ナレッジ
保険グループのトップリスク再考
管理するリスク領域の拡大とリスクの認識・評価の手法
近年、保険グループの海外事業展開や事業分野の拡大、技術の進歩や社会的な役割期待の変化により、保険グループが管理すべきリスク領域が拡大しています。また、最近発生した事象から、組織の中で社会的規範や市場における公正性、透明性の観点からもリスクを考える必要性が高まっています。保険グループの事業領域や環境が大きく変化している今、管理の対象となるリスクを捉える視野を拡大する必要があります。
保険グループのトップリスク再考～管理するリスク領域の拡大とリスクの認識・評価の手法
保険グループにおいて、リスク管理はコアとなる機能です。さらに近年は、保険グループの海外事業展開や事業分野の拡大、技術の進歩や社会的な役割期待の変化などがあり、保険グループが管理すべきリスク領域が拡大しています。また、最近発生した事象から、組織の中で社会的規範や市場における公正性、透明性の観点からもリスクを考える必要性が高まっています。
従来、保険グループは環境変化等により新たに表れてくるリスクをエマージングリスクとして洗い出し、その中から重要なリスク、トップリスクを特定して定性的なリスク管理を行っていますが、保険グループの事業領域や環境が大きく変化している今、管理の対象となるリスクを捉える視野を拡大する必要があります。
本稿では、保険グループのリスク管理において、リスクを認識する手法としていくつか紹介しています。これらの手法はさまざまなセクターで用いられているものであり、保険に特化したものではないですが、保険事業にあてはめてみることにより、異なる観点からリスクを把握する機会となります。また、保険グループが事業を拡大し、保険以外の事業を行う子会社を保有するようになっていますが、それらの子会社における事業リスクを分析する際にも有用であると考えます。
プロフェッショナル
小林 晋也／Shinya Kobayashi
有限責任監査法人トーマツ マネージングディレクター
勝藤 史郎／Shiro Katsufuji
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー マネージングディレクター
