デロイト トーマツグループでは、付加価値が高い専門的サービスについて、戦略策定から実行支援までEnd to Endで提供できる体制を目指しています。ソリューション提供体制のスピーディーな実現のため、高い業務品質を持ち、ビジョンやカルチャーを共有できる外部企業との連携(グループイン)を推進しています。
本記事では、デロイト トーマツ グループに参画した企業リーダーの生の声をご紹介します。
中野 smooth(現 DTsm)は、石川県を拠点に中小企業やスタートアップ企業向けのDXアドバイザリーを主力に創業時より急成長を続けていましたが、設立7期目に入り組織を拡大する中でこれまでの成長率を維持するために様々な課題を抱えておりました。当時、成長戦略の検討・実行やガバナンス管理は私と創業メンバー2名で行っておりましたが、次のフェーズの成長を考えるうえで組織体制の強化が必須であり、今後の成長の方向性について本格的に考え始めた状況でした。経営状況は順調で上場も視野に入れていましたが、上場を見据えてガバナンス面の構築や組織体制を強化していく等のロードマップを試行錯誤した結果、大手企業へのグループインの選択肢は準備段階で社内にストレスを与えることなく、かつ短期間でsmoothの今後の成長に必要な要素を得られるという考えに至り、大手企業へのグループインの検討を始めました。
グループインを模索する中で相手先の一社としてデロイト トーマツと面談した際に、会計および監査を基礎としたファームというsmoothとの事業面の相性の良さに加え、デロイト トーマツの事務所の雰囲気や従業員の方々の考えを伺い、率直に好印象を持ちました。加えて、過去のグループインの事例を紹介いただいた際に、自分自身が求めていた経営人材の支援が得られることや、グループ全体の専門家との連携、対外的な信用力の強化等、デロイト トーマツの経営資源を最大限に活用することで、間違いなく今後の自社の成長にレバレッジがかけられると判断し、デロイト トーマツへのグループインを決心しました。
中野 元々は中小企業やスタートアップ企業向けのDXアドバイザリーが事業の中心でしたが、グループイン後はデロイト トーマツと共同で官公庁や自治体を含む公共系の案件に参入が可能になるなど、クライアントの広がりや専門家との連携を実感しています。特に公共系の案件は入札資格や実績が必要なケースが多く、デロイト トーマツの信用力と総合力を活用できる象徴的な事例だと考えています。また、元々ローカルにフォーカスして運営してきたDTsmのノウハウを生かしつつ、助成制度を活用して中小企業のDXを推進する試みも取り組んでいます。
森 公共案件では地区事務所への紹介、連携を積極的に推進し、徐々に案件創出につながっています。DTsmは、しっかりとクライアントに入り込むことが得意で、その関係性の深さから、例えば監査法人が行うIPOアドバイザリー業務へのトスアップも実現できています。加えて、M&Aアドバイザリーを主力とするデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーとも連携し、カーブアウトを伴うM&A案件においてカーブアウト後の新設企業のDX推進をDTsmが担う座組も実現しており、グループ連携が更に進んでいます。
中野 前向きな反応と漠然とした不安の両方がありましたが、グループインして間もない時期から、双方に出向人材を出して積極的に相互理解が進むように工夫をすることで不安は解消していきました。例えば、デロイト トーマツ税理士法人に従業員を送り出したり、逆に監査法人から出向人材を受け入れたり、グループ法人の垣根を越えた人材交流が進んでいます。また、東京で懇親会も行いますが、従業員が積極的に参加したがっている状況を見ても前向きにとらえているという感覚がありますね。
元々地域企業としては、積極的に採用に取り組んでいた方だと思いますが、フルリモート勤務を行っていることもあり、グループイン後は全国から新規採用を増やすことができました。また、デロイト トーマツ コンサルティングが行っている全体研修に共同で参加させてもらっていて、従業員の刺激になっています。その他、グループの福利厚生の一環で利用可能なe-learningも全社で積極的に活用しています。
中野 デロイト トーマツ側から一緒に経営に参画するメンバーが入り、経営レベルの議論ができる仲間が増えたことは本当にありがたいと思っています。自社だけでなくグループ全体として改善した方が良いと思った点を指摘した場合も受け止めて改善しようとしてくれるなど、双方に意見を言い合える関係性が構築できている点も上下関係がなく風通しの良い専門家集団であるデロイト トーマツ グループの組織文化だと感じています。また、制度設計の側面では、過去にインオーガニックでグループに参画された企業のPMIの事例やグループとしての専門知見を活かしながら、アップデートを進めています。
中野 DTsmは現在新しいフェーズに入っています。もちろん元々のメインクライアントである中小規模の企業も引き続き大事にしていきますが、上場クラスの大手のDXアドバイザリー業務を始めようと企画している状況です。今まで以上に高度化された案件を取りに行くので、新たな取り組みや変化を従業員も楽しんで仕事をしてくれています。
森 今後のDTsmの成長の肝は更なるMDM(Multi-Disciplinary Model=デロイト トーマツ グループが有する多岐にわたる知見やサービスを融合し独自の価値を生み出していく戦略)推進であり、デロイト トーマツの専門家との連携による新しいERP導入支援や生成AIを絡めたサービス開発も進めていきます。
写真:中野 祐希(左)、森 宗太郎(右)
中野 祐希
2006年に大学卒業後、北國銀行に新卒で入行し、渉外や海外事業を担当。また、本部でのコンサルティング部立ち上げに従事し、多くの中小企業との折衝業務を経験。2017年に現DTsmを設立し、freee、 kintone、SalesForce等のSaaSを組み合わせたバックオ フィス効率化を幅広く提案し、年間200件以上の業務フロー構築やシステム導入を支援し、多数の実績を有する。DTsm代表取締役社長。
森 宗太郎
監査法人ト―マツ(現:有限責任監査法人トーマツ)に入社後、グローバル展開する製造業や物流業等の会計監査業務、決算早期化や決算期統一に関するアドバイザリー業務、内部統制の高度化に関するアドバイザリー業務、IPOやIFRS適用に向けたアドバイザリー業務等に従事。現在は、決算業務のデジタル化や高度化に関するアドバイザリー業務を担当し、DTsm代表取締役副社長に就任し、DTsmの成長を牽引。