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Crunch time XXII -決断の時22

経理財務部門におけるエクスポネンシャルな技術

生成AI、言語モデル、機械学習、拡張現実、量子コンピューティング:これらの話題は至る所で取り上げられており、おそらく消えることはないでしょう。経理財務のリーダーを含めた誰もが、これらの技術により自らの仕事や未来にどのような意味を持つのかを考えているかもしれません。本レポートでは生成AIなどの斬新でエクスポネンシャルな技術と、それらが経理財務部門にもたらすインパクトについて詳しく解説しています。


これは進化であり、革命ではありません

次の用語で定義がわかるものはいくつありますか?

□ 生成AI

□ 大規模言語モデル(LLM)

□ 機械学習

□ 拡張現実(AR)

□ 量子コンピューティング

これらの最先端のソリューションが経理財務部門の進化において大きな役割を果たす可能性が高いことは周知の事実です。しかし、問題はどのようにそれを実現するかであり、これら技術が進化し続ける中で、その答えを見つけるのは各組織とそのリーダーシップに委ねられます。

前向きな考え方は機会を生み出す可能性がありますが、テクノロジーの限界、投資効果、公平性と偏見の懸念、盗作、知的財産の盗難、社会経済的課題の中で迫りくる倫理的な欠点などについて懐疑的になる余地もあります。これほど多くの変化に直面している中で、注意しなければ惰性的にこれらの問いに向き合いかねません。

このことを念頭に置いて、今後数年間組織に影響を与える可能性のある技術に関する実用的なガイドを作成しました。知るべきこと、注意すべきこと、どこに焦点を当てるべきかを示します。

当社の「Crunch Time」レポートは、経理財務部門がより戦略的な役割を担うために、企業におけるデータの全体像を見極め、管理するためにリーダーシップのコミットメントを伴う集中的な取り組みについて詳しく調査したものです。

 

The technologies: 現在と将来のテックトレンド


オリジナルAI 

従来のAI機能には、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、自然言語処理(NLP)、コンピュータビジョン(顔認識など)などが含まれます。AIは何年も前から存在し、一部の経理財務組織はタスクの自動化、パターンと相関関係の発見、過去データに基づく組織の正確な将来の予測支援などにAIを広く利用しています。これらのツールは、定常業務を自動化し、人間の作業負荷を軽減できることが実証されていますが、複雑さ、曖昧さ、予期せぬ状況に適応するという点では、人間の労働者と完全に置き換えることはできません。
 

機械学習

アルゴリズムと過去データを使用してパターンを特定し、予測を行うデータ分析方法です。
明示的にプログラムされたルールに従うのではなく、サンプルから学習します。経理財務部門においては、判断に基づいた決定が次のステップに影響する大量の業務に使用できます。ただし、人間のように異常の背後にある理由の理解や質の低いデータ処理はできません。生成AIに関心のあるリーダーにとって、機械学習は同様のユースケースに適用することができ、(今のところ)一般的により迅速かつ安価であり、手始めとして良い技術となるでしょう。
 

生成AI

生成AIは、テキスト、コード、音声、画像、ビデオなどの新しいコンテンツを作成できるAIの一分野です。経理財務領域では、財務計画や分析から、税務、内部監査、経理まで、あらゆる分野で業務を変革する可能性を秘めています。予算と実績の差異分析やレポートの作成ができますが、おそらくAIで生成された結果を取締役会に提示することないでしょう。それでも、生成AIは人間がより効率的かつ効果的に仕事をする支援ができるため、今後数年間で経理財務業務を劇的に変化させる可能性があります。
 

拡張現実

拡張現実 (AR) は、主に費者向けの分野で台頭している技術であり、その基本的な機能は、ユーザーの現実世界を見ている視界に画像を重ね合わせて仮想体験を構築することです。
デジタルツインテクノロジーと組み合わせると、生産ラインや新施設のデジタル生成シミュレーションを使用して、インタラクティブで没入感のある体験を創造できます。生産コスト・運用費用などの財務情報が工場ラインの現実世界に重ね合わされて「見える」ことを想像してみてください。ただし、現時点では、ARの用途のほとんどは消費者向けであるようです。
 

量子コンピューティング

量子コンピューターは、量子物理学と量子力学の原理を利用して、数学そのものを超越する速度で複雑なタスクを実行します。無限の可能性を秘めていると思われますが、研究者たちはその能力をまだ研究中です。経理財務リーダーにとって、常に最新情報を把握しておくべきテクノロジーかもしれませんが、すぐに使用する可能性は低いでしょう。しかし、将来的には破壊的な力となり、シナリオモデリングをさらに効率的に、より短時間で実行できるようになるかもしれません。

 

人間、技術、データ、統制のDNA

進化は DNAに基づいています。経理財務部門にどのような技術を取り入れるにせよ、技術の進化は、無駄を排除した効率的かつ信頼性の高い基盤、かつ、データ、セキュリティを十分に整備した基盤の上に成り立つ必要があります。

人材、プロセス、コア技術(データの取り扱い方法を含む)への重要な投資は、最先端の技術の導入を決定したときにより良い結果をもたらすことを意味します。土台がないために、経理財務部門が新しいテクノロジーを信頼し拡げることができない場合、その投資はおそらく価値がありません。

 

決断の時

ここで紹介している手順を踏めば、基本的なロードマップが完成します。それに忠実に従ってください。新しく輝かしいものが登場した場合は 、一歩下がって基本を検討してください。最先端技術は実際にどのように経理財務部門に価値をもたらし、ビジネスパートナーとしての地位を強化するのでしょうか。それはすでに実装されているものと本当に異なるのでしょうか。それとも、本当にゲームチェンジャーなのでしょうか。これらの質問に答えられるのは、あなたとあなたの組織だけです。

ただし、前進する際には、革命ではなく進化であることを忘れないでください。

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