事例紹介

取組事例紹介 つくば市学園南エリア未利用地の有効活用

不動産開発事業やまちづくりに係る開発・建築アドバイザリーサービスによる取組事例

デロイト トーマツでは、企業や行政機関等が保有する不動産の有効活用、開発、建替え、改修事業に関して、不動産・建築・財務・会計等の各分野のエキスパートによるアドバイザリーアップにより、開発・建築に関するアドバイザリーサービスや、官民連携事業や面的な不動産開発事業、まちづくり検討に係るアドバイザリーサービスを提供しています。本稿では、サービス提供実績より、有効活用の方針検討から公募型プロポーザル等による土地売却に携わった「つくば市学園南エリア」プロジェクトを紹介します。

取組事例紹介 つくば市学園南エリア未利用地の有効活用

本プロジェクトは、非営利型一般財団法人が長年所有してきたつくば市学園南の未利用地について、デロイト トーマツが開発・建築アドバイザリーサービスを提供し、その有効活用手法の検討から開発を行う買受者の選定に至ったものです。

本件の対象地は、つくばエクスプレスの建設に伴う葛城一体型特定土地区画整理事業の開発区域となったつくば市学園南エリアの約16haの土地であり、2014年に換地後、未利用のままとなっていました。

出典:国土地理院

自己利用を含めた活用手法の検討

研究所用地としての利用や、設備更新を視野に入れた将来的な事業など、その自己利用の検討と合わせ、借地や売却などによる第三者活用での有効活用との比較検討を行った結果、2021年度には対象地の売却に向けた検討を進める方針となりました。

行政が目指すまちづくりや地域活性化、産業振興への貢献

対象地の活用については、茨城県やつくば市が目指すまちづくりへの貢献や周辺住民への配慮、地域活性化への貢献、産業の振興への期待の声もありました。

そこで対象地の売却にあたっては、競争性を確保すると同時に公正かつ透明性の高い売却手続を実施し、対象地の開発計画の内容も審査したうえで対象地の買受者の選定を行う公募型プロポーザルを実施することになりました。

公募型プロポーザルの実施

不動産アドバイザリー“開発・建築アドバイザリーサービス“では、日ごろよりデロイト トーマツの”インフラ・公共セクターアドバイザリー”との連携により“都市戦略アドバイザリーサービス”を提供し、官民連携事業や面的な不動産開発事業でのノウハウを有しています。本件では官民連携事業におけるアドバイザリーサービスのノウハウを生かし、公募型プロポーザルの実施および事業者選定に向けた助言を行いました。

公募型プロポーザルの成立に向けては、初期検討フェーズから複数の民間事業者に対するヒアリングを実施し、また公募開始前には公募型サウンディングを実施することで、事業者提案・意見を幅広く募り、公募主体の実現したいことの具現化と、事業者の参画意欲の醸成に取り組みました。

また、本件の公募主体は地方公共団体ではありません。公募型プロポーザルの実績は少ないため、各フェーズに応じた細やかな対応を意識して取り組みました。

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新しいまちづくりへの期待

2023年に公募型プロポーザルを実施し、最終的に3者より活用提案を受け、選定委員会での審議の結果、買受先を選定し、土地の引渡まで完了しました。

買受者は、開発地の北側に、分譲マンションと教育施設(中高一貫校)、中央には広場や商業施設、南側には研究施設や物流施設、保育施設などを配置する大型複合開発によって「スーパーサイエンスシティ」を計画しています。

2028年4月のまちびらきに向け、今年夏頃から開発が始まる予定となっています。

執筆者

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
インフラ・公共セクターアドバイザリー
シニアヴァイスプレジデント 後藤 佑介
不動産アドバイザリー 
ヴァイスプレジデント 石井 理紗
ヴァイスプレジデント 木村 映美

(2024.2.13)
※執筆者の社名・役職・内容等は、掲載日時点のものとなります。

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