新型コロナウイルスによる制限が全面解除となった2023年にJリーグは10,965,170人の来場者となり2019年の99.3%まで回復し、改めてスタジアムでの観戦体験を楽しむ環境が整いました。デロイト トーマツ グループでは2018年より独自のアプローチでスポーツの観戦体験の可視化や向上に向けた活動を進めています。
本レポートでは、Jリーグ全60クラブのホームゲームへの来場者および配信視聴者に対して行ったアンケート結果をもとにJリーグが提供する観戦体験・視聴体験を可視化しました。リーグ毎の比較や、コア層とライト層の違いなどをカスタマージャーニーなども使って比較することでより良い観戦体験・視聴体験の実現に向けた可能性についても言及しています。
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メインコンテンツである「試合そのもの」の満足度が低いという意外な結果となっている(図表1)が、来場者の多くは試合内容への期待が他の体験に比べて高いため、特にコアファンの回答が多く集まった本調査においてはその特性が現れたものであると考えられる。
傾向として観戦前の体験よりも観戦後の体験の方が低く、試合後の余韻を過ごす時間や次節に向けての観戦意欲促進などフォローアップの領域での観戦体験の満足度向上の可能性があると考えられる。
図表1 カスタマージャーニー(リーグ全体)
「一人または夫婦」で「自宅」で視聴するスタイルが多く、来場での観戦体験に比べ、試合後の体験の満足度が高い傾向がある(図表2)。また、中継のコンテンツの視聴に集中する傾向があり、サードパーティが提供する配信関連サービスの認知や利用度は非常に低く、今後のビジネスポテンシャルとなる可能性があると考えられる。
図表2 カスタマージャーニー(視聴体験)