本事業は、多機関や多職種が連携することでヤングケアラーへの適切な支援がより一層進むよう、その在り方を検討することを目的として実施しました。本事業においては、多機関連携によるヤングケアラー支援の状況の把握を行いながら、その課題やニーズ、対応策を明らかにしてヤングケアラー支援マニュアルを作成しました。
本事業においては、①検討委員会の設置・開催、②作業部会の設置・開催、③多機関連携によるヤングケアラー支援に関するアンケート調査、④パイロット版「多機関連携によるヤングケアラー支援マニュアル」の作成、⑤モデル事業の実施、⑥「多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアル」の完成・公開といった6つの活動を行いました。
多機関連携によるヤングケアラー支援に関するアンケート調査では、多機関が連携して行うヤングケアラーへの支援の現状、特に、連携における課題やニーズ、工夫を把握するために、要保護児童対策地域協議会(調査A)、市区町村の高齢者福祉部門(調査B)、市区町村の障害福祉部門(調査C)、教育委員会(調査D)、主任ケアマネジャー及びケアマネジャー(調査E)、相談支援専門員(調査F)、教員、養護教諭、スクールソーシャルワーカー等(中学校)(調査G)、医療ソーシャルワーカー(調査H)、精神保健福祉士(調査I)を対象とした9つの調査を実施しました。
このアンケート調査結果を踏まえて、パイロット版のマニュアルを作成した後、マニュアルが実際の支援に役立つものになるように支援の現場での確認や意見を踏まえて内容を更に精査するために、3つの自治体に協力を依頼し、パイロット版マニュアルを用いたモデル事業を実施しました。その後、モデル事業の実施結果を踏まえ、「多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアル~ケアを担う子どもを地域で支えるために~」を完成させました。
マニュアル完成までの一連の活動や議論を通して、各機関・部署や担当者がそれぞれの所掌範囲から少し視野を広げ、それぞれの立場の中でできることは何かを考えてみることが大切であり、既にある支援の組み合わせが求められるからこそ複数の関連機関による連携が重要となってきているということをあらためて確認しました。
※上記の部署・内容は、掲載日時点のものとなります。2022/4