メインコンテンツに移動する

クライメート・トランジションを補償する

何が機能し、何を改善する必要があるのか?リスクを抱える顧客とソリューション・プロバイダーからの見解


気候変動は予想以上のスピードで進行している。保険およびより広範なリスクマネジメント業界は、企業が再生可能エネルギー源と低炭素ビジネスモデルへ転換することを支援する多くの機会を持ち、重要な局面に立っている。2023年における自然災害による世界の経済的損失は3,800億米ドルとなったが、そのうち付保されていたのはわずか1,180億米ドルであった。経済的損失を超えた影響は、人々の健康への影響や事業の中断、サプライチェーンの破綻、規制・法律の変更などを含む広範囲に及んだ。世界がより持続可能な未来に向けて努力するにつれて、ネットゼロへのトランジション(「トランジション」)を支援する保険業界の役割はますます重要になっている。

デロイトとAonによる本レポートでは、保険会社とその顧客が、リスクに対する理解を深めスケーラブルで効率的なソリューションを推進するための道筋を探る。変化する(再)保険のニーズを探るべく、我々はEMEA、北米、APAC地域の専門家30名にインタビューを行った。
我々は、トランジションを促進する上でリスク(移転)ソリューションの妨げとなる可能性がある4つの課題を特定した。

  1. 保険はトランジション・プロジェクト(例:再生可能エネルギーの開発)において後回しにされる(プロジェクトの設計や資金調達の決定に比べ、保険の適用は「後で検討する事柄」とみなされることが多い)
  2. 保険はトランジションの長期的なニーズに適合しないことがある(多くのリスクに対する保険の更改や保険期間は、依然として年単位のサイクルで運用されており、長期的なトランジションのニーズとしばしば不適合を起こす)
  3. 保険会社は、トランジションを支援するアプローチにおいて、主に商品主導でソリューション指向ではない(保険会社における商品と機能のサイロ化は、革新的なリスク移転ソリューションの開発に必要な分野横断的・多機能的アプローチを阻害する可能性がある)
  4. 国際的な再保険会社によるクライメート・トランジションに関するコミットメントは、新興市場の保険会社によるコミットメントとは整合していないことが多い(先進国市場における国際的な再保険会社の気候変動に関する目標と野心は、新興国市場で事業を展開する保険会社の現地の実態と、一致しないことがある)

本レポートでこれらの課題について議論しているが、最終的には、リスク(移転)ソリューション業界はクライメート・トランジションにおける重要なイネイブラーであり、低炭素未来への世界的な移行が意図せず遅延するのを防ぐことができると考えている。気候変動に伴うリスクをより適切に管理するために、リスク、エンジニアリング、金融の洞察力をより効果的に組み合わせる方法を見出すことがますます重要になっている。

レポートの調査結果や、それがお客様のビジネスにどのように役立てるかについて、意見交換の機会をいただけると幸いです。

このページはお役に立ちましたか?

ご協力ありがとうございました。