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Japanese Business Tax Group ニュースレター 2009年1月

日系多国籍企業の英国持株会社 - 英国と日本の2009年税制改正の相互作用

(本ニュースレターは、2009年1月27日に弊社より発行した” UK holding companies of Japanese multinational groups”を日本語訳したものです。)

英国政府は2007年夏に企業の国外所得に対する課税制度の見直しを開始し、昨年12月に改正法案が公表された。主要な点は一定の制限の下での大規模および中規模グループへの国外配当免税の導入である。国外配当免税を受けるにあたり、最低株式保有割合要件および最低株式保有期間要件は現状要求されていない。

これに続き日本政府は2009年4月1日以後に開始される事業年度に係る税制改正案(税制改正大綱)を公表した。上記の英国での提案と同様に、当該税制改正案は、以下を含めた日本企業の国外所得に対する課税制度への大きな変更を含んでいる。

  •  国外配当免税:  国外配当の95%免税措置が発表された。最低株式保有割合要件および最低株式保有期間要件を満たす海外子会社からの配当は、日本の法人税等が免税となる(5%は配当に係る費用に相当するとして免税の対象とならない。)。一般的な要件は、内国法人が外国法人の発行済株式等の25%以上の株式等を、配当等の支払義務が確定する日以前6ヶ月以上引き続き直接保有していることである。なお、日仏・日米・日豪等の一定の租税条約においては、最低株式保有割合要件が引き下げられるであろう。たとえば、最低株式保有割合要件は、日米租税条約においては、在米子会社の議決権の10%まで軽減されて、国外配当免税措置が適用される。
  •  外国税額控除:一定の経過措置を経て、外国子会社が納付した外国法人税に関する間接外国税額控除は廃止される。
  • 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制または“CFC” 税制):  一定の要件を満たした場合、現行の日本のCFC税制は、軽課税国に所在する子会社(特定外国子会社等またはCFC)の日本の株主が、その保有割合に応じた特定外国子会社の未処分利益(課税対象留保金額)を課税所得に含めることを求めている。改正案においては、特定外国子会社等が、発行済株式等の25%以上の株式等を配当等の支払義務が確定する日以前6ヶ月以上引き続き保有している子会社から配当を受け取る場合、当該配当が課税対象留保金額から控除されることとなる。

上記変更、特に提案さている英国と日本の税制改正の相互作用は、英国内または英国を通じて日本国外に事業展開している日系企業に大きな影響を与える可能性が潜在的に存在する。

以下の設例は、現状の税制改正案に従い、英国と日本の税制改正がどのように日系多国籍企業の様々な英国持株会社に影響を与えるかに関するデロイトの理解を示している。これらの設例は、英国の持株会社に対して支払われる配当に関する源泉税が発生しないと見做しており、在EU孫会社からの配当の場合に想定される通常のケースである。

英国純粋持株会社
設例1

Deloitte Image

  • 英国持株会社は、欧州持株会社以外に実質的な事業を有していないことを前提とする。なお、英国において持株会社が実態を有しないことは、実務的には、在欧孫会社が所在する国のトリーティー・ショッピング対策税制により、いくつかの在欧孫会社(例えばドイツ)における配当源泉税に関する論点を生じ得る。
  • 提案されている英国の税制改正案においては、在欧子会社からの国外配当は免税となる。英国の国外配当免税措置は、最低株式保有割合要件を求めていない。この結果として、英国持株会社の受取配当金は、日本のCFC税制における英国持株会社がCFCとなるか否かの判定に影響を与えることとなる。
  • しかしながら、提案されている日本の税制改正案においては、CFCが、発行済株式等の25%以上の株式等を配当等の支払義務が確定する日以前6ヶ月以上引き続き保有している子会社から配当を受け取る場合、当該配当は日本の親会社の課税所得に含まれないこととなる。
  • したがって、上記の設例では、実効税率が25%以下となることから英国持株会社は日本の税制上CFCとして扱われると解されるが、CFCの受取配当は、日本のCFC税制上、課税対象となる所得の金額から除かれることとなり、実質的な影響はない。


設例2
Deloitte Image

  • 設例1と同様の前提とする
  • しかし、英国持株会社により在スペイン子会社の株式の24%が保有されていたと仮定した場合、在スペイン子会社から英国持株会社への配当は、日本のCFC税制上の課税対象となる所得として、日本の親会社が課税されると解される。
  • 在スペイン子会社が納付した外国法人税は日本において外国税額控除の対象とはならない。

英国事業持株会社
設例 3
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  • ここでは、英国持株会社は在欧持株会社であるとともに、実態のある事業活動をおこなっていることを前提とする。
  • 上記のとおり、提案されている英国の税制改正案では、国外配当は英国税制上免税となる。
  • しかしながら、25%超の実効税率を前提とすれば、英国事業持株会社は日本のCFC税制上、CFCとしては取り扱われない。
    しかし、仮に英国事業持株会社が設例よりも小規模な事業所得であることから実効税率が25%以下となる場合には、英国事業持株会社が適用除外要件を満たすか否かの検討を行う必要があり、日本税制上のCFCに該当するか否かの判定の困難さが増すこととなる。

実効税率が25%以下の場合の英国事業持株会社
設例 4
Deloitte Image

  • 現行の英国税制においては、英国持株会社が受け取る配当金と事業所得の双方が28%の税率で課税され(配当に係る外国子会社が納付した外国法人税に関する外国税額控除を含む)、したがって、英国持株会社は日本のCFCとしては取り扱われないであろう。しかし、提案されている英国の税制改正案では、配当所得は英国の法人税から免税扱いとなり、設例のとおり実効税率16%(25%以下)を前提とすれば、英国持株会社は日本税制上のCFCとして取り扱われる可能性がある。なお、英国で支払われた法人税に対する外国税額控除は可能であろう。
  • しかしながら、上記の設例において、英国持株会社が、日本のCFC税制上、適用除外要件を満たすと主張することが可能な場合もあり得る。その場合には英国持株会社に関して日本のCFC税制による課税は日本の親会社では発生しない。

パッシブ・インカムを有する英国持株会社
設例 5
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  • 英国において提案されている税制改正において、利子所得は28%の税率で課税される一方で、配当所得は免税となる。国外配当免税措置を考慮し実行税率21.5%(25%以下)を前提とした場合、英国持株会社は日本税制上CFCとして取り扱われ、また適用除外要件を満たすことは困難であろう。したがって、外国税額控除の適用可能性がある利子所得1,000が日本において課税対象となり得る。設例4と同様に、現行の英国税制上は、英国持株会社が受け取る配当と利子所得は、28%の税率で課税されている(配当に係る外国子会社が納付した外国法人税に関する外国税額控除を含む)。したがって、英国持株会社は日本の税制上CFCとしては取り扱われていない。

英国国外から配当を受け取る在英子会社を有する日系企業は、上記税制改正が自社のストラクチャーに与える影響を判定するために必要な手続きを速やかにとらなければならず、上記の税制改正が効力を有する前に、対応策が必要であるか否かの検討を行うべきである。多くの事例においては、税務上の悪影響を最小化または排除することが可能であろう。デロイトでは本件に関してお手伝いをさせていただきたいと考えております。

影響があると考えられる日系企業は日本の税務当局に対してレプレゼンテーションを行うことを検討するべきであろう。デロイトは本件に関しても積極的にお手伝いをさせていただきます。

ご質問等がありましたら、お気軽に 弊社日系企業法人税グループにご連絡ください

 

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