 倫平、市川 倫之介

過去掲載分については、以下からPDFをダウンロードできます。

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