サービス

ストレステスティング支援サービス

例外的であるが起こり得る危機に備えたリスク管理体制構築のために

シナリオからポートフォリオや収益へのインパクトを特定化し、経営の有効な武器となるストレステスト態勢の構築を支援します。

ストレス テストによるリスク管理

2007年以降の金融危機を通じて、金融機関のリスク管理に内在する多くの問題が浮き彫りとなりました。そうした問題の1つに、リスク管理がVaR(バリュー・アット・リスク)というリスク計測手法に依存しすぎていたことが挙げられています。昨今の金融機関のリスク管理には、こうした過去の事象に縛られるような機械的な対処法ではなく、より高次な発想に基づく自由度の高い対処が求められるようになっています。ストレステストは以前から存在するリスク管理手法ですが、その柔軟性や分かりやすさから近年改めて利点が見直されており、バーゼル銀行監督委員会や金融庁からもストレステストを活用したリスク管理強化の必要性が強く指摘されています。また、近年、欧米の監督当局は、主要な金融機関に対してマクロシナリオをベースとしたストレステストを実施し、その結果から主要行に対して自己資本の増強や配当支払の制限を求めるようになってきています。

 

要件とサイクル
要件とサイクル(画像をクリックすると拡大出来ます)

これからのストレス・シナリオに求められる要件

金融当局は、従来は想定外とされていた金融システムやマクロ経済の大きな構造変化に起因した事態への対策まで金融機関に求めるようになっています。このような例外的であるが起こり得る危機を想定したうえで、ストレス・シナリオを作成することは、ストレステストの実施の際に重要なプロセスとなります。経営陣やステークホルダーから関心を引き出し、彼らを納得させるストレステストを行うためには、客観的でフォワード・ルッキングな、さらに網羅的でダイナミックなストレス・シナリオを作成する必要があります。こうした要件を備えたストレス・シナリオの必要性は、国際機関や当局からも指摘されています。

  

デロイトが提供するストレス テスト支援サービス

ストレス情報の提供サービス

リスク管理戦略センターでは、海外の主要機関や当局、金融機関やメディアが伝えるマクロ・リスク情報や、バーゼルIIIを始めとした世界の規制情報をコンパクトにまとめ、「マクロ経済・リスク情報提供サービス」としてご提供しています。本サービスにおけるストレス・シナリオも、このような分析に基づき作成しています。


ストレス・シナリオと蓋然性評価結果の提供サービス

デロイト トーマツが独自に収集したストレス事象に関する最新情報や過去のイベントから抽出したパターンを活用し、蓋然性が高いと考えられる複数のストレス・シナリオを作成しました。また、これらのストレス・シナリオがフォワード・ルッキングで客観的であり続けるために、適宜ストレス・シナリオの発生可能性を様々な視点から分析し、シナリオのメンテナンスを行っています。

 

ストレス・シナリオにおける経済変数予測の提供サービス

主要なストレス・シナリオが金融経済変数にどのように波及するのか、その確認にはデロイト トーマツ経済モデルを活用します。足許の経済・金融データや、蓋然性の高い金融・財政政策の見通しを反映したベースラインシナリオに各種ストレスインパクトを与え、シミュレーション結果をご提供します。


リスクファクター・インパクト分析サービス

自己資本比率や当期純利益といった貴社において重要なリスク・ファクターを特定し、主要ストレス・シナリオで想定される経済変数の変化が、そうしたリスク・ファクターをどのように変化させるのかを分析し、その結果を定期的にご提供いたします。


テーラーメイド型のストレステスティング実行支援

デロイト トーマツでは、これまでご紹介したサービス内容を全て含む総合的なストレスティング支援も行っています。まず、ウィーク・スポット診断やリスク・アペタイトの検討を通じて、貴社にとって重要だと考えられる複数のストレス・シナリオを作成します。次に、それぞれのシナリオについてデロイト トーマツ経済モデルを使用して先行き数年間のマクロ経済変数を作成し、それらが貴社にとって重要なリスク・ファクターに与える影響を分析します。最終的には、こうした分析の結果を踏まえ、それぞれのストレス・シナリオにおける適切な対応オプションの検討支援を行います。
 

(PDF, 1.1MB)

プロフェッショナル

勝藤 史郎/Shiro Katsufuji

勝藤 史郎/Shiro Katsufuji

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー マネージングディレクター

リスク管理戦略センターのマネージングディレクターとして、ストレス関連情報提供、マクロ経済シナリオ、国際金融規制、リスクアペタイトフレームワーク関連アドバイザリーなどを広く提供する。 2011年から約6年半、大手銀行持株会社のリスク統括部署で総合リスク管理、RAF構築、国際金融規制戦略を担当、バーゼルIII規制見直しに関する当局協議や社内管理体制構築やシステム開発を推進。2004年から約6年間は、同... さらに見る