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Japanese Business Tax Europe ニュースアップデート 2008年9月・10月

大阪(2008年9月8日)、東京(2008年9月11日)開催のJBTE税務セミナー

JBT Europeチームでは、日系多国籍企業グループを対象とした第2回欧州税務セミナーを開催いたしました。セミナーでは英国、ベルギー、ドイツ、オランダからの税務専門家が、欧州において事業活動を行う日系企業に重要と思われるトピックスを広範囲に取り扱いました。内容は以下の通りです。

  • 汎欧州における最新の税制アップデート、ロシア税制の動向
  • 持株会社と金融子会社の所在地国の比較
  • M&Aトランザクション・プロセスにおける留意点
  • 税務当局による移転価格調整による二重課税を回避するための実用的アドバイス

本セミナーに興味を持たれご参加くださいました250名以上の皆様に深く御礼申し上げます。参加者の皆様からは好意的なフィードバックとともに、追加情報に関する御照会が多数寄せられました。 欧州税務セミナーの資料の配布希望、次回のJBTE税務セミナー中に取り扱うべきトピックスについてのご意見等は、末尾のコンタクト先までご遠慮なくお寄せいただければ幸いです。

来年秋のJBT Euro欧州税務セミナーにてお目にかかれますことを楽しみにしております。

ベルギー
欧州共同体合併指令の修正

2008年9月3日ベルギー下院は、合併に関する修正指令(2005/19/EC)の規定を国内法に移行するための法案の承認プロセスを開始した。(クロスボーダー合併の詳細は、 JBTEニュースレター 2008年7・8月号を参考のこと。)

法案よると、以下の組織再編は、移転される資産が外国法人のベルギー内恒久的施設にひも付けされる限りにおいて、課税上中立とされる。

  • ベルギー居住法人から他のEU加盟国法人に対する、資産または単一または複数の事業部門の移転。
  • 受け入れ法人がEU法人である場合の、ベルギー居住法人の合併および(部分的)分割。
  • 当該指令によりベルギー国外で非課税とされるクロスボーダーの組織再編の一環における、あるEU法人のベルギー内恒久的施設の他のEU法人への移転。
  • 欧州会社(SE)または欧州共同会社(SCE)の定款上の所在地または実質的管理支配の場所の、その他のEU加盟国への移転。

この法案はさらに、ベルギー国内の企業再編成およびEU法人・非EU法人の別を問わず実質的管理支配の場所の移転についても、課税上中立とみなされると規定している。さらに、株式交換により実現したキャピタル・ゲインは課税免除とされる。企業再編において税務上の中立性が認められるのは、当該再編成がベルギー国および外国の会社法に則り行われること、かつ脱税または課税回避が主要な目的(のひとつ)ではないことを条件とする。

この法案はまた、みなし利息控除計算上の資本金の算定に関する規定をも含む。税務上の繰越損失は、再編成に関わる法人の税務上の純資産の割合に応じてのみ引きつぐことができる。

ドイツ
外国会社恒久的施設の損失の控除に関するルーリング 


最近公表された2008年7月17日付判決(IR8404)により、連邦税務裁判所 (Bundesfinanzhof)は、Lidl Belgium判決(JBTEニュースレター2008年5・6月号参照)を踏襲する判決を下した。

連邦税務裁判所は、欧州裁判所(ECJ)による見解を繰り返し、それを今回の裁判にも適用した。2008年5月15日付判決では、租税条約により法人の居住国において国外PEの所得に対する課税が免除される場合、当該法人が国外の損失を税額算定上考慮する可能性がないことを証明できない限り、他のEU加盟国のPEの損失と本店の利益との相殺を認めないとする国内法は、設立の自由の原則(EC条約第43条)により妨げられるものではないとECJは判決を下した。

連邦税務裁判所はさらに、Lidl BelgiumはPEが1999年に被った損失を、利益の出た2003年課税年度の所得と相殺していたことが、ECJにおける審問で確認されたことを指摘した。ただし、この事実はECJの審問において明らかにされたものであり、控訴を認めたBaden-Württemberg財務裁判所においてではない。連邦税務裁判所は、控訴を認めたBaden-Württemberg財務裁判所により確定された事実のみを考慮することができる。この結果、連邦税務裁判所は前述の事実を考慮することはできない。このため、案件はいったんBaden-Württemberg財務裁判所 に付託され、ここでECJの審問において確認された通り損失が後の利益と事実上相殺されたのかにつき明らかにされる必要がある。

Keller-HoldingにおけるECJ判決の適用に関するガイドライン

2008年9月30日、ドイツ財務省は、Keller-Holdingに関するECJ判決(C-471/07)およびそれに類似するドイツ連邦裁判所の2つの判決(I R 78/04 と I R 50/05)の適用について、公式なガイドラインを公布した。ECJは上述の2006年2月23日付判決で、あるEU加盟国において無制限の納税債務の対象となる親会社がその子会社の株式獲得のために要した金融コストについて、これらの金融コストが親会社が登記上の事務所を有し免税を享受するのと同じ加盟国内に設立された間接子会社から支払われた配当に関わる場合には損金算入を認める一方で、他のEU加盟国に設立された間接子会社からの非課税配当に関わるものである場合には損金算入を否認する同加盟国の法律は、EC条約43条の設立の自由の原則に抵触するとの判決を下した。

ガイドラインは、税務当局に対し、1993-1998年および1999-2000/2001年のすべての未決着の係争につき、EEA加盟国(EU、アイスランド、ノルウェー)に所在する法人からの非課税配当に関する営業費用の控除を認めるよう指示している。これらのケースにおいて、関連する営業費用は全額損金参入可能となる。

2000/2001-2003年については、実際の営業費用が配当所得の5%を超える場合、配当所得の5%は非課税配当に関わる営業費用として損金算入負不可とされる。実際の営業費用が配当所得の5%を下回る場合には、実際の営業費用が損金算入不可とされる。2000/2001-2003年の期間における居住法人からの配当については、非課税所得に関わる営業費用は損金算入不可とされる。最後に、2004年以降は、税引前国内・国外からの配当の5%は、このような非課税配当に関わる営業費用として損金算入不可とされる。

アイルランド
2009年度予算
 

去る10月14日に発表された2009年度予算(詳細措置は2008年11-12月に発表)は、事業に関わる課税に以下のような大きなインパクトを与える。

  • アイルランドのR&D税制が著しく強化された。R&D税額控除は、適格な支出増分については現在の20%から25%に引き上げられる。ただし、増額ベースの支出額テストのための基準年は2003年以降に設定されているため、2003年にR&D支出がほとんどなかった会社、皆無であった会社は、各年の適格R&D支出額に応じ税額控除が与えられることになる。この税額控除は、同様の支出についての法人税法上の控除に追加的に与えられるものであり、これにより総合的な節税メリットが37.5%まで増加する。 さらに、35%以上が適格R&D目的に使用される建物の建設費用・改装費用についても、当該支出が発生した年度につき支出額の25%の税額控除が認められる。(一種のClawback規定あり。「Clawback規定」?税額控除額が税額を超えた場合に還付ないしは繰り越しがあるという意味?)
  • アイルランド政府は、現在の法人税率12.5%についての継続的な公約により、「増税はない」と確認した。ただし、2008年10月15日以降に処分される資産のキャピタル・ゲインに対する税率は、現在の20%から22%に引き上げられる。
  • 事業を開始したばかりの適格法人の特別免税が導入された。これにより、年間の営業利益に関する法人税債務が40000Euroを超えない限り、3年間にわたりアイルランド法人税の免除が認められる。また、法人税債務が40000Euro超-60000Euro以下の場合には、部分的リリーフが認められる。
  • 政府は、知識経済としてのアイルランドのイメージを高揚し、アイルランドにおけるR&D、技術革新、IP関連事業を促進するための税制改革、税務政策を積極的に検討することを公約した。このため、近い将来、無形資産/知的所有権に関し、競争力ある税制措置の導入が期待される。
  • VATの標準税率は現在の21%から21.5%に引き上げられる。
  • 商業資産の移転に関わる印紙税の最高税率は、現在の9%から6%に引き下げられる。

日本
外国子会社配当益金不算入制度による外国子会社の本国還流促進のための改正案
 

2008年8月22日、経済産業省(METI) は「外国子会社の本国還流促進のための改正案-外国子会社配当益金不算入制度に向けて」と題する報告書を発表した。

外国子会社配当益金不算入制度導入のための本報告書の提案は主に以下の内容である。

  • 対象税目: 法人税(国税および地方税) 
  • 対象所得:海外子会社からの配当(海外支店利益、海外の投資所得は対象外) 
  • 対象となる外国子会社: 25%以上の持分を6ヶ月以上保有 
  • 益金不算入となる金額: 配当金額の一定割合(95%)または配当額から株式保有に関わる費用を控除した額 
  • 外国税額控除の改正: 配当に課税された源泉税の外国税額控除(および税の損金算入)は利用不可。配当された利益に対する外国法人税の間接外国税額控除は利用不可になる可能性。

現在、様々な省庁から提出されたプロポーザル(住宅用クレジットの拡大、一部の投資家(=原文ではOlder investersとある)を対象としたキャピタル・ゲインの免税、たばこ税率の引き上げ等)の中でも、本プロポーザルの内容は、2009年度税制改正大綱に反映されるものと思われる。

オランダ
2009年度予算 


最近オランダ政府は2009年度予算を可決した。2009年1月1日からの改正の一つは、2008年1月1日までの遡及効力を有する2008年法人税の減税である。2008年に適用される元々の法人税率は、EUR40,000Euro以下の所得については20%、EUR40,000超EUR200,000以下の所得については23%、EUR200,000超の所得については25.5% であった。減税の遡及適用により、2008年1月1日付の法人税率は、EUR275,000以下の所得については20%、EUR275,000超の所得については25.5%となる。2008年法人税率の引き下げは、暦年をまたぐ事業年度については期間按分で適用される。

現在の所、法人税率の引き下げは2008年についてのみ適用される。

最近の経済状況に起因する発表

  • 2009・2010事業年度に対する法人税率引き下げ

最近の経済状況を理由として、オランダ国務大臣は2009・2010事業年度についても法人税率を引き下げることを発表した。本税率引き下げは、第2の所得区分に適用される税率を23%から20%に引き下げることにより、第1所得区分と第2所得区分に適用される税率が20%に統一されることになる。つまり、2009・2010事業年度については、EUR200,000以下の所得については20%、EUR200,000超の所得については25.5%となる。

  • 自由償却制度

2009年に投資された資産は、耐用年数および残余価格にかかわらず2年間自由に償却できる。ある種の資産はこの制度の適用を受けることはできない。この自由償却制度により、(2009年と2010年には)50%以下であれば任意の償却率で償却を行うことができる。本税制案はすべての固定資産を対象とするが、以下の資産を除外する:住居、工業用建物、会社敷地建物、基礎工事、道路建設、水力技術工事、乗用車、無形資産(コンピュータ・ソフトウェアを含む)、家畜および作物。

自由償却は、特定の固定資産に関わる法的義務が2009年に締結された契約により発生する場合、当該固定資産に対して適用することができる。このため、今年予定されている投資を2009年1月以降に延期するか、2010年以降に予定されている投資を2009年に早期化することが有益となる可能性がある。

オランダ国務大臣により発表された内容は、現在のところまだ正式なものとはなっていない。


法人税率に関する将来のプラン

2008年12月16日、オランダ国務大臣は公式発表において、2010年以降国外からの投資を誘致するためにオランダ法人税制の抜本的な改正を行う計画を明らかにした。見直すべき重要事項の一つは、特に高い借入資本による事業活動または買収における利子費用を大幅に制限することを目的とする(グループ内)金融所得/費用の税務上の取り扱いである。

特定の措置が提案されているわけではないが、本発表は、2009年前半に法案が公表される予定であるとしている。国務大臣は、オランダの事業者が何を必要としているかにつき理解を深めるために、関連する事業者団体を招聘し意見を求める予定である。利子費用の損金算入を制限または否認することによる税収の増加分は、必ずオランダの事業者に還元すると述べている。これをどのように実現するかについては、更なる検討を必要とする。

さらに本公式発表では特に言及されなかったが、国務大臣は2008年12月15日の記者会見において、日系の事業者の慎重性を理解しており、そのため日本のタックス・ヘイブン税制が実効税率25%以下の法人に適用される限り25.5%の最高税率を引き下げる意図はないことについて明言した。また、税収の増額分の事業者への還元にあたっても、それが日系事業者の利害に反することのないような方法で実現されねばならないと述べた。

この重要課題について、2009年中に議論および通知がなされ、法律の適用は2010年になるものと期待される。

スウェーデン
2009年予算案における法人税改正 


2008年9月8日、政府は2009年予算案の中でいくつかの措置を公表した。改正措置は2009年1月1日付で発効する。予算案は2008年9月22日で国会で討議された。法人税に関わる主な改正事項は以下のとおりである。

  • 法人税率の引き下げ:現在の28% から26.5%。 
    • 関係会社間で利用可能な利息の損金算入制限の導入。
  • パートナーシップに適用される、資産の移転および在庫評価に関わる租税回避に関する規則の変更。
  • 社会保障費の料率が1%引き下げられ、31.42%となる。 
    利息控除の制限に関し、スウェーデン法人は、グループ内株式取得のための資金借入に関わる利息は損金算入できない。ただし、(1) 利息の受取法人が受取利息に対し10%以上の税率で課税されており、かつ、親会社へ配当される利益の控除は認められていない場合、(2)または、株式獲得および資金借入がともに健全な事業目的で行われたものであることを証明できる場合には、損金算入が認められる。

UK
欧州委員会、クロスボーダーでの損失の相殺に関するECJ判決の正しい適用を要請 


欧州委員会は、英国に対し、クロスボーダーの損失の相殺に関するMarks & Spencer判決(2005年12月13日付、C-446/03)を正しく実施するよう公式要請を行った。Marks & Spencer判決の実施を意図した法律の中で、英国は、納税者がこのようなリリーフから利益を享受することを潜在的に不可能にするような条件を定めている。欧州委員会は、これはEC条約違反であるとみなしている。この要請に対し、英国が2カ月以内に満足な回答を提出しない場合には、欧州委員会は本件をECJに付託する可能性がある。

Marks & Spencer判決において、ECJは、英国のクロスボーダー損失リリーフの禁止は、非居住子会社がその設立国において控除の可能性が全くなくなったにもかかわらず損失控除を否認するという限りにおいて不均衡であると判決した。本判決に従い、他のEU加盟国に設立された子会社の決定的な損失について、英国は原則としてリリーフを認めねばならない。

しかしながら、法律が改正された今でも、英国は、納税者が本リリーフから利益を得ることを実務的に不可能または潜在的に不可能にさせるような条件を課し、新法を「設立の自由の原則」と相容れないものにしている。これは特に次のような点に関してである。

  • 子会社の加盟国における損失の利用の可能性がないという条件の、不必要に制限的な解釈。
  • 子会社の加盟国における損失の利用の可能性がないという条件が満足されたかどうかの判定のための基準日が、当該損失が生じた会計年度末の直後に設定されている。
  • その他の加盟国に設立された子会社の損失に関わるリリーフ申請の期限が、申請法人の法人税申告提出日から12カ月以内とされる(国税当局による調査の場合には延長)。
  • 法律は、リリーフは2006年4月1日より後に被った損失のみに適用されるとしている。

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