サービス

データの力で政策を最適化するEBPM推進に向けた支援サービス

エビデンスに基づく政策立案への変革

政府全体で取組が強化されているEBPM(Evidence-based policy making)に関して、豊富な実績に基づくデロイト トーマツの知見を活用した、ロジックモデル作成からリサーチデザイン・効果検証、職員向け研修等のエビデンスに基づく政策立案への変革に向けた幅広い伴走支援サービスを紹介します。

EBPMが求められる背景

1990年代頃から英国や米国で発展してきたEBPMは、日本においても取組が強化され、特に、はじめて「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に「EBPM」の文字が登場した平成29年以降、政府全体として推進する動きが加速しています。EBPMを推進することは、エビデンスによって効果が裏付けられた政策に予算を重点化して、効果的・効率的な支出(ワイズスペンディング)につなげられることが期待されます。また、令和4年に設置された「アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループ」では、従来よりも踏み込んだ議論・提言がなされ、行政の「無謬性神話」から脱却し、複雑かつ困難な社会課題に適時的確に対応できる、より機動的で柔軟な行政への転換を目指すことが示されています。

経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)におけるEBPM関連の変遷
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デロイト トーマツが提供するEBPM支援の価値

デロイト トーマツは、政策におけるPDCA全体をカバーする形で、政策立案から実行、効果検証、対策・見直しまで幅広く官公庁におけるEBPM実践を支援します。また、これからの時代における政策意思決定では行政職員自身がこれらの能力を備えることが不可欠となることが想定され、EBPM人材育成の面からも支援します。

デロイト トーマツにおけるEBPMオファリングの概要
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① ロジックモデル作成・リサーチデザイン

ロジックモデルはEBPMのベースであり、重視すべきアウトプットやアウトカムを明確化、全体的な論理的整合性を確認することによって、真に政策目的と合致しているか等を、セルフレビューする役割があります。また、体系的にわかりやすく整理することで、アカウンタビリティを果たす際にも有効に活用することができます。リサーチデザインは、事後の効果検証を適切に実施するためには不可欠であり、これを怠ると、本当であれば取得できたはずのデータが得られずに十分な効果検証が実施できなくなる等の問題につながります。

これらのロジックモデル作成やリサーチデザインには、以下に示す点を含め、実践する際において気を付けるべきポイントが多く存在します。デロイト トーマツは、実践時に留意すべきポイントを踏まえた質の高いロジックモデル作成・リサーチデザインができるよう支援します。

ロジックモデル作成・リサーチデザイン
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② データ取得・整備・モニタリング

政策実行フェーズでは、企画した事業を確実に推進することに注力するため、相対的にEBPM視点での意識が低くなりがちです。しかし、このフェーズにおいても適時、進捗具合を把握しながら、必要な見直しを行うことが本来目指すべきアジャイル型政策形成・評価といえます。事業推進時、確実に必要かつ品質の高いデータを取得・蓄積・管理することが重要で、デロイト トーマツはこれらを適切に実施できる仕組みづくりを支援します。

データの取得・蓄積・管理では、政府のデジタル社会推進標準ガイドライン群の中において、EBPMを含めたデータ活用推進にはデータ品質及びデータ・マネジメントが必要であるとして、それぞれガイドブック(データ品質管理ガイドブック、データ・マネジメント実践ガイドブック)が公表されています。特に砂上の楼閣を防ぐデータ・マネジメントとして、Data(データ)、Information(情報)、Knowledge(知識)、Wisdom(知恵)の関係性を示したDIKWモデルが紹介されています。EBPMは、DIKWモデルでいうKnowledge、Wisdomに係る活動になり、データの品質が大きく影響することは一目瞭然です。

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また、近年では、新型コロナウイルス感染症等に起因した不確実性が高い環境を踏まえて迅速に状況を把握するための指標開発支援等も行っています。

データ取得・整備・モニタリング
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③ 効果検証に係る分析

効果検証では、エビデンスレベルが高い効果検証手法を用いる場面があり、時として高度な計量分析のスキルが求められます。デロイト トーマツは、これまでに官公庁と連携して実際の政策に関する高度な因果推論を含む効果検証を数多く実施してきた実績があり、「実験データ」を用いたランダム化比較試験や統計調査等の「観察データ」を用いた差の差分析・回帰不連続デザイン等の疑似実験に関する知見・ノウハウや外部学識者とのリレーションを活用して、効果検証を支援することができます。

また、こうした高度な分析結果は、高い専門知識がなければ読み解けない難解なアウトプットとなりがちですが、平易でわかりやすいアウトプットもセットで対応します。

効果検証に係る分析
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④ 政策的インプリケーション

効果検証結果を単純なファクト集として終わらせないために、政策的インプリケーションを導出します。効果検証においては、特に計量分析スキルが重視されがちですが、結果を適切に解釈するためにはドメイン知識が必須です。デロイト トーマツは、国内外問わず、幅広い政策領域に精通したプロフェッショナルが在籍しており、これらを組み合わせることによって、有効な示唆を得ることが可能です。

政策的インプリケーション
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⑤ EBPM人材育成

日本におけるEBPMは、近年、先行する英国や米国を参考にしながら取組が進んでいますが、緒に就いたばかりとも捉えられます。そのため、政策に関わる職員においては十分にその能力が備わっていないことがあります。これからの政策立案・評価においては、EBPMに関するスキルが必須となることが想定され、EBPM人材育成の観点から、デロイト トーマツでは政府職員向けにEBPM研修等を実施した実績を有しており、必要に応じて外部学識者とも連携しながら、研修の企画・運営等を行います。

EBPM人材育成
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プロフェッショナル

根本 直樹/Naoki Nemoto

根本 直樹/Naoki Nemoto

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

AI(主にニューラルネットワーク)の活用研究(人間の感情認識)の後、テレコムセクターでの国際技術標準・基準適合に関する計測コンサルティングからビジネス・キャリアをスタートして以来、客観的に測ることをベースとした事実の見える化による分析、課題抽出、仮説検証、課題解決に一貫して取り組んでいる。 中央省庁におけるクライアント本来の目的追求及び利便性向上に資する業務改善を軸とした社会保障分野業務情報システ... さらに見る

吉沢 雄介/Yusuke Yoshizawa

吉沢 雄介/Yusuke Yoshizawa

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

データサイエンティスト職を経て現職。自動車、消費財、EC、商社、広告代理店業界を中心に経営意思決定・マーケティング・セールス領域におけるアナリティクスやデータ、デジタルを活用した戦略策定から実行支援に強みを持つ。近年はデータ駆動型経済におけるDX戦略及び全社改革、デジタル関連企業のM&Aを中心に従事。企業活動にエビデンスに基づいた意思決定する仕組み・文化を導入することを推進している。 「パワー・オ... さらに見る