製薬業界におけるスマートファクトリー構想

スマートファクトリー化による製薬製造の変革

製薬業界では、品質問題への対応、薬価抑制、モダリティの多様化などの環境変化に加え、製造業全般における人材不足・技術伝承などの課題対応や、環境配慮への機運の高まりといった影響を受けている。将来的なリスクを見据え、安定供給実現のためには、従来のサプライチェーンの在り方からの転換が求められている。
近年、様々な業界において、デジタル技術を活用したスマートファクトリー化が注目されている。では、なぜスマートファクトリーが注目されているのだろうか。そこには、スマートファクトリー化が単に目の前の業務をデジタル化することで製造現場を改善するのみならず、深刻化するビジネス課題への対応や、環境変化への柔軟な対応を可能とすることが理由に挙げられる。
デジタル技術がどのように活用されスマートファクトリー化が推進され、どのような効果をもたらすのか、先進事例を示しながら、製薬製造の目指す姿について提言する。

執筆者
 

上西 洋一 / Kaminishi Yoichi
デロイト トーマツ コンサルティング　パートナー
医薬品流通や製造・サプライチェーン改革に関わる支援を多数手掛けている。
再生医療等の新規モダリティ分野に関するバリューチェーン分析にも従事しているほか、製造・サプライチェーン領域に関する講演・執筆も複数実施。

岡部 亮一 / Okabe Ryoichi
デロイト トーマツ コンサルティング　ディレクター

医療機器・製薬や電機・ハイテク、自動車などにおける戦略策定から、オペレーション改革・システム導入に従事。
近年ではスマートファクトリーなど製造のデジタル化推進に特化した支援に注力。