内部監査の品質評価では様々な課題が抽出されますが、多くの内部監査部門に共通している課題の一つとして、監査実務の非効率があります。
監査調書と監査証跡が紐づいて管理されていない、指摘事項がどの監査手続きを通じて発見されたのか分かりにくい、監査調書のレビューが適時に行われない、監査報告書のとりまとめに時間がかかり過ぎるといった課題です。
組織を取り巻く環境変化が激しい中、内部監査にもスピードが求められます。レビュー担当者が監査手続きや結果、指摘事項などを迅速にレビューすることで、監査の品質と部員のスキル向上が期待できます。
監査管理ツールは、リスク評価に基づく監査計画から、個別監査の全てのプロセスに加えて、監査のスケジュールや人員のマネジメント、発見事項のフォローアップまで一連の流れを効果的、効率的に管理します。監査管理ツールに登録された監査情報は、ダッシュボード機能やBIツールとの連携によって、より監査に有用な分析が可能となります。また、各ステークホルダーが自分の見たい情報にたどり着ける「能動的な情報取得」が可能になります。
内部監査のステークホルダーからは様々な要求があります。
例えば、監査報告書の迅速な提出です。このためには、往査前の準備、往査時のレビュー、往査後の報告書作成の各過程で時間を短縮させなければなりません。往査前に監査メンバーが監査関連情報に容易にアクセスでき、往査時に監査調書等の迅速なレビューや更新もでき、監査調書等の情報を報告書の様式に迅速に取り込める機能が必要となります。
また、ステークホルダーからの要求として、伝統的な守りのリスクだけではなく経営課題をカバーした価値ある情報提供への期待があります。経営課題は、幅広い組織、テーマ、リスクなどに関連するため、容易にそれらの情報を蓄積・利用できる環境が必要です。そのためには、リスク・コントロールその他の情報を一元管理でき、検索等で簡単に活用できる機能が重要となります。
この他、監査横断的に捉えた組織全体の課題や根本原因の発見および解決への提言が期待されています。内部監査だけでなく他のアシュアランスやオフサイトモニタリング、インシデントなどの情報も参考にして、課題の根本原因を探すことが重要となります。
監査管理ツールは監査業務のインフラとしてこれらの期待に応えます。
監査管理ツールの導入にあたっては3つの考慮が重要です。
自社に最適なツールを導入するには、上記の要素を考慮しつつ適切なステップを踏むことが必要です。この点を間違えると、納期遅延、予算超過、品質悪化のリスクが想定されます。
<監査管理ツールの導入ステップ>
監査管理ツールの導入に際しては、内部監査に係る課題の明確化および課題を解決するための内部監査のビジョンや目標の明確化が重要となります。
トーマツは、監査に係る課題を明確にするための内部監査の外部評価サービスや、内部監査のビジョンや目標を達成するための中期監査計画の策定支援サービスも提供しています。
また、監査管理ツール製品の理解も重要です。監査管理ツール製品毎の特徴に豊富な知見を有しており、内部監査部門の置かれている状況を踏まえた監査管理ツール導入を支援しています。
監査管理ツールの導入、内部監査の課題、ビジョンや目標の明確化などでお悩みの場合には、トーマツの内部監査プロフェッショナルにご相談ください。