Japanese Business Tax Group ニュースレター 2009年12月3日 |
英国予算編成方針案の公表 - 12月9日12時半
英国財務大臣は、12月9日水曜日12時半に、予算編成方針案を公表する予定です。本予算編成方針案に関連するコメントと分析は、12月9日当日に、下記の弊事務所のウェブサイトにて公開予定です。
http://www.ukbudget.com
シニア・アカウンティング・オフィサー
英国歳入関税庁は、シニア・アカウンティング・オフィサー(SAO)制度の義務に関する最終ガイドラインを公表しました。弊事務所のニュースレターでお知らせしているとおり、本制度は、英国において納税義務を有する大規模企業グループに対して、税務会計に関する会計システムを適切に整備することを求めるものです。罰則は、不作為および故意にこれらの義務を実行しなかったSAO個人および企業に対して課されます。多くの大企業グループにとっては、来年の早いタイミングで適用されることになります。
最終ガイドラインにおける主要な項目は以下のとおりです。
- 適用基準およびグループの範囲の適用について一層の明確化が図られました。
- 英国で設立された企業は、慈善活動または互恵活動をおこなっているか否かに関わらず本制度の適用対象となります。
- 休眠会社もまた適用対象に含められ、当該企業が会計システムを有していない場合でも、SAOの証明書の提出義務が課されます。
- 取締役(director)および幹部(officer)は2006年英国会社法の定義に従います。
- 取締役(director)はどのような名称であろうと取締役の職責を有しているものを含み、幹部(officer)は、その関連する法人における取締役、部長(manager)または秘書役(secretary)を含みます。
- 破産または清算手続中の会社に関しては、現実にSAOが存在しないであろうことから、そのような場合には、本制度の適用対象外になることが認められました。
- 社会保険料(NIC)、埋立税(Landfill Tax)、砂利または砕石等の建材に対する開発税(Aggregate Levy)および環境変動税(Climate Change Levy)は、本制度の適用対象外であることが確認されました。印紙税(Stamp Duty)もまた本制度の適用対象外となりますが、印紙保留税(stamp duty reserve tax)および土地印紙税(stamp duty land tax)は、本制度の適用対象税目です。
- 初年度に関する軽減措置(‘light touch’ approach)は、本制度の制定された以降の最初の事業年度のみに適用されます。したがって、将来において本制度の適用対象となる企業には適用されません。
- 事業年度においてSAOの交代があった場合には、新任SAOは、税務会計に関する制度が既に整備されているように観察されるなら、前任者の行った手続に立ち戻って確認することは義務ではないことが確認されました。
弊事務所のSAOのウェブサイトが更改されました。本サイトは、SAOの説明責任が御社または個人にどのような影響を与えるか、どのような対応が必要であるかについて、実務的な情報を提供しております。あわせて、影響を受ける日系企業向けに、弊事務所にて英語および日本語の概要を記載した資料を作成しております。本社向けの説明資料としてご活用いただければと思っております。本資料をご希望の場合には、弊事務所までお問い合わせください。
SAOの説明責任に関してご質問等ございましたら、弊事務所の貴社担当者までご連絡ください。
デロイト国際貿易関税(GT&C)チームのご紹介
EUおよび米国における輸出規正法にいくつかの重要な変更が行われました。これらの変更は英国で事業を営む企業に、当該変更の域外適用を求めるものです。一般的にいって、輸出規制は、国境を越える一定の物品、ソフトウェアおよび技術の貿易および移転を監督するものです。規制は、物的な輸出、技術指導の提供および技術ならびに技術データの無形の転用に対して適用されます。当該規制の対象となる項目の範囲は、きわめて多岐に及んでおり、各種の商業上の品目、特に製造、石油・ガス、ライフ・サイエンスおよび電機業界を対象としています。罰則は極めて深刻で、民事上の罰則および輸出免許の取消から、拘禁および輸出特権の完全否認にまで渡ります。
デロイトでは、この分野に関して、強固なCT&Gチームを組成し、50ヶ国以上にわたる300人以上の国際貿易のプロフェッショナルを有しております。御社の国際貿易の実務に関して、リスク管理およびコスト削減の観点からお役に立てるのか、弊事務所担当者に是非お問い合わせください。
企業の税務上の居住地に関する裁定-英蘭租税条約
第一審判所は、国内法によりオランダ企業が英国の税務上の居住者となるか否か、および、英蘭租税条約がどのような影響を持つか否かを争ったLaerstate BVに関する事例について判決を下しました。
第一審判所は、英国に在する取締役Xによりすべての重要な判断は行われたと判断しており、それゆえに、Laerstate BVは関連する事業年度を通じて英国の税務上の居住者である旨の結論を出しました。本判決は、「…[X]の活動は、彼が取締役であった事業年度を通じて、方針、戦略および経営判断に関する事項に関係しており…彼が取締役を辞任した以降においても…彼の活動は実質的な最高意思決定を構成しており…[Y]の活動は指示を受けた場合に書類に署名すること、または、決算書のような通常業務に対応することに限定されている。このような場合には、実質的な経営判断の所在地は英国である」旨を示しています。
弊事務所は、英国歳入関税庁が、本判決に従い、近い将来に企業の税務上の居住地に関する何らかのガイダンスを公表すると理解しております。
iXBRL: 法人税申告書 - タギングについてのHMRCの方針
2011年3月31日以降、法人税申告書は、Inline XBRLまたはiXBRLとして知られている特定のデータ形式によりオンラインにて提出することが義務付けられます。英国歳入関税庁はXBRLのデータのタギングに関するいくつかの方針(タギングの時期、方針、対象)を、iXBRLに対応する財務ソフトウェアを使用しない納税者およびその税務代理人に対して公開しています。
英国歳入関税庁は、iXBRLの法定財務諸表を提出しなければならない企業に関する情報を税務専門家団体に対して公開しています。本法案は現在草案段階ですが、本法案は、破産手続中の企業および法人格を有しない事業体を除く、法人税申告書を提出するすべての企業に対して拡大適用される見込みです。
付加価値税の2010年1月1日からの税率変更
2010年1月1日から付加価値税(VAT)の税率が17.5%へ変更されます(なお、予算編成方針での新たな発表を考慮する必要があります。)。本変更に対する貴社会計システムの変更に注意する必要があります。しかし、英国歳入関税庁は、税率変更後の初めての付加価値税申告書において、税率変更に関する誤りには緩やかな(light touch)対応をとる旨を公表しています。
欧州司法裁判所-株式発行に関する英国印紙保留税(Stamp Duty Reserve Tax)
欧州司法裁判所は、英国の銀行の株式を対価の一部とするフランスの銀行の買収により、フランスの決済システムに対する株式発行に関して、1.5%の英国印紙保留税(Stamp Duty Reserve Tax (SDRT))が英国の銀行に課された事例について、裁定を下しました。欧州司法裁判所は、本裁定にて、英国の課税はEC資本税指令(EC Capital Duty Directive)を侵害しており、不法に課されている旨を示しています。
英国歳入関税庁は、EUの決済システムに対する株式の発行に関する本裁定を受け入れているが、EU域外の決済システムを含む裁定を受け入れていません。英国歳入関税庁は、たとえば、EUの決済サービスを経由している米国市場を企図した株式の発行を防ぐことを意図した法律の改正を行う予定です。欧州経済領域(EEA)の決済サービスに株式を発行し、英国印紙保留税を支払った企業は、還付の可能性を検討すべきでしょう。
法人税申告書の受領手続が英国歳入関税庁にて遅延中
2008年11月より英国歳入関税庁は、法人税申告書の受領業務の集約化の手続を開始しており、貴社におかれましても、法人税申告書の提出先の税務署を変更する旨の通知を受け取られたかもしれません。いくつかの集約化された拠点において、大規模な業務変更およびそれに付随するトレーニングにより、英国歳入関税庁の業務の遅延が発生しています。特にロンドンでは大きな影響を受けておりますが、英国歳入関税庁は、状況が改善に向かいつつある旨発表しております。
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