本記事は日本国内優遇措置検索サービス「Japan Incentive Insights」のコンテンツです。本記事は2025年4月1日時点の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。
中小企業経営強化税制は、一定の中小企業が経営力を向上させるために機械装置等の設備を取得した場合に、特別償却(15-100%)又は税額控除(取得価額の1-10%)の選択適用を認める制度です。本措置の対象となる設備は、工業会や経済産業省による証明等を受けたもので、A、B、D、E類型のいずれかに該当することの証明等を受けたものが該当します。本税制を適用するには企業は「経営力向上計画」と呼ばれる事業計画を作成し、原則として設備の取得までに主務大臣の認定を受ける必要があります。
本措置は令和7年(2025年)4月1日付で延長され、売上高100億円を目指す企業向けの措置の拡充等が行われました。
*1 機械装置、工具、器具備品、建物附属設備及びソフトウェア(A、B、D類型)に対する措置であり、資本金等の額が3,000万円以下の法人等は税額控除率が10 %となる。建物及びその附属設備(E類型)に対する措置は後述のとおり。
対象者
中小企業者等(資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人等)で、特定事業者等(常時雇用する従業員数が2,000人以下の会社等)に該当する事業者が該当します。
対象設備
機械装置、工具、器具備品、建物(経営規模拡大設備のみ)、建物附属設備、ソフトウェアで、以下のA~E類型のいずれかに該当することの証明等を受けたものです。
※C類型は令和7年4月1日をもって廃止されました。
対象期間
本措置の適用は令和9年(2027年)3月31日までに取得し、事業の用に供した設備に限られます。
経営力向上計画
本措置を適用するためには、経営力向上計画を作成し、原則として設備の取得までに主務大臣の認定を受ける必要があります。計画の認定要件は業種や企業規模等によって異なるため、事業分野別指針の確認が必要です。
措置内容
本措置の対象となった設備については、以下の特例の適用を受けることができます。
概要
売上高100億円企業は地域経済の好循環を先導する存在として、政策的重要性が高まりつつあります。そのため、100億円企業を目指す中小企業の成長を後押しするために、E類型(経営規模拡大設備)が創設されました。E類型の要件を満たすことで、対象設備に建物が加えられるため、より事業を後押しする措置になることが期待されます。
要件
年平均投資利益率が7%以上となることが見込まれるものであること及び経営規模の拡大を行うものとして経済産業大臣が定める要件に適合すること(詳細は下図を参照)が必要です。
拡充措置
投資計画の一環として建物を新増設し、かつ一定の賃上げを行った場合、建物及びその附属設備に対して以下の特別償却又は税額控除が適用できます。
その他の改正
E類型(経営規模拡大設備)の創設以外にも、以下の改正が行われました。
本措置は事業者の業種や規模、取得する設備によって要件が異なるため、最新の法令等を正確に把握する必要があります。一方で、本措置の対象設備は経営力向上計画の認定後に取得したものに限られるため、早期の認定取得が推奨されます。中小企業経営強化税制を含め、設備投資に係る優遇措置の適用の検討を進められる場合は、ぜひデロイト トーマツにご相談ください。