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Japanese Business Tax Group ニュースレター 2009年1月23日

ワールドワイド・デット・キャップ税制(案)概要 - 日系企業への影響について

英国政府は、2007年夏に企業の国外所得の課税方法に関する検討を開始し、昨年12月に改正法案およびガイダンスを公表した。英国で業務を展開する日系企業にとって最も関心の高い改正は、日本政府がほぼ同時期に公表した日本の国外配当免税制度とほぼ同様な、英国の国外配当免税措置の提案であるが、本ニュース・アラートはもう一つの主要な改正について解説を行うものである。これは全世界ベース負債上限(”worldwide debt cap”)に基づき、税務上、支払利息の費用化に対する制限を導入することである。デロイトでは本改正点は、英国の国外配当免税制度と同様、あるいはそれ以上の影響を、日系企業の事業に与える可能性があると考えている。

ワールドワイド・デット・キャップ税制案の詳細に関しては、説例による解説を含めた2008年12月19日付の弊社の英文の速報をご参照ください。現法案において、多数の実務上の論点が指摘されており、これらの多くは、英国に投資を行っている日系企業にとっても関連するものである。当該 速報をご参照ください。
 
概略を述べれば、本法案により、一会計期間における英国内でのグループ間支払利息(総額ベース、”gross UK intra-group interest expense”)が、英国外の外部資金調達により生じる金融費用(純額ベース、”net non-UK external financing cost”)を超える場合には、英国での金融費用を税務上費用化することが制限されるか否かを、まず確認することになる。対応的調整取引(例えば費用処理が制限された支払利息に対応する他の英国子会社の利息収入の免除、”compensatory adjustment”)を含めた支払利息の税務上の費用処理に係る制限が、関連する英国企業の税務申告書に適用される。たとえ、グループ全体としてなんらの税務上の制限がない場合でも、コンプラインスの負担は著しく増加する可能性がある。
 
日系企業に対する実務上の問題点
現在提案されているこの新しい制度は、多数の日系企業に悪影響を与える可能性がある。

非日系企業と比較して、多くの日系企業の外部負債調達の比率は相対的に低い、あるいは、純負債を持たないほど財務体質が健全である傾向が見られる。しかしながら、連結グループ内での、内部債権・債務は当然に必要である。本法案は潜在的にそのような日系企業を、英国内でのグループ内債権債務から生じる利息の税務上の費用処理を制限することを通じて、不利な立場にする可能性がある。これはたとえ租税回避が目的でなくとも適用されるであろう。

本法案が公表されて以降、本税制の適用があるか否かを検討するゲートウェイ・テストに関する更なる検討が行われている。これは本法案による影響を明らかに受けない企業グループに対して、詳細な計算の必要性を減らすことを目的としている。しかしながら、ゲートウェイ・テストがどのような仕組みとなるか、あるいは、主要な対英投資を行っている企業の大多数のコンプラインスの負担を軽減するために有効か否かについては未だ不透明である。

日本のタックス・ヘイブン対策税制との相互作用 
本法案に関連して他に指摘されている論点は、日本の外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)(以下、CFC税制)との潜在的な相互作用である。

大まかにいって、日本のCFC税制は、日本から見て在外子会社となる子会社(外国関係会社)の実行税率が25%以下であり、一定の適用除外要件を満たさない場合、特定外国関係会社としてその収益を日本において課税するものである。

日系企業グループにとっての論点は、対応的調整取引(”compensatory adjustment”)が行われた場合、英国において対応的調整取引の債権者側での金融収益が免税となり、これが当該英国子会社の実行税率を25%以下に引き下げる可能性を有することである。結果として、その金融収益を含めた他の企業収益が、日本のCFC税制によって、日本で課税されることとなる(ただし、上記で述べた一定の適用除外要件を満たす場合は除く。)。しかしながら、この論点は、英国の連結納税制度であるグループ・リリーフで移転された欠損金の対価に対する支払いと類似した税務上中立的なグループ間取引を許容することにより解決される可能性があるが、現法案にはこのようなものは含まれていない。

コンサルテーション期間中に、デロイトは英国税務当局に対して本論点を提示することを予定している。

対応策に関する提案
英国政府は、本法案を検討し、意見を述べる短期間のコンサルテーション期間を企業に設けている。日系企業、特に英国内に金融機能を持つ日系企業、もしくは、連結ベースにて純現金を有している日系企業、は自社の状況をレビューする必要があり、これには以下の点が含まれる:

  • 自社の税務に与える影響への理解-これは支払利息の税務上の費用化の制限よりも広いものとなろう
  • 回避可能な税務上の不利益の特定
  • コンプライアンス負担または不当な税務上の結果に対する英国税務当局へのレプレゼンテーション

デロイトは、この複雑な法案に対する詳細なレプレゼンテーションを英国政府に対して行う予定で有るが、デロイトは企業が自らのレプレゼンテーションを英国政府に対して行うことを強く提案する。より多くのレプレゼンテーションは、英国税務当局が本論点に対して、企業にとって有利な変更を真剣に検討させる可能性を高めることになると理解している。

貴社が本法案の潜在的な影響を検討されたい場合、あるいは、なんらかのコメントまたはレプレゼンテーションを行いたい場合には、弊社の貴社担当者または下記の者へご連絡ください。英国政府へのレプレゼンテーションは2009年3月3日が期限となっている。

ご質問等がありましたら、お気軽に 弊社日系企業法人税グループにご連絡ください

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