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社会課題解決をテーマとした社会実装イニシアチブの事例:宇宙アートプロジェクト「WE」

FA Innovative Senses 第8回

デロイト トーマツでは、新たな発想とともに、事業開発・社会実装を事業パートナーと共に行うイニシアチブに取り組んでいます。その取り組みの一例として、宇宙アートプロジェクト「WE」を紹介します。

社会課題解決をテーマとすることの意義

環境問題や情勢不安をはじめ、現代社会が直面する多くの課題は、肥大化・複雑化を続けています。日本国内においては、経済の長期停滞や人口減少の影響により、企業や個人が投資や消費を抑え込む傾向が強まったことで、経済活動も委縮し、将来への期待が乏しくなっている現状です。一企業・団体にできることや個々人ができることが相対的に小さくなってきており、様々な課題が目の前にあったとしても、立ちすくんでしまう傾向にあるのではないでしょうか。

デロイト トーマツでは、このような機運を変えていくためには様々なパートナー企業や団体と共に自社のリソースを最大限活用し、「社会全体での多業種連携」を実現することが、社会ひいては自社の価値を高めると考えています。これらの思いのもと、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社のブランディングアドバイザリーチームは、宇宙アートプロジェクト「WE」に取り組んでいます。

 

宇宙アートプロジェクト「WE」とは

宇宙アートプロジェクト「WE」は、「宇宙から見た地球の視覚体験の再現」と題した展示への挑戦を通じ、世界中全ての人が地球の「サステナビリティ」と「平和」を強く希求するムーブメントの醸成を目指すプロジェクトです。

宇宙飛行士が宇宙から地球を眺めることによる、地球や生命への関わり方、さらには人生観そのものに対する意識変化は「オーバービューエフェクト(概観効果)」と呼ばれており、これまで宇宙に渡航した宇宙飛行士などの専門家や一部の富裕層など、人類全体でも600人程度のごく限られた人が体験できるものでした。本プロジェクトを通じて、このオーバービューエフェクトを地上で体験できるようにすることで、国籍、民族、文化、宗教を超え、世界中全ての人が地球の「サステナビリティ」と「平和」を強く希求するムーブメントの醸成を目指しています。本プロジェクトは、その実現に向けて、“World Environment” “War Ends”の頭文字、そして地球上の全ての人たちとの一体感を表し「WE」と呼んでいます。

宇宙アートプロジェクト「WE」は、主に以下の取り組みを実施する予定です。
 

<プロジェクトの主な取り組み>

  1. 宇宙空間での地球の撮影
    写真家・アーティストの高松聡氏が米スペースX社のクルードラゴンに搭乗し、民間人として世界初となる国際宇宙ステーション(ISS)への約30日間の長期滞在を通じ、最新の技術による宇宙空間での地球の超高解像度撮影に挑みます。地上での再現展示に向けて、前例のない複数台カメラ同時使用による超高解像度での撮影を試みます。
  2. 「宇宙から見た地球の視覚体験の再現」展示
    帰還後には、AIテクノロジーを徹底的に活用した映像後処理を行い、人間の視覚限界に迫る「宇宙から見た地球の視覚体験の再現」展示を計画しています。
  3. 産学連携による技術発展・学術研究
    プロジェクト実施に向けて、宇宙での撮影、地上での再現のプロセスにおいて様々な民間のスポンサーやパートナー企業、学術機関、宇宙関連機関などと連携し、技術・学術領域からの総合プロジェクトとして推進します。

「WE」への参画を通じた社会課題の解決へ

宇宙アートプロジェクト「WE」は、あらゆる企業・団体に開かれたプロジェクトです。「サステナビリティ」と「平和」を強く希求するムーブメントの醸成に共鳴いただける企業・団体様との連携を視野に入れてプロジェクトを実行しています。

デロイト トーマツは、「プロジェクト推進プロフェッショナルパートナー/オフィシャルスポンサー」として、プロジェクト推進役とスポンサーの2つの役割を担っています。プロジェクト推進役としては、プロジェクトの実現に向けて様々な分野におけるネットワークやプロフェッショナリティを活かすことで、社会課題の解決に寄与して参ります。

また、社会課題解決型の投資環境において、日本の寄付市場は成長の可能性があると捉えています。民間企業にとって、寄付は自らの資産を社会貢献に役立てるとともに、税制優遇を通じて経済的なリターンも享受できる仕組みです。一方で、日本の寄付市場は過去10年間で2倍になっているものの、米国の約30分の1に過ぎないのが現状です。デロイト トーマツは、この先見性のあるプロジェクトに対し、スポンサーとしても進んで寄付を行い、参画することを決定しました。

最後に、宇宙アートプロジェクト「WE」では、技術協力、人材交流、広報協力、スポンサーシップ等、様々なかたちで本プロジェクトに参画いただける仲間を募っております。ぜひ一緒に社会課題の解決と新たな価値創出に取り組みませんか。

 

関連サイト

ニュースリリース:デロイト トーマツ、高松聡氏による宇宙アートプロジェクト「WE」に、プロジェクト推進プロフェッショナルパートナー/オフィシャルスポンサーとして参画

ナレッジ:宇宙からの問いかけ 視覚体験が呼び起こす“一つの地球”と“世界の連帯”|社会実装
*当社運営の外部ポータルサイトFA Portalにリンクします

宇宙アートプロジェクト「WE」の紹介動画:
https://youtu.be/q3J2HxfLlCw?si=JdlI5Y2FGA0czqBc

「WE」ウェブサイト:https://missionwe.com/ja

※本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りする。

 

執筆者

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
ブランディングアドバイザリー 筒井大介
 

(2024.4.15)
※上記の社名・役職・内容等は、掲載日時点のものとなります。

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